J OKAYAMA ~岡山スポーツの桃源郷へ

岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

Jリーグ・ディビジョン2を往く24

2016-11-06 00:01:52 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 リスペクト(事例紹介)コラムです。 
 ついに名古屋さん、J2降格ですね。シーズン当初小倉GM、監督でグラグラしていて、気になっていましたが、とうとう浮上する事なく、3日の最終節で同じくJ2降格が決まっている湘南さんに完敗し、来季のJ2降格が決定。オリ10でJ2を経験していないのは鹿島さんとマリノスさんだけになりました。当ブログでは各コラムを観ながら、その背景を分析していきたいと思います。まずはGOALの記事。
   
【なぜ名古屋グランパスは降格したのか?人災が招いた悲劇:GOAL】

 オリジナル10の名門・J1名古屋がクラブ史上初めてJ2へ降格。その原因は要約すればボタンの掛け違えということに収束。J1湘南との最終節で見せたチグハグとした試合運びは、まさしく今季の名古屋の迷走ぶりを象徴。
 事の発端は昨オフの小倉GM兼監督の誕生。新シーズンの陣容を固めていく作業の中で、情を欠いた余りにビジネスライクな契約交渉が一部の主力選手の流出に発展。ビジネスライクな基準で選手査定でのを契約交渉の結果、何人も選手が移籍していく事に。その内情は他にも、オファーを受けた選手たちからクラブ外へと広がっていき、昨年末、名古屋の選手達に他クラブの選手から「名古屋は大丈夫なの?」という連絡が数多く入ったとか。その結果、移籍による選手獲得に苦戦し、現場には不穏な空気が支配。

 開幕戦に勝利後、成績自体は勝ったり負けたりの繰り返しだったが、開幕から2ヵ月を過ぎる頃から徐々にネガティブな空気に。「5人目まで連動するサッカー」を謳って続けられたトレーニングは一向に進捗せず、5月からクラブワーストとなる18試合連続未勝利を記録。7月の試合からは守備の強化で5バックを採用したが、その他のポジションは何も対策できず、小倉監督の未熟さを露見し、わずか半年で頓挫。
 リーグ26試合でわずか4勝しかできなかった小倉体制の是非の他に、監督交代のタイミングの悪さも降格の原因の一つ。後任のジュロヴスキー監督は相対的に自信を取り戻させてチームを「正常な状態」にまで引き上る事に成功。元マケドニア代表監督の豊富な経験と確かな指導力で、名古屋は最終節までの延命に成功したところがあり、監督交代があと数試合早ければ、という失敗は誰の目にも明らか。

 責任は18試合もの間、ネガティブな戦いを続けた選手達も。試合でプレーするのは選手なので、ピッチ上の努力が単純に足らなかったことはやはり責められるべき。現場に混乱を招いたフロントも含め、やはり降格は人災。現場とフロントの距離感のズレは、そのまま湘南戦で見られた間延びした名古屋の戦い方が象徴。降格後、久米社長の辞任が決定。そこでまず取り掛かるべきは久米社長の言う「フロント力」の強化。フロント人事も含めた来季以降の意欲的なプランを早急に組み上げなければ、求心力を失ったクラブは草刈り場と化し、J1復帰の力は大幅に削がれる。名古屋は降格が決まってなお、崖っぷちに立たされていると締めくくっています。
GOAL該当記事:アドレス
   
 という内容でした。生々しいものですね。小倉監督に反発して選手達もネガティブに試合をしていたという風に読めますが、そこまでバラバラなチームが勝てる訳がありません。ハリルジャパンも少しそんな面があると耳にしてますが大丈夫かな。新監督で失敗し、後任監督の交代のタイミングが遅すぎて、J2降格に至るというパターンは今までも他のJ1チームに見られました。特にJ1柏は2度経験し、今季もミルトン監督がヤバかったのですが、フロントが早く下平監督に替えて蘇生しました。他にもガンバさんがそうでした。どこかの報道で見かけましたが、ガンバさんと名古屋さんは共に、西野監督が辞めた次の年にJ2に降格しているとか。ガンバさんは実績を残していましたが、名古屋さんではパッとしなかったですね。
 あと、選手間の情報交換で、選手が集まりにくい状況になっているという話も生々しい。今季2部に降格したベルもそうでなかったらいいし、もう1チーム数年前まで、GMが原因だったのかそういう状況を囁かれていたのを思い出しました。
 スポーツ報知にはベンゲルの亡霊という、目を見張るようなタイトルのコラムがありました。以下、抜粋して紹介。

【クラブ史上初降格のワケは“ベンゲルの亡霊”にのみ込まれた内部抗争:スポーツ報知】
 J1名古屋の降格理由は、ガバナンス(組織統治力)の欠如。昨年4月にトヨタ自動車の豊田社長がクラブ会長に就任。同社は今年4月にはクラブを子会社化。狙いの一つに、資金力を増強し将来的に年間予算500億円規模の「メガクラブ」へ発展させるシナリオがあり、資金よりもまずは組織として規律を整えることを豊田会長は求めていたはず。
 皮肉にも現実は真逆に進行。J屈指の敏腕の当時の久米GMが昨年4月、トヨタ出身者以外では初の社長に昇進。久米新社長はチーム編成の権限を失い、決済権者のみに変貌。同時に小倉GM補佐が就任。クラブのレジェンドとはいえ、経験に乏しい元解説者を抜てきした人事には無理があり、小倉GM補佐の自滅を半ば期待し、再び編成権を得られると勘違いした久米社長の見通しも甘かった状況。
 小倉氏は監督経験のないまま、今季はGM兼任監督に就任。その実態は、ベンゲル元監督の下で一時代を築いた元マネジャーが、名選手の小倉氏を神輿にのせてトヨタ出身の役員に近づき、思うようにクラブを操ろうとしたもの。それに久米社長が加入させた永井、川又、田口ら主力選手が反発してチームは空中分解したのは当然の流れ。内部抗争という「ベンゲルの亡霊」にのみ込まれる形でクラブは失墜。
スポーツ報知該当記事:http://www.hochi.co.jp/soccer/national/20161103-OHT1T50233.html

 まさに「企業チーム」の悲劇ですね。久米社長の事を調べてみると、何とJ1柏で10年もの間、強化責任者でした。その間にJリーグの事務局もされているし。その後は清水さんから名古屋さんに転身。元岡山の川又選手は久米社長が引っ張ったのですね。それにしても内部抗争というのはよろしくないです。現場と運営は両輪。チームとクラブが一つに慣れていなかったら、強くなる訳がありません。「自滅を半ば期待していた」って・・・何じゃそりゃ。
 日刊スポーツと朝日に「フロント力」について述べられています。以下、抜粋して紹介。

【名古屋久米社長に大ブーイング「束ねる力なかった」:日刊スポーツ】
 J2降格に関し、久米社長は「小倉監督は自分が監督に推薦。人生は一代、名古屋グランパスは末代まで残る。『名古屋を落とした社長は久米』となる。末代まで久米という名前が名古屋に刻まれ、不名誉な歴史をつくってしまった。深くおわび申し上げたい」とコメント。試合後のセレモニーでは、最初にマイクを握った久米社長へ、サポーターから大ブーイングが発生。サポーターの評価を受け止めると「フロント力がないチームがJ2に落ちる。残念ながら今年のフロント力を考えると、私の束ねる力がなかった」と責任を背負うコメント。
日刊スポーツ該当記事:http://www.nikkansports.com/soccer/news/1733310.html

【名古屋のJ2降格、知事「散々だ」 トヨタは支援縮小か:朝日新聞デジタル】
 「フロントも選手も、すべてにおいて実力がなかった」とグランパス会長であるトヨタ自動車豊田社長のコメント。今年6月に累積赤字解消のために約4,000万円の増資を引き受けたばかりで、J2降格はトヨタにとっても頭痛の種。地元ゆかりの出資企業約20社の中で、トヨタは最大の50.1%を出資しているから。再昇格には戦力充実が不可欠だが、J2に落ちればテレビなどへの露出が減り、広告価値が低下。「トヨタにも株主がいる。誰かを感動させたり笑顔にさせたりするチームに変わらない限り、同じ金額での支援は難しくなる」と来季の支援縮小に含みを持たせるコメント。
朝日新聞デジタル該当記事:http://www.asahi.com/articles/ASJC35JH9JC3OIPE00W.html

 「フロント力が無いチームはJ2に落ちる」という言葉は、個人的には他の言葉にも聞こえます。「J1に復帰できても1年でまたJ2に戻る」「J1に昇格できても1年で落ちて低迷する」と。そして、一番目に停めた言葉が「誰かを感動させたり笑顔にさせたりするチーム」。それができないチームにはスポンサードはできないという話ですが、長い目で見れば前者がスタンダードでしょう。ただ頑張っているから支援しようというスポンサーもあるのかもしれませんが、これが本来のスポンサードではないでしょうか。当ブログでも昔よく「感動の密度」という表現を使いました。金儲けに走り、地域に根を張ろうとしないところがあれば、感動の密度も薄い。数字ばかり露出されて、感動の密度は高まるでしょうか。スポンサーは、数字ではなく地域に感動を与える存在を求めていると思うし、それが理想的なスポンサードだと思います。その辺ですかね。
 あと、フロント力ですが、まずは基本の部分。他のところは当たり前のようにやっている事ができているかどうか。できている上で更に付加価値の高い事ができるのか。後者は何と言っても川崎さんですね。いくら見てくれが良くても、基本ができていなかったら、フロント力は高くないという事ですか。
 企業チームである名古屋さんにも、地域に根が張れていると思わせる部分があります。それは地元商店街との連携。スタジアム付近のごく一部の商店街のみとしか連携できていないところとは違う付加価値だと思います。
J1名古屋関連③:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20160918
  〃      ②:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20140727
  〃      ①:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20130213

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする