世界変動展望

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平成23年度和算に挑戦の感想

2012-03-06 00:36:07 | 物理学・数学

平成23年度和算に挑戦が終了した。今年は初級問題の答えが高齢になり、問題の絵とギャップがあるため混乱した人がいたようだ。それは私も解いたときギャップを感じたが、問題の絵は答えと関係がある必然性はないので、特に問題ないと思うものの小学生あたりが解くことを考えると何か関係性があると思う人がそこそこいるのも不思議はないだろう。

また、江戸時代の問題にも関わらず長男が96歳で、江戸時代でこんなに高齢なのかと驚いた人もいたらしい。だから答えが間違っていると思った人もいたかもしれない。もともと数学の問題は必ずしも現実を反映しているわけではなく、常識や現実と関係している必要はないので、答えが数学的に正しければ何も問題ないはずだが、小学生くらいが解くことを考えると現実や常識とギャップがあることに違和感を覚えるのだろう。

しかし、少し厳しいことをいうとこんなことで混乱し、自信をもって正解を出せないようではいささか問題である。先にも述べたように、数学の問題では答えと挿絵、常識に必ずしも関連性がないことは当たり前のことで、それらにギャップがあったからといって混乱するようでは科学的能力が乏しいと思う。現実と空想の区別がつけられないといってもいい。「数学の問題なんて所詮空想で作られたもの。現実や常識とギャップがあっても数学的に正しければそれが正解」となぜ判断できないのだろうか?小学生くらいなら無理ないかもしれないが、きちんと正しい判断ができなければまずいだろう。

中級、上級に関しては例年と同じ感じで、中級はすんなり解け、中、高校生もたくさん正解しているが、上級になると学生の正解者はがっくと減って一般が多くなる。意見にもあったが、上級と中級はレベルの差が大きく、上級になると中級よりかなり難しくなって計算がかなりめんどくさい問題が出される。だから一般の人しか解かないのだろう。上級問題も毎年解いているが解法を見つけるのは難しくなく、計算が複雑でめんどくさいのが嫌なところである。平成22年度上級の4次方程式の手計算解法などはかなり難しく、難易度が高い。解法を見つければ計算が難しくなくすんなり解けるという問題は平成21年度上級くらいだ。ああいう問題はあまり出題しなさそうだ。ああいう問題だとそこそこ面白いのだが。

あと、毎年思っていることであるがこのブログは挑戦者にかなり読まれており、どうも解答を求めている様子がよく見れるので、締め切り日前でも希望者には完全解答を公開してもいいかと思っている。読者のニーズに応えたいというのもあるし、ヒントだけほしい人には完全解答を別ページに公開することでヒントだけを閲覧できるようにもできるし、ニーズに合わせた情報提供ができるだろう。解答集を見ると、問題の原文などを見ながら解答した人がいて、それでも正解になっているので、出題側としては他の文献の答えを参考にして解答しても別にかまわないとしているのではないかとも思えるからだ。

私としては他人の答えを写して答案を出しても意味はないとは思うものの、現実には答えを写してでも答案を出したい人がいるようなので、その人にとってそれが意味があるなら私としては別にかまわないと思っている。上でもいったように出題側が既存の解答を参考にして解答した答案さえ正解にしているところを見ると、他人の答えを写して提出されてもかまわないと思っているのだろうし、締切日前の完全解答公開も別にいいかと思うようになった。現在まだ検討中だが、来年度以降の和算に挑戦は締切日前に完全解答を公開するかもしれない。

今年度の和算に挑戦も終わった。来年度はもっと楽しい問題を期待している。