『ソウル大、論文17本捏造した教授の再審査請求を却下
「論文捏造の責任を教え子に押し付け」
幹細胞に関する論文17本を捏造(ねつぞう)したとして、ソウル大の懲戒委員会に付託された同大獣医学部のカン・スギョン教授が「(大学側の)調査結果を受け入れることはできない」として提出していた再審査請求が却下された。同大は今月16日、研究真実性委員会の全体会を開き、カン教授の論文捏造をめぐる調査の結果、再審査請求を却下した、と17日発表した。同委員会は昨年12月、カン教授が論文17本を自ら捏造したとの結論を下していた。
ソウル大の関係者によると、カン教授は最近、真実性委員会に提出した再審査請求書で「本人は(教え子の)大学院生が持ち込んだ資料を基に論文を書いただけで、(資料が)捏造されたものだとは知らなかった」と主張した。同関係者は「真実性委員会の調査で、自ら論文を偽造、捏造したことが確認されたカン教授が、教え子の大学院生たちに責任を押し付けた。(カン教授が論文を捏造したという)大学院生たちの証言があることに加え、真実性委員会の調査と相反する主張のため、受け入れる理由がない」と語った。一方、ソウル大側によると、カン教授は同委員会の調査対象となった研究員や大学院生たちに対し「なぜそういう(自分に不利な)証言をするのか」との電子メールを送っていたという。
梁昇植(ヤン・スンシク)記者
朝鮮日報/朝鮮日報日本語版 [1]』
こういう問題が起きると責任のなすりつけあいが起きることがある。東大分生研の事件や京都府立医大の事件もきっと共著者同士で責任のなすりつけあいをやっているのだろう。責任著者の教授だけが悪くて、自分は悪くないと本気で主張してるんじゃないかな。
思えば、これまでの調査結果を見ると共著者にまで公正に責任をとらせたという事案はあまりない。獨協医大の某教授の事例は筆頭著者が6人もいながら、「教授の指導を受ける立場にいて論文について口を挟めなかった」といって不正の関与を否定したし、二重投稿も不可解な理由で不正としなかった[2]。藤井善隆の事件も共著論文が100編以上ありながら、許可をせずに発表させていたと不可解な弁明をした者もいたし、共著者は誰も不正に関与していないという結論だから驚く[4]。
「できれば不正を認めない、認めたとしても一人に押し付けてできる限り他の人たちは逃げ延びる。」
そういう考え方が現実にあるのではないかと感じている。無論、根本的な理由は責任をとりたくないという考えがあるからだ。
私がこういう事例を見ていつも思うのは、調査委員会は誰かを助けるといった保身等のために不公正な調査してはならないということだ。不正行為者がまだ若手だから助けたい、裁判リスクを避けたい等の理由でわざと真実を歪め、不公正な調査をするのはあってはならない。誰であろうと不正をしたなら責任をとるのは当たり前で、真犯人が誰かに責任を押し付けて逃げのびるというのはとんでないことだ。特に博士号を持ち、お金をもらって研究をやっているなら尚更だ。
藤井の調査をみると、日本麻酔科学会という第三者機関さえ、そのような不公正さを感じるので、日本の現状はとてもまずいと思う[3]。改善策は今まで述べてきたので言わないが、公正さの実現について多くの人が努力し、きちんと実現する日がくるとよい。
参考
[1]朝鮮日報/朝鮮日報日本語版の記事 2013.1.18
[2]世界変動展望 著者:"研究機関の不当調査裁定と人事・査定への助言- 獨協医大の不当調査裁定を例として" 世界変動展望 2012.2.5
[3]世界変動展望 著者:"共著者は関与者なし? - 藤井善隆の捏造事件" 世界変動展望 2012.7.6
[4]日本麻酔科学会の調査報告書と概要 2012.6.28
研究不正。
当事者に、自身がデータ数値を改竄して投稿した論文を示しても認めません。
大学や所属学会に相談しても、調査もしてくれません。
文科省に相談しても「担当部署で検討します」と約1年、
学振に至っては「本会が関与するものではありません」でした。
そして研究不正を指摘したら、教授や他の教室員からハラスメントを受けます。
大学は、たとえ労災認定されたハラスメントでも、ハラスメントはなかった、と結論づけます。
やりきれません。
そういえば、あなたがメールでいってた例の争いはどういう判断になったのでしょうか。