ほそかわ・かずひこの BLOG

<オピニオン・サイト>を主催している、細川一彦です。
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まず天皇陛下のご公務軽減を

2012-03-18 08:36:06 | 皇室
 野田政権における女性宮家創設への動きは、羽毛田信吾宮内庁長官が野田首相に対して、天皇陛下のご公務の負担軽減のためとして、女性宮家の創設を要請したことが発端である。陛下のご健康状態やご年齢を考えれば、ご負担の軽減は急務である。だが、宮内庁で具体的な軽減策が検討され、実現に至っているようには見えない。むしろ、国民誰もが願うご公務軽減を表向きの理由に挙げて、女性宮家創設を推進しようとしているのではないかと疑問がわく。
 日本大学教授の百地章氏は、天皇陛下のご公務の負担軽減は「直ちに女性宮家に繋がるとは思われない」と言う。祭祀は、陛下のお考えを最大限尊重申し上げるべきであるが、国事行為は「代行制度」があり、皇太子殿下や秋篠宮殿下にお願いすること可能である。問題は公的行為であり、ご公務の増加は、主に民間行事へのお出ましだろうが、その整理縮小は宮内庁の役割である。「そうした努力も不十分なまま、ご負担軽減のためと称して女性宮家を云々するのであれば本末転倒であろう」と百地氏は批判する。
 旧皇族・竹田家の一員である竹田恒泰氏は、さらに手厳しい。フェイスブックの書き込みで竹田氏は、「総理は『女性宮家は天皇のご公務軽減のため』と繰り返し述べているが、これはウソ。女性皇族方は天皇の御公務を担うお立場にない。女性宮家創設では御公務軽減にはならない。宮内庁が精査すれば軽減可能。御公務多忙は宮内庁の責任にほかならない」と述べている。
 確かに、女性皇族方は天皇のご公務を担うお立場にない。主に担うのは、皇太子殿下と秋篠宮殿下だろう。政府は女性宮家を創設した場合、天皇陛下のご公務のどの部分が、どの程度軽減されるのか、具体的に数値も挙げて、説明すべきである。
 以下、関連する報道記事。

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●産経新聞 平成24年2月18日

http://sankei.jp.msn.com/life/news/120218/imp12021820300013-n1.htm

【陛下心臓手術】
無事終了もご公務軽減、重い課題に
2012.2.18 20:29



 (略)陛下のご公務は、国事行為などのご執務、国内外へのお出まし、宮中祭祀(さいし)など多岐にわたる。
 内閣の書類への署名などは昨年957件、大臣らの認証官任命式は109人。国民とのふれあいを大切にされる陛下は、都内・近郊へのお出ましは37回にのぼる。これらの回数は平成21年1月に公務の一部が軽減される直前の20年からわずかに減少している。
 しかし、3月の東日本大震災で陛下は、岩手、宮城、福島をはじめとする被災地を相次いで訪問され、地方へのお出ましは12道県と20年の8府県を上回った。さらに震災関連の説明を33回受けられるなど、新たな公務も増えた。
 陛下が行われる宮中祭祀は21回。一部の代拝などで回数は減ったが、皇室の祭祀を司る「掌典(しょうてん)」関係者は「陛下が祭祀に強い思いをお持ちである以上、代拝になっても簡略化にはあたらない」。宮内庁幹部も「陛下が頑張っておられるのをなかなかお止めできない」と漏らす。
 昨年11月には、負担軽減策として秋篠宮さまが、陛下の一部公務の「定年制」に前向きな考えを示された。国学院大学の大原康男教授(皇室制度史)は、「手術を機にどの公務を優先すべきか、他の皇族方で代行できるかを、陛下のお気持ちを忖度(そんたく)しながら決めるべきだ」と話している。(略)
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関連掲示
・拙稿「女性宮家は男系重視と矛盾~百地氏」
http://blog.goo.ne.jp/khosogoo_2005/e/7f281f8d09c4a0389c34ad6a81afdf2e

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