世界変動展望

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フライデーがバルサルタンを年間千億円売った伝説の女部長を報道!その他のノ社元販売責任者

2013-06-14 17:56:57 | 社会

14日発売のフライデーがバルサルタン事件の続報を報じた[1]。内容は概ね次のとおり。

(1)患者や家族に迷惑をかけたとしてノバルティスファーマ社の役員が月額報酬を2ヶ月カットすると発表したが、罪と罰が釣り合っていない。ディオバン(バルサルタン)はこれまで1兆2000億円超売れ、それらの大部分は国民の保険料から出ていること。薬効に疑問符がついた今ノ社はどうやったら社会的責任をとれるのか?一番問題の論文捏造の調査も進展がない。

(2)ノ社、学者、医療専門誌の三位一体でディオバンをブロックバスターに成長させたこと。

※説明 ノ社が大学の学者を厚遇、学者が臨床研究でノ社に有利な成果を発表、それを医療専門誌で宣伝し販促。ディオバンは年間1000億円超売り上げるブロックバスターに成長。

(3)データが捏造・改ざんされた可能性があること。バルサルタンの臨床研究では脳卒中のリスクを下げるなどの薬効が示されたが科学的根拠がなくノ社か大学もしくは双方がデータを作った可能性がある。

(4)バルサルタンの臨床研究(Kyoto Heart Study,VARTなど)ではノ社のS元社員が統計解析者として関与していたこと。

(5)ノ社はアカデミズムを手玉にとり、「日本初の大規模臨床試験になる。話題になりますよ。」と名誉欲をあおって基礎研究の研究者を引っ張り出した。小室一成東大医学系教授もそれ故に引っ張り出された。

(6)ディオバンは年間1000億円超売り上げたが、その成功にはS元社員の上司であるF元ノ社女性社員(以下、F女史)が大きく貢献していた。彼女なくしてディオバンの成功はなかった。

(7)F女史は東京理科大学薬学部卒業、サンド薬品に入社し、合併でノ社に。ノ社初の女性プロダクトマネージャー(※)。論文捏造の可能性のあるS元社員の上司でディオバンマーケティング部長という肩書き。辣腕でディオバンの市販準備からマーケティングまでの責任者でディオバンの年間1000億円の売り上げ達成まで担当。現在はNPO法人の代表を務める。

※ フライデーではノ社初の女性プロダクトマネージャーと記載されてるが、このサイトによるとノ社での出来事ではなくサンド薬品時代の出来事で業界初の女性プロダクトマネージャー[5]。フライデーの記事はこのサイトの記述を参考した可能性があるが、わずかに違っている。

(8)年間100億円売り上げればブロックバスターとよばれるが、F女史はその10倍売った。ノ社のカラーである赤のスーツで大学病院をよく訪れ、いろいろな大学にパイプを持っていた。日本高血圧学会の幹部にも食い込んでいた。医薬業界では最も有名な女性。一方、S元社員はあまり押しは強くなく上からの指示を待っている感じだった。

(9)「コピー機ならゼロックス、検索ならgoogle、降圧剤ならディオバン。」と言い、ディオバンが降圧剤の代名詞になるように熱心に活動していた。医療専門誌の宣伝に目をつけた。ノ社の広告を赤に変更したのもF女史。製薬業界の広告はそれまで白、黒が多かった。

(10)ノ社の内部調査で「Sの上司には臨床研究にSが関与していることを認識し、研究を支援していた者がいた」ことが判明している。F女史はメガスタディにも目を配る立場にいた。仮にノ社がデータを捏造したのならF女史が知らなかったはずはない。きちんと説明する責任がある。

(11)フライデーの記者の直撃取材とF女史の回答

フライデー記者「データ捏造が指摘されていますが?」

F女史「当時のこと?知るわけないでしょ。直接関係ない。(S元社員の)直接の上司でもない。(捏造ではなく)データをインプットする時点で間違っていたのだと思う。私にはわからない。」

フライデー記者「組織ぐるみの不正疑惑がありますが?」

F女史「それは本当に勘違い。あなたたちマスメディアの人たちがものすごい色眼鏡で見ている。」

(12)フライデーの取材に対しF女史はノ社からのヒアリングを受けていることを認めた。残りの質問には「何も知らない。」の一点張りだった。

(13)一番の懸念はディオバンは高い降圧効果がないのに爆発的に売れてしまったことで、他の薬を使っていれば防げたかもしれない脳卒中を起こしてしまった人もいないとは限らないこと。

(14)写真はフライデー記者の直撃取材を受けるF女史。顔にモザイクあり。もう一つは堀内正嗣日本高血圧学会理事長、小室一成東大医学系教授らの顔写真の載ったディオバンの宣伝広告の写真。

以上。数週間後にフライデー関連サイトで記事が掲載されるかもしれないので、詳細を知りたい人はそれまで待つかフライデーを購入していただきたい。

私は今回のフライデーの報道が気になる。(7)のようにF女史の経歴を紹介した。まるでF女史の実名等はネットで調べてくれと言っているようだ。なぜなら、これだけの情報をもとにネットで調べると簡単にF女史の実名と顔写真がわかる。例えばグーグルで「東京理科大学卒業 ノバルティス NPO法人」で検索するとこれらが簡単にわかる。フライデーは事実上F女史の実名と顔写真を暴露したといっていい。フライデーの記事からネットの検索で簡単に実名と顔写真がわかることを情報屋のフライデーが知らなかったはずがないし、多くの読者の中でネット検索を誰もやらないとは思っていないに違いない。事実上の暴露だ。

前に言ったとおり実名、顔写真などプライバシーに関するものはすでに公表されているなら扱っても構わないと考えているので書くが、端的にいってF女史は藤井幸子(Sachiko FUJII)[2][3]。[3]によると、

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代表理事
藤井 幸子 Sachiko Fujii

東京理科大学薬学部卒業。
国内洗剤メーカー研究所勤務を経て、サンド薬品(スイス製薬会社)で、情報サービス担当5年ほか、マーケティングを20年経験する。
ノバルティスファーマでダイバーシティ推進室を立ち上げ、企業戦略としてのダイバーシティを導入した。
ノバルティスファーマを退職後、2008年より、GEWELの理事として活動し、2011年4月代表理事就任。
興味のある分野はマーケティング的アプローチのD&Iの推進、リーダーシップなど。

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日経ビジネスの記事による藤井は2006年4月1日以前まで「医薬品事業本部 循環器事業部でマーケティング部長を務めていた[3]」[5]。太字で書いた部分が[1]の記事と合致するので、ここまで合致すればF女史は藤井幸子と断定できる。上で述べたとおり、これらはネットの検索で簡単にわかるので、フライデーの記事は藤井の実名等の事実上の暴露といえる。

フライデーの論調をみると、藤井がバルサルタン事件で大きな役割を果していたように書かれている。

・藤井は統計解析者として臨床研究に関与していたS元社員(白橋伸雄)の上司。白橋が一連の臨床研究の被疑者の一人。

・藤井はかなりの辣腕。白橋は押しは強くなく、上から支持を待っている感じだった。

・藤井は販促に熱心で大学にいろいろパイプを持ち、高血圧学会幹部とも繋がっていた。医療専門誌の宣伝にも目をつけていた。

・ノ社、大学、医療専門誌の三位一体の活動がディオバンの年間1000億円の売り上げに貢献。

・上司が白橋が臨床研究に関与していることを認識し、研究を支援していた。藤井はメガバンクに目を配る立場にいたのだから、仮にノ社がデータ捏造したのなら知らなかったはずがない。

まるで一連の事件の首謀者のような書かれ方だ。赤いスーツに身を包み営業活動に熱心で、ノ社の宣伝広告を赤く変えたが、ディオバンの研究成果等は真っ赤なウソだったかもしれないと皮肉る記事を書かれていた。

私はフライデーの記事が本当かどうかはわからないし、藤井が一連の事件でどう関わっていたのか全くわからないし、ディオバンの販促にどれほど貢献したのかもわからない。ただ、ノ社からのヒアリングを受けていることを藤井が認めたという言及があるので、これが事実なら事件に関与していた可能性はあるだろう。14日のRISFAXの報道で白橋が5つのバルサルタン臨床研究に関与していたことをノ社『は臨床研究を実施した5大学の教授や一部医師が、元社員の所属を「知っていた」と考えている[4]』と報じた。ノ社の調査報告書にその旨の記載があり、ノ社は『元社員が会社のEメールアカウントを用いて、主任教授や医師と連絡を取っていたことを確認しているという[4]』[4]。各臨床研究の研究者たちが白橋のノ社所属を知っていて論文に表記しなかったと示唆するといえる。ノ社と研究者の共謀の疑いはますます強くなった。

二度とこのような事件を起こさないために、バルサルタン事件は徹底的に真相を究明し再発防止策を作らねばらならない。藤井が事件に関与しているならきちんと説明責任を果してほしい。あわせて現在の研究不正調査制度の問題論文数の水増しなどによる不当な業績評価の問題を改善しなければならない。

参考
[1]"クスリの闇/<疑惑の降圧剤>を1000億円売った「伝説の女部長」
◆ノバルティスファーマ「バルサルタン」、小室一成・東大教授" 記事のタイトルの写し

フライデー 2013.6.28号 (2013.6.14 発売) p86

[2]世界変動展望 著者:"白橋伸雄(Nobuo Shirahashi)・ノバルティスファーマ社社員のバルサルタン不正疑惑への関与について" 世界変動展望 2013.4.30

[3]NPO法人GEWELによる藤井幸子の紹介(顔写真入り)、その写し。日経ビジネス(2007.6.29)の写し。ともに2013.6.14 閲覧。

[4]RISFAX 記事 写し 2013.6.14

[5]ノ社の2006年4月1日付けの人事 写し

藤井 幸子   (ふじい さちこ)

新 ダイバーシティ推進室長
旧 医薬品事業本部 循環器事業部マーケティング部長


原田 寿瑞 (はらだ としみつ)

新 医薬品事業本部 マーケティング本部循環器領域マーケティング部長
旧 医薬品事業本部 循環器事業部マーケティング部 ディオバングループグループマネージャー

とある。2006年4月1日以前まで原田は藤井の部下で藤井の後任が原田。

原田は2011.11.19頃ノ社眼科領域ビジネスフランチャイズ部長(兼)眼科領域営業部長で、

『米国系大手医薬品メーカーにて学術業務を経験後、米国、カナダにてマーケティング研修を経て眼科用剤および循環器用剤の国内プロマネ。その後、米国本社にて米国内市場のための循環器用剤プロマネを担当。その後国内でのプロマネ、営業を経験。 2002年より、ノバルティスファーマ株式会社にて、高脂血症治療薬、高血圧治療薬のマーケティングマネージャーを担当ののち、現職。』(このサイトより、写し、2011.11当時) とある。

また藤井幸子の経歴として

『元 ノバルティスファーマ(株) ディオバン ブランドdirector
サンド薬品時代に業界初の女性プロダクトマネージャーとしてテルネリンを上市、3年で年商100億を達成。カラーブランディングを取り入れた。ノバルティスになってから、営業推進担当として新薬上市における営業部門とのコミュニケーションの課題を認識した。ディオバンのマーケティング責任者として、上市準備から、ブロックバスターとして1000億円の売り上げ達成まで担当した。その後ダイバーシティ推進室を立ち上げ、マーケティング的発想で企業風土改革に取り組んだ。ノバルティスを退職し、NPO GEWEL (ジュエル) で、ダイバーシティ&インクルージョンを広める活動を行っている。』(このサイトより、写し、)

と紹介されている。フライデーの記事と類似する。このサイトを参考にして記事を書いたのかもしれない。

論文捏造&研究不正 のツイート (2013.6.14)
(注) 日付は著者が都合により削除

青野吉晃日本ベーリンガーインゲルハイム社長写し)はノ社元営業本部長・執行役員写し)でディオバンの販売にも重要な責任があった。青野、藤井、原田と当時のディオバンの販促の責任者がわかってきた。今後どうなるのか注目する。

([5]は2013.6.15に追記。)

[6]その他の報道

フライデーのF女史が藤井幸子であることや、青野吉晃のことは上昌広のYahoo Japan ニュースで言及された写し)。

([6]は2013.9.5に追記。)

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