2016年6月9日(木) 7:00pm サントリー
ブリテン ピーター・グライムズより、4つの海の間奏曲 3′5′3′5′
ブリテン イリュミナシオン 23′
テノール、イアン・ボストリッジ
Int
ドビュッシー 夜想曲より、雲、祭 6′7′
スクリャービン 交響曲第4番 法悦の詩 21′
大野和士 指揮 東京都交響楽団
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作品に副題がついていること以外はあまり関連性があるとも思えないが、それでも前半2曲はブリテンで統一されているので相応な安心感有ります。
ボストリッジは1月に同じブリテンの戦争レクイエムで聴きました。曲への入れ込みが激しい。自分のところでなくても口を一生懸命動かしている。それが印象的でした。
この日のプログラムはイルミネーション。歌詞字幕があるとイメージが湧いてくるのだが、プログラム冊子のリブレットを見ながら聴くのは簡単ではない。それでもランボーの内容と表現がよくわかるボストリッジの歌唱でした。エモーショナルです。あの体躯で割と動くし、繊細な声ですので、ぶれが少し目立ちます。インテリ系を感じさせる歌ではあります。
後半のドビュッシーはウィンドのハーモニーが素晴らしいバランス。清らかなダーク系とでも言おうか、響きがよくて楽しめました。このオケの持ち味ですね。
最後のスクリャービン4番は大野の表現が濃い。どちらかというと3番よりの解釈でかなりエモーショナルな動きがあります。4番5番はこれまでとは違う色彩で満たしてほしいところもありますが、5番なんかもこの日の濃い4番解釈の方針でやれば、それはそれで情感の部分でわかりやすい音楽として聴くことができるような気もしました。
この4番で知ったかぶりのフライングブラボーがあり、折角20分かけて作った音楽の現場の雰囲気というものをぶち壊しにしてくれました。戸惑いの拍手のようなものが続き、緊張感がなし崩し的にぶち壊れてしまったのは残念。
もし、そのフラブラ男が、相手の女性を隣にして、知ったかぶりの自慢をしたかったが故のフラブラとすれば、その女性には別れた方がいいとアドバイスしてあげます。男の気持ちはわからなくもないが何も顧みず迷惑行為を行うようなヤツは相手の気持ちなんか理解しようとしませんしね。
後味の悪い演奏会でした。
おわり