2017年9月2日(土) 1:30-7:30pm 浜離宮朝日ホール
オール・無伴奏チェロ組曲演奏会
バッハ 第1番ト長調 19′
ブリテン 第1番 25′
バッハ 第4番変ホ長調 27′
Int
バッハ 第2番ニ短調 23′
ブリテン 第2番 21′
バッハ 第3番ハ長調 24′
Int
バッハ 第5番ハ短調 29′
ブリテン 第3番 21′
バッハ 第6番ニ長調 33′
チェロ、上森祥平
(encore)
ヘンデル オンブラマイフ 2′
チェロ、上森祥平、平井裕心、佐藤さくら、福富祥子
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上森さんの演奏は、昨年2016年の東京春祭りの室内楽で初めて見ましてきっちりとした演奏に惹かれました。今年の春にはドヴォコンを聴いて、その時に今日のリサイタルのチラシを見つけ、早々とチケット確保。究極の9曲です。
なにやら毎年恒例のリサイタルのようでしたが、そういった事に関心がありませんので、潜入という事でもなくて淡々とかぶりつき席で。
午後の1時半から3曲ずつ、2回の休憩を挟み、終わったのが7時半頃。ロングなリサイタルでしたが最後、整理体操風なアンコールがありご本人も色々と楽しんでいるようで、余裕の演奏、余裕の体力ですね。驚きました。
バッハは端正な演奏。余計な膨らみとかそういったものが無くて実に心地よく聴いていられる。演奏に入る前に彼独特の‘構え’があって気持ちを集中してから演奏に入るのがよくわかる。バッハはそういったことにピッタリの作品ですね。ひとつの組曲6曲で規模が大きい。CDではたまに聴くことがあるのだが、その感触とこうやって生演奏で聴くのでは聴後感が全く違っていてその巨大さに唖然とする。上森さんは全てのピースに入念に構えの型を作り精神集中してプレイを始める。6曲ずつ全36曲、同じようなテンションで進められる演奏はほれぼれとする見事さだ。バッハ満喫。
一番ヘビーと思われる6番ではもはや突き抜けていくような壮快感があって高みに駆け上がり野原を軽くステップしているような趣き。
サンドウィッチされた3曲のブリテンはバッハに完全融合。サンドウィッチは成功のカギですね。それぞれ素晴らしい作品で特に3番には劇的なドラマを感じる。上森さんのうったえる力が凄かったですね。
聴くほうとしても一つ越えたような気持ちになる。そして何度でも聴きたくなる。巨大なバッハ、ブリテンにふさわしい演奏でした。全く素晴らしい。
上森さんのチェロ、これからも聴き続けていきたいものですね。ニヤケのない彼の表情も好感です。
おわり