世界変動展望

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万能細胞:STAP論文問題 笹井氏会見 釈明繰り返す「参加、最後の2カ月」

2013-02-28 23:36:11 | 社会

STAP細胞論文に疑惑が浮上して以来、初めて16日に記者会見に臨んだ理化学研究所の笹井芳樹発生・再生科学総合研究センター副センター長 (52)。わずか2カ月半前に作製成功を発表した時の自信に満ちた笑みは消え、「沈痛の極み」「慚愧(ざんき)の念に堪えない」と反省の弁を繰り返した。 論文のとりまとめ役として自身の責任を認める一方、「論文の最後の2カ月強に参加した」「ノートを見せなさいと依頼するのは難しかった」などと強調し、釈 明が目立つ内容になった。

 同センターの小保方晴子研究ユニットリーダー(30)ら他の主要著者が相次いで会見する中、笹井氏は 「最後のキーマン」として注目された。東京都千代田区の記者会見場には300人以上の報道陣が詰めかけた。濃いグレーのスーツの胸には理研のバッジ。緊張 した表情で会見場に現れた笹井氏は、冒頭で「疑惑を招く事態となったことを心よりおわび申し上げます」とカメラのフラッシュを浴びながら深々と頭を下げ た。

 笹井氏は36歳で京都大教授に就任するなど、日本を代表する再生医学研究者として知られ、次期センター長とも目されていた。

 会見は3時間20分に及んだ。最初の45分間、用意した文書をもとに、STAP細胞論文における自身の 役割などを説明した。論文については撤回すべきだとする一方で、「自分の中でも不思議な現象。科学者としてはっきりさせたい」と、STAP細胞の存在その ものには自信を見せた。

 STAP細胞の万能性を示す証拠となるはずの画像など論文の核となる部分で理研の調査委員会から不正を 指摘されたことに対し、笹井氏は「小保方氏は独立した研究室のリーダーで、ノートを持ってきて見せなさいというぶしつけな依頼は難しかった」「多くのデー タは若山(照彦・山梨大教授)さんがチェックしたのを前提に見ていた」などと、責任逃れともとれる釈明を繰り返した。

 一方、小保方氏については「豊かな発想と高い集中力があるが、トレーニングが足りなかった」と評した。 9日の小保方氏の記者会見の感想を聞かれると、一瞬言葉に詰まった後「率直に言って心が痛んだ」「背伸びさせるだけでなく、足元を固めさせることが足りな かった」と表情を曇らせ、共に論文を執筆した小保方氏を最後までかばい続けた。【斎藤広子】

毎日新聞 2014年4月17日