河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

PC版に一覧等リンクあり。
OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1101- アーノンクール CMW ハイドン 天地創造2010.10.30

2010-10-31 22:13:11 | インポート

101030_203901


2010-2011シーズン聴いたコンサート観たオペラはこちらから
.

2010年10月30日(土)6:00pm
サントリーホール
.
ハイドン 天地創造
.
ⅠⅡ:40分、40分
天使ガブリエル(S)、ドロテア・レッシュマン
天使ウリエル(T)、ミヒャエル・シャーデ
天使ラファエル(Br)、フローリアン・ベッシュ

Ⅲ:30分
天使ウリエル(T)、ミヒャエル・シャーデ
イヴ(S)、ドロテア・レッシュマン
アダム(Br)、フローリアン・ベッシュ
.
アルノルト・シェーンベルク合唱団
.
ニコラウス・アーノンクール指揮
ウィーン・コンツェントゥス・ムジクス
.

人生肯定というかいいことずくめの曲ではある。創世記は都合が良すぎると言ってしまえば身も蓋もないけれど、神が主語で受動態で語られる創造され方、神と言葉とどっちが先だったのか知らないが、敬語は受け身になる理由はこのようにしてつくられたのかな。
そんな変なことが次から次と浮かんできたのは、それもこれも、今日は字幕があったからの話。10/24のバッハのミサ曲ではなかったのであの理解不足とはもともと無知とはいえ聴く方としては雲泥の差があるのも明確な事実。
字幕があるとないでは理解の深度がまるで違う。こんなにも違うのかとあらためて実感したしだい。
.

天地創造は「独唱、合唱と管弦楽の為のオラトリオ」である。冒頭はハイドンのたくさんある交響曲のうち序奏付のもの、まるでそんな感じで始まる。
第一部は創世記一日から四日まで、第二部は五日、六日を追う。ハイドンによるほぼ描写音楽の様相を呈している。インストゥルメントが歌を奏で、独唱がストーリーを追い、そして合唱でまとめあげる。これの繰り返しだ。わかりやす過ぎるので、聴く方も思わず安定の微笑みが湧くし、独唱者の方もなんだか楽しそうだ。天使も楽しむ。
四日の日に天体ができてここまでで40分。
.
オーケストラと合唱は響きが一体化しており、非常に柔らかい。台風接近で、空席が目立ったがこのくらいのほうがこのホールは柔らかい音になるのではないのかと勘繰りたくなった。それに10/24のNHKホールでの演奏会のときより全体にコンディションが良いように見えた。特に独唱の3人は躍動感があり表現、音量ともに素晴らしかった。レッシュマンは絶好調とみた。素晴らしいソプラノがホールいっぱいに響き渡る。バッハのミサのときより、このハイドンの方が自分のものとしているように見え。曲の理解がすっかりみについてしまっており、余裕でさらにその上をいつでも目指せるような表現であり、字幕のフォローのこともあり非常に楽しめた。
オーケストラ規模がバッハのときより大きく、音楽の作りも劇的なものから細かいところまで多彩な表現であり、完全に音楽が先に進んでおりやはり手応え聴き応えがある。換言すると、音楽があまりにも多くのことを表現するようになっていると言えるかもしれない。ハイドン自身は知らなかったかもしれないが、音楽表現はこのあととてつもなく進歩というかまるで別物の個体のようになっていくわけですし。
.
第二部は五日と六日だが、四部ある第一部とのバランスの整合性は良く取れていると思う。特に人類創世の六日目は静かな部分も常に明るく、強奏の響きの美しさも見事だ。合唱とオーケストラのサウンドが非常に柔らかく、角が取れていてかつダイナミックに響く。先にどんどん進む音楽が美しい。
アーノンクールの叩きつけるようなバーのフレーズでもなんと柔らかい音楽が奏でられることか。
何もかも出来上がりここまで二部40分。
第一部が40分、第二部も40分。あわせて1時間20分。上々のコンディションで音楽をじっくり楽しむことが出来ました。
.

休憩後の第三部は、30分ほどだが大半がアダムとイヴの会話だ。人生肯定デュエットで、このシーンは楽園でのいいところのみ描いている。悩みとかが発生する前の話で前向きなストーリー展開でこれはこれでいいもんだ。グレ・リーダーの終結部を聴くような錯覚に陥る。
ティンパニが粗野な感じがまるでなく、アクセントはそれなりに馬力のあるものなのだが全体の響きを誘導するというよりも同時多発的に響き、深みが一気に表現される。秀逸オーケストラでした。
アーノンクールの合唱への指示は非常に小さく、見逃しかねないが、ここらあたりのコントロールも普段からの吐息の合い方というものがわかろうというものだ。
見事なアーノンクールの棒でした。
熱烈な拍手とブラボーが続き、カーテンコールも2度ほどありました。
サインの行列が異常に長かったですね。
おわり

人気ブログランキングへ


コメントを投稿

ブログ作成者から承認されるまでコメントは反映されません。