「中央区を、子育て日本一の区へ」こども元気クリニック・病児保育室  小児科医 小坂和輝のblog

感染を制御しつつ、子ども達の学び・育ちの環境づくりをして行きましょう!病児保育も鋭意実施中。子ども達に健康への気づきを。

医療的ケアが必要な子どもでも、普通学級に通う選択肢がある。学ぶ場をきちんと創っていきましょう!

2017-01-03 23:00:00 | 各論:障害児保育、医...
 すべての子ども達に、教育が保障されなければなりません。

 医療的ケアが必要な子ども達であっても、その子の病状にあった配慮の下、学ぶことができるように。

 地域差がある現状を打破していく必要があります。


*****福井新聞******
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/112453.html

気管切開の女児、普通学級楽しい 福井市河合小、クラス全員で支援

(2017年1月3日午前7時20分)


 気管切開し、看護師によるたんの吸引が必要な小学1年生の女子児童が、福井市河合小の普通学級に通っている。声は出せず、意思の疎通は口の動きを読み取るかジェスチャーだけだが、クラスメートの支援を受けながら、学校生活を送っている。

  ■看護師が待機■

 児童は浪花莉愛(りな)ちゃん(7)で、2016年4月に河合小に入学した。

 莉愛ちゃんは脳腫瘍で、これまで3回手術。右半身にまひが残っており、気管切開も行ったため、首には管状の医療器具が付けられている。のどの穴からチューブを入れて吸引器でたんを吸い取る作業が1日に数回欠かせず、授業中は常に看護師が待機している。

 12月16日の算数の授業。担任の柳原映理子教諭(52)が「写真の中でいすに座っている人は何人ですか?」と質問すると、手を挙げてあてられた莉愛ちゃんは立ち上がり、クラスメートに向かって「な・な・に・ん・で・す」と口を動かした。するとクラス全員が口の動きを読み取り「いいでーす」と声を合わせた。

 莉愛ちゃんは体育の授業も受けており、入学時から見守っている看護師の井上真希さん(30)は「最初は右足を引きずりながら歩いていたが、バランス感覚が良くなり、だいぶ早く歩けるようになった」と話す。

  ■特別支援学校■

 莉愛ちゃんの家族は、学校を決める際、特別支援学校を選択肢に入れていた。入学するには視覚障害、聴覚障害のほか▽知的障害▽肢体不自由▽病弱―の種類ごとに学校が振り分けられる。

 莉愛ちゃんは「病弱」の部類で、福井市内では福井東特別支援学校に通うことになる。ただ同校では一緒に入学する同級生がいなかった。母の恵さん(40)の「人とのかかわりを覚えてほしい」との思いもあり、小学校の入学先を探すことにした。

 校区の学校に見学に行ったときは「児童数が多く、目が届きにくい」と言われた。しかし隣の校区の河合小は積極的に受け入れてくれた。登下校は家族らが車で送り迎えしている。

  ■自然と優しく■

 算数の後の休み時間、莉愛ちゃんは転んでしまい、顔を机にぶつけた。隣にいた男子児童は莉愛ちゃんの両肩に手を置き、顔を近づけて「大丈夫か?」と声を掛けた。莉愛ちゃんは「うん」とうなずき、痛みと涙をこらえながら、自分の席についた。

 柳原教諭は「私が何か言わなくても、周りの子どもたちは自然と優しく接してくれている」と話す。下校時には、玄関先で莉愛ちゃんと手をつなぐ上級生もいる。

 福井県教委によると、医療的ケアが必要な子どもで、公立の小中学校に通うのは福井県内では莉愛ちゃんだけだ。恵さんは「医療的ケアが必要な子どもでも、普通学級に通う選択肢があることを、多くの人に知ってもらえれば」と話す。

 自宅で宿題をする莉愛ちゃんに「学校は楽しい?」と聞くと、少し恥ずかしそうに「うん」とうなずいた。


**********福井新聞*******
医療的ケア必要な子ども全国で増加 公立小中への受け入れ、地域差も
http://www.fukuishimbun.co.jp/localnews/society/112480.html
(2017年1月3日午後0時00分)

 新生児医療の発達を背景に、たん吸引や胃に直接栄養を送る「経管栄養」など、医療的ケアが必要な子どもは増加傾向にある。文部科学省によると、公立特別支援学校では2006年度の5901人から15年度は8143人(福井県73人)になった。

 全国の公立小中学校には839人(15年度)が通っているが、福井県は都道府県で唯一ゼロ(同年度)。石川県は8人、富山県は2人だった。福井県教委は「保護者の意向を踏まえて対応しており、特別支援学校を希望しているということだろう」と話す。

 一方、大阪府は公立小中に通う児童生徒が146人(東京都は40人)に上り、配置されている看護師は130人(同6人)と、都道府県の中でも圧倒的に多い。

 同府は2006年度、小中学校に看護師を配置する市町村に経費のおおむね半額を補助する事業をスタート。大阪市では、研修を受けることでたん吸引などの医療的ケアを認める国の制度を活用し、15年度までに96人の教員を認定した。16年度も60人以上が研修を受けるなど、児童生徒の公立小中への受け入れを積極的に行っている。

 16年4月に障害者差別解消法が施行されたのを踏まえ、文部科学省は16年度、これまで特別支援学校を対象としていた看護師配置補助について、小中学校を追加。予算額も15年度の2億3500万円から7億円に引き上げ、医療的ケアを必要とする児童生徒の教育の充実を図っている
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