河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

0020- スタンリー・ドラッカー with フィルハーモニック

2006-07-16 01:10:02 | 音楽




 

河童は日曜日の午後、河童洞窟と同じ通り57丁目にあるカーネギー・ホールをめざしている。歩いて5分ほど。今日もいつものようにブロードキャスト用の日曜午後のフィルハーモニック・コンサートが3時からある。コンサートは長いプログラムの日もあれば短ときもある。長い日は、そのうちから選曲して放送、みたいな日もあれば、今日のように短い日はまるごと放送かな。そろそろ着いたようだ。1948-1949シーズンも佳境にはいりつつある。

ニューヨーク・フィルハーモニック
CBS全米ネットワーク放送
第4645回演奏会
1948年11月28日(日) 3時 カーネギー・ホール
ディミトリー・ミトロプーロス 指揮
ジーノ・フランチェスカッティ、ヴァイオリン
パガニーニ ヴァイオリン協奏曲、OP.6
ブラームス 交響曲第2番

今日はどんな演奏を繰り広げるのだろうか。ミトプーのことだ。スコアなんか邪魔なだけだし、きっと滑り込みセーフみたいな演奏になる予感。
今シーズンも指揮者は混成だ。ディミトリー・ミトロプーロス。ブルーノ・ワルター。レオポルド・ストコフスキー。シャルル・ミュンシュ。ウォルター・ヘンドル。58年後の人たちがみたら目もくらむ様な指揮者たちばかりだ。
プレーヤーのほうもよくもまあこれだけ超一流の人たちが揃いも揃ったもんだ。ジョン・コリリアーノ。ウィリアム・リンサー。レナード・ローズ。ハロルド・ゴンバーク。ジェームス・チェンバース。ヨゼフ・シンガー。ウィリアム・ヴァッキアーノ。これが日常なんだから開いた口がふさがらない。

おや、演奏中なのにヴァッキアーノとチェンバースが小声ではなしをしてるぞ。

ヴァッキアーノ「この間はいってきたクラリネット。なかなかやるじゃないか。」
チェンバース「どれどれ。おぉ。なかなかいい音だな。俺のホルンのほうが素晴らしいけどな。」
V「いやいや、僕のトランペットにかなう人はいないー。」
C「あまり話ししてる暇はなくなってきた。ブラ2はホルンの出番が多いからな。」
V「トランペットの出番はまだ回ってこないから、ちょっとコンサートのブロシュアーでも読んでるよ。なになに。」

クラリネット3番及びエスクラはS.DRUCKER。(アップしてあるプログラム参照)
スタンリー・ドラッカー。
ニューヨークのブルックリン生まれ。
フィラデルフィアのカーティス音楽院卒業。
16才。インディアナポリス交響楽団の首席クラリネット。
17才。アドルフ・ブッシュ・チェンバー・プレーヤーズ。
18才。バッファロー・フィル。
19才。1948年ニューヨーク・フィル。

その後のお話は河童が引き継ぐ。
58年後の2006年現在、ドラッカーは現役のニューヨークフィル首席をはり続けている。
フィルハーモニック・ソロ・デビューは1961年ドビュッシーのクラリネット・ラプソディー。指揮レナード・バーンスタイン。
その後、ニューヨーク・フィルと150回以上のソロを行っている。
(河童注:ニューヨーク・フィルはトップレベルの演奏家が多い為、自分のオーケストラの中からソリストを出すケースが多い。普段は首席として演奏している。)
最近のレコーディングはElysium レーベルへのブラームス。
ニューヨーク・フィルとのレコーディングとしては次のようなものがある。
・ドビュッシー:クラリネット・ラプソディー。
・ニールセン:クラリネット協奏曲。
・ジョン・コリリアーノ:クラリネット協奏曲(ニューヨーク・フィル委嘱)。
・コープランド:クラリネット協奏曲。
・ウィリアム・ボルコム:クラリネット協奏曲(ニューヨーク・フィル150年記念委嘱)。


Q&A with スタンリー・ドラッカー

子供の頃の音楽の記憶は?
「裏庭でクレッツマーの曲を移り気なクラリネット奏者が演奏しているのを聴いたことを覚えている。」

楽器を始めた年齢は?
「10才。」

何故クラリネットを選んだのか?
「両親が選んだ。私への10才の誕生祝でした。」

あなたがプロの音楽家になりたいと思ったのはいつか?
「後戻りできない段階を越えたときだと思う。おそらく12才。」

50年以上に及ぶフィルハーモニックのなかで一番記憶に残る瞬間というのは?
「1977年にバーンスタインの指揮のもと、ジョン・コリリアーノのクラリネット協奏曲の世界初演を行ったとき。」

最も触発される作曲家は?
「クラリネットに関しては、おそらくモーツァルト。」

コンサートの前にナーバスになることはありましたか?
「全ての演奏が新しい体験。ひとつひとつがどきどきさせる。」

もしあなたが他の楽器を演奏できるとしたら、なにをしたいか?
「指揮者になりたい。」

コンサートにそなえどんな準備をしているのか?
「あなたこそつねに準備の状態ですよね。」

他のグループと演奏しておりますか?
「室内楽や、他のオーケストラのもとソロ演奏など。」

あなたの家族はなにをしてますか?
「妻のナオミ・ドラッカーはクラリネット奏者です。娘のロザンヌは歌手、ソングライターです。息子レオン(リー・ロッカーとして知られている)はベースプレーヤー、歌手、ソングライターです。」

今、あなたのCDプレーヤーには何がはいってますか?
「息子の新しいCD”Racin’ the Devil”と、妻ナオミがアメリカン・チェンバー・アンサンブルと一緒に演奏しているCDです。」

ツアーではなにを楽しみにしてますか?
「新しくて親しめる場所、それに、そこの聴衆になにか思い出になることを与えること。」

夏休みはどのように過ごしますか?
「30フィートのキャビン・クルーザーを操縦してNuntucketとブロック島へ。」
おわり
(後半部分Philharmonic Web-site河童意訳)

今年2006年秋のニューヨーク・フィルの来日公演を楽しみに待ちましょう。


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