■【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】 備えあれば憂いなし 鉄道ファンを乗馬ファンに 3a18-5402
経営コンサルタントを半世紀にわたってやってきた経験から、すこしでも皆様のご参考になればとお届けしています。
【成功企業・元気な会社・頑張っている社長】は、皆様から寄せられたり、私が支援したり、見聞したりした企業の事例を紹介していますが、お陰様で、毎回拍手をいただいています。
また、あなたのクライアント・顧問先やお知り合いの会社で、ここで紹介したい企業・団体等がありましたら、是非ご連絡ください。
■ 鉄道ファンを乗馬ファンに 3a18-5402
2022年9月の台風15号で被災し、一部区間で不通が続いていた大井川鉄道大井川 本線(総延長約40キロメートル)が、静岡県島田市の家山-川根温泉 笹間渡の区間(約3キロ)で運行が再開された。すでに再開している金谷-家山 とあわせて再開区間は20キロになった。当時、沿線では、鉄道が通るたびに手製の うちわを振ってお祝いする地元民の姿が見られ、大いに盛り上がるほどであった。
大井川鉄道は通年で『機関車トーマス』やなつかしい蒸気機関車(SL)を 運行するほか、全国の鉄道で使われていた古い車両を積極的に受け入れている ことから、子どもや鉄道ファンに根強い人気を得ている。乗客の中に占める 観光客の比率が高く、全国の地方鉄道の中でも独自の経営路線をとっている ことでも知られる。
そんな島田市で鉄道ならぬ、馬で集客をしようとがんばっているのが、 L社長のMさんだ。同社は今回大井川 鉄道が運行を再開した島田市川根町家山にあり、乗馬体験や宿泊ができる施設を 運営している。広大な敷地には馬13頭やヤギ、イヌ、ウサギなどの動物も飼育 されており、訪れる人を癒してくれている。
ただ、そんな同社にも苦難の時があった。コロナ禍の最中に先代社長が 亡くなり、Mさんは乗馬施設だけでなく、ガソリンスタンド事業経営など 複数の事業も担うこととなった。一方で宿泊客はゼロになり苦境に立たされた。 そんな同社に手を差し伸べたのが、島田市商工会だった。商工会の経営指導員 と二人三脚で事業を見直し、将来向かうべき道筋を再構成した。同時にものづくり補助金を活用して日本ではまだ珍しい乗馬シミュレーターを導入、乗馬初心者にも安心して乗馬体験ができるサービスを導入した。Mさんは 「あの時島田市商工会の支援がなかったら、今の当社はない」と振り返る。
M社長は2023年を「リスタートの年」とし、週末にカフェを開くなど、新たな 集客作戦を展開している。大井川鉄道の再開は同社にとっても大きな好機だ。 鉄道目当てに訪れた人たちに、馬に乗れ、宿泊もできる施設があることを アピールし、地域の観光資源として定着させようと奮闘している。
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そのときに、どの様に経営をしたら良いのかというのは、心の準備ができていないことが多いでしょうから、さぞ、大変だと思います。ましてや多角化された企業を引き継ぐ場合には、経営の視点が異なることもあり、その苦労は並大抵のことではなさそうです。
それにもかかわらず、乗馬シミュレーターを導入するなど、前向きな取り組みの経営判断ができたのは素晴らしいことです。その背景には、紹介の指導員の存在も見逃せません。
経営には、外部の力が必要な時が訪れて当然と考えることが必要です。それには、そのような人材との人間関係構築を平素からやっておく必要があります。
備えあれば憂いなし