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総合型地域SCについて18

2014-07-24 00:04:01 | 総合型地域SC・地域振興

 事例紹介コラムです。
 ドイツの事をいろいろと調べていたら、フォルトナ(ブンデス2部)でフロント勤務をしている瀬田氏の去年のコラムで「フェライン」という耳慣れない言葉が出てきました。いろいろと読み込んでみるとなるほど、残念な形でJリーグ理事からはずれた様子の傍士氏がかつて日本に取り入れようとしていた部分で、日本では「総合型地域スポーツクラブ」という名称になったものという事がわかりました。なかなか難しい内容ですが、抜粋して紹介。
   
【日本では知られていないクラブを支えるコミュニティ。ドイツで一般的な“フェライン”とは?】
 フォルトナのファンクラブは100を超えている。ファンクラブはクラブに申請をして認めるとロゴを使用できるようになり、サポーターはサポーターで組織。ゴール裏のチケット販売はサポーターズクラブに任せられており、彼らが管理して販売も実施。日本でいうとクラブの後援会に該当する模様。フェラインはクラブにとって唯一オンリーワンのもの。
「一方でフェラインはクラブの中にあるもの。会員一人ひとりがクラブのファミリーの一人。年会費も払ってもらうのですが対価はほとんど無し。クラブのアイデンティティを買ってもらうという事で、年に1回か2回の会員総会で、メンバー一人ひとりがクラブに意見する権利を保持。それだけ会員の一人にはクラブに責任をもってもらう。フェラインとクラブはそういう関係」
「バルサのソシオもフェラインの考え方に通ずるものだが、フェラインは欧州ではスタンダードなもの。ドイツのスポーツクラブすべてがフェライン。フェラインは日本語で協会の意味。同じ志を持ったものが集まって一つのコミュニティをつくる。これをフェラインと表現。ドイツのサッカークラブのすべてに「EV」がついているが、目的をもった協会という意味ですべてのクラブが協会という意味。クラブの運営会社は営利団体なのでクラブを通じてお金儲けをする部隊に対して、フェラインは、非営利な存在」
フットボールチャンネル該当記事:http://www.footballchannel.jp/2013/10/31/post10214/

 フェラインについて、いろ色と調べてみましたが、これがまた全然出てこない。以下に日本国内で全く浸透していないかがよくわかりました。ドイツ・エアランゲン在住ジャーナリストの方のコラムに少しフェラインについて説明があります。これを読むと少しわかってきます。抜粋して紹介。

 ドイツの子供達がスポーツを行うグループの運営形態のほとんどはフェラインとよばれる非営利組織。日本の感覚でいえばNPO法人と理解するのがいいのではないか。スポーツのフェラインは地域ごとにあり、多くの種類のスポーツがこの形態で運営。一つのフェラインが単独競技を扱うのではなく、複数の種目を持つケースが多い。
 日本とドイツを比べてみれば、学校内のクラブでスポーツを行っているのが日本。地域のスポーツ・フェライン(クラブ)でスポーツをしているのがドイツ。
日本でも地域のスポーツ活動はあるが、競技種類の多さや組織運営のノウハウ蓄積、社会的な存在感などの点でいえばドイツの方が充実。
 フェラインを歴史的に見ると、実は19世紀ごろからの市民社会成立との関わりが大変強く、職業や立場を越えた同好の士の集まりであったということがポイントになり、「並列の人間関係」を形成。ドイツの子供たちはすでにスポーツを通じて、「市民社会」的な人間関係を築く環境が整っているということがいえる。

 これらを読むと、やはりドイツのフェラインは、現在は「総合型地域スポーツクラブ」として日本に浸透している事がわかりました。ただ、プロスポーツクラブや行政などが関わってきた結果、日本独自の「日本版フェライン」になっているのでは。
 そして、「フェライン」を検索すると、Jリーグ百年構想のHPに行きあたります。「フェライン(Verein)とは」という資料として収納されていますが、百年
構想HPのどこにリンクされているのか、だいぶ探しましたが不明。まさか、「今のJリーグの方針と違うから」と隠しちゃっている訳でもないでしょうが。すごい難しい内容ですが、要点だけ抜粋して紹介します。

 ドイツサッカー協会の会員はフェラインでなければならず、ブンデスリーガの所属クラブは、組織を利益を追求する有限会社と、公益を追求する「フェライン」に二分して運営。
 Jリーグ百年構想のモデルとなったドイツのスポーツクラブは、いずれも「フェライン」として、自立して地域に根差した活動をしている。トップサッカーチームはブンデスリーガに連なる巨大なピラミッドに所属。
 1999年の調査によれば、14歳以上のドイツ国民の60%がボランティア活動に参加し、34%が、ある程度責任のあるボランティア活動に参加。14~24歳がボランティア活動を最も活発に行う年齢層。

 この中で、'05年当時、Jリーグの藤村氏がフェラインを理解するために、傍士氏に参考文献を尋ねたところ、「ドイツの代表的なNPOである『協会』とは何か」(Sabine Heber、日本政策投資銀行フランクフルト駐在員事務所、2004年3月)を紹介され、わかりやすく整理したコラムにされたそうですが、それでも難解でした。興味があったら読んでみて下さい。傍士さんはJリーグ理事を降りられようが、今でも当ブログの師匠的存在。またお会いして意見交換をしたいものです。
Jリーグ書籍?「フェライン(Verein)とは」:https://www.j-league.or.jp/100year/stadium/pdf/10.pdf
「総合型地域スポーツクラブ・地域振興」カテゴリ:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/c/e0683bb785e8a608b9c7931217a72003
ドイツサッカー関連②:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140720
   〃        ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140711

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