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岡山トップスポーツファミリー(ファジアーノ等)、スポーツ文化情報リスペクトブログ(共同運営)。

クラブ経営について45 【J特】

2012-09-01 00:29:14 | サッカー(Jリーグ(J1・J2)・国内)

 事例紹介コラムです。
 先日、J2岐阜に関する大きなニュースが流れました。クラブライセンス交付が今のままでは困難と、Jリーグから勧告を受け、今西社長の勇退等の措置の他、経営改革案を提示した結果、ライセンス交付のめどがついたという内容です。岐阜さんは他のクラブと比べて元々環境が悪く、個人的には気の毒な面を感じていました。中日新聞等にあった情報をまとめてみました。以下、抜粋して紹介。
           
 Jリーグは13年度から導入する「クラブライセンス」の交付について、事前調査でJ2岐阜に対して「現状のままでは交付は厳しい」と指摘。資金調達先や経営体制の強化などを盛り込んだ書類の提出を要求。これを受けて、岐阜県知事は「1億5,000万円の資金調達を(目標の)10月末より前倒しする姿勢を求められている」とコメント。

 J2岐阜は過去5年で4回の赤字を計上。債務超過も約1億5,000万円を数え、Jリーグの審査開始に先立って、今後の資金繰りや経営見通しなどを話し合う、クラブや地元経済界、出資者の岐阜県との緊急の意見交換会を17日に開催。
 20日に、ライセンス交付の可否を決めるため、財政基盤や経営体制の現状と改善点などをFC岐阜関係者から聞き取る事前ヒアリング開催。J2岐阜は、県や経済団体などの外部委員が経営をチェックする「経営安定化委員会」を9月末までに設置し、1億5,000万円を10月末までに集める方針を発表。委員会は意見交換会のメンバーのほか、経営の専門家も検討。県は「クラブのガバナンスの弱さをJリーグから再三指摘されているので、しっかりした体制の構築をアピールしたい」とコメント。筆頭株主の岐阜県と岐阜市などが23日に、県庁で支援会議を開催。今季不足しているクラブの運営資金1億5千万円を地元経済界が支援することを県商工会議所連合会などが報告。それに伴って今西社長は「地元出身ではない私の力では資金集めの面で厳しい。経営責任を感じる」と辞任表明。「途中でやめることはクラブの士気にかかわる」とシーズン途中の辞任に慎重な姿勢も。

 今回辞任表明された今西社長は、元日本代表選手で、'94年にJ1広島の総監督としてJリーグ前期優勝。'05年にJ2岐阜の顧問に就任。その後の'07年にGM、'08年から代表取締役に就任。来月5日から書類審査などが本格化。現在は県や市が中心となって後任の人選を進めている模様。今後は、9月1日臨時株主総会、取締役会を経て、5日までに正式に後任の代表取締役が決定される予定ですが、岐阜新聞WEBによると、後任の社長は元県理事で岐阜市助役なども務めた薫田大二郎氏で調整中とか。
J2岐阜公式HP該当ページ:http://www.fc-gifu.com/news/post-1851.html

 当ブログでは岐阜さんについては、経営の難しさとして同情する部分も多いです。まずはスタジアム環境。ホームの長良川競技場はシャトルバスでしか行けない所。駅から歩いて10数分とは違います。また、昔からJ1名古屋サポが普通に混在しているところ。他のクラブスポーツとの競合も激しいところ。そういう中で、今西社長さんはよくされたと思います。お疲れ様でした。
スタジアムのアクセスと観客数:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20111113

 また、かなり前から当ブログでは、Jクラブには「チェック機能」を持つ「諮問組織」が必要と言い続けております。諮問組織といえばJリーグ本体の他、J2大分やJ2甲府J2愛媛などにもあり、チェック機能を担っています。通常は、クラブの経営・運営状況のチェックは後援会や持株会、スポンサー会などの外部メンバーで構成された組織が行っています。しかし、それらの組織を持っていないところはチェック機能がなく、自分達のみの価値観で運営を行う事になり、誤った部分があっても意見具申する存在がありません。
 こういう諮問委員会や経営委員会は、クラブの経営がおかしくなってきてから組織される事が多いのですが、そうなってからではなく、最初からどのクラブも置いておくべきだと、個人的に思っています。一般的に監査会というのは経理監査とともに事業監査も行われるのが普通です。なので、経理の監査だけでなく、通常の事業の方も目を光らせるべきです。Jリーグ百年構想に沿った公共財としての事業を実施できているか、そういう部分も必要だと思います。事業と経営はつながっているものなので、企業破たんを防ぎたいなら、普段の事業にも外部の目を光らせる事が必要だと思います。

 最近の企業運営は、「情報開示(財務諸表の他に、役員構成や株主情報など)」「見える化」が常識化しつつあります。ぜひ、Jクラブも諮問組織によるチェックを心がけて欲しいと思います。もちろん、後援会やオフィシャルファンクラブ、持ち株会、スポンサー会が諮問の役割をすでに果たしているところは別です。
 よく当ブログでは、「スポーツ興行」と「社会貢献活動」は、Jリーグ百年構想を目指すJクラブの車輪の両輪という表現をしています。どちらが欠けてもJリーグ百年構想を目指す「一流」のJリーグクラブにはなれないと思っています。各クラブも両輪のバランスを取りながらクラブ運営を行っていると思います。岐阜さんはそのバランスを取りきれなかったのではないかと、個人的に思います。今後は立派な経営陣に支えられて、両輪のバランスに優れた経営を実現される事を祈念しております。
公式HPの公開情報度:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100926
J2岐阜関連⑤:http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110509
     〃 ④:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20110509
     〃 ③:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20101111
     〃 ②:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100828
     〃 ①:
http://blog.goo.ne.jp/kataru-kai/d/20100429

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