河童メソッド。極度の美化は滅亡をまねく。心にばい菌を。

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OCNから2014/12引越。タイトルや本文が途中で切れているものがあります。

1774- オテロ、沼尻竜典、神奈川フィル、2015.3.22

2015-03-22 23:57:52 | コンサート・オペラ

2015年3月22日(日) 2:00-5:45pm 神奈川県民ホール

神奈川県民ホール、びわ湖ホール、iichiko総合文化センター、
東京二期会、神奈川フィル、京都市響
プレゼント

ヴェルディ 作曲
粟國淳 プロダクション

オテロ

キャスト(in order of appearance)
1 イアーゴ、堀内康雄
1 ロデリーゴ、与儀功
2 オテロ、アントネッロ・パロンビ
2 デズデモナ、安藤赴美子
3 カッシオ、大槻孝志
4 モンターノ、青山貴
5 エミーリア、池田香織
6 ロドヴィーコ、デニス・ビシュニャ
7 伝令、的場正剛


合唱、びわ湖ホール声楽アンサンブル、二期会合唱団
児童合唱、赤い靴スタジオ
指揮、沼尻竜典
管弦楽、神奈川フィルハーモニー管弦楽団

(タイミング)
第1幕 34′
Int 20′
第2幕 37′
Int 20′
第3幕 41′
Int 20′
第4幕 35′


指揮者、歌い手、オーケストラ、充実の公演でした。
話は歌から入るべきところ、オテロと言えば爆発的な聴きどころの多いオーケストラ、この日のオーケストラの充実度は普通ではなく異常といえるもので、ことごとく決まっており、特にドラマチック・ポイントにおける離れ業的決め具合は際限もなく素晴らしく、指揮者の冴えわたる一点フォーカスは空恐ろしいほど。この劇的オペラがググッと締まりもの凄い迫力。

原作は別にして、ヴェルディのオテロが微妙なところは、戦いモードの音楽がそのまま嫉妬音楽になってしまっているところで、第1幕のオテロの戦いの威勢の良い勇猛ともいえる音楽が、そのまま第2幕以降の策略陰謀絡みの男の嫉妬音楽になってしまっていて、これが一種の違和感を生んでしまうところがあって、ドラマチックの種類が同じに聴こえてしまうあたり、曲想の種類のバリエーションで区別できなかったものかと思うところがある。モードのギアチェンジが必ずしもうまくいっているとは言い難いオペラではある。
最初の怒涛の音楽とラッパのめくれるようななぎ倒し演奏、稀有の表現を圧倒的な見事さで演奏した指揮者、オーケストラには脱帽しかありませんが。

それでも、ヴェルディは軌道修正に時間をかけている、それを場切りしないでやるあたりは見事だとは思います。


舞台の人物配置が明確で分かりやすい。オテロとイアーゴのバランスが良く二人の強さ弱さ狡猾さなどがうまく展開していく。また第2幕にあるように、ときとしてシルエット美のようなものが浮き彫りになったりしてちょっとホッとするようなところもありますね。
第3幕のイアーゴの狡猾さ、盗み聞き、遠くから近くからの遠近含み、字幕だけでは厳しくて事前に勉強が必要な箇所も少なからずあります。
タイトルロールのパロンビは体格やそれからくる威厳のようなものの役向きなところはありますが、気張って絶叫するほどではない。イアーゴの堀内とうまくバランスしていたと思います。双方、泣き節はありません。深い感情そこそこ、比較的ドライな雰囲気。
デズデモナ安藤はそこの感情が男二人分あって高低無理なくコクのある歌、昨年観たドンカルロのエリザベートの佳唱そのままに光りました。
周りの歌の充実度は日本人キャストの場合たいてい良いもので、この日も脇がしっかり決まっておりましたね。ここらへんが弱いとヴェルディらしくなくなってしまう。


休憩きっちり3回。
最近のオペラ上演では文字通りのべつ幕無しにつなげてしまうものが多く聴衆に必要以上の緊張を強いるケースが頻発というか流行なのかよくわかりませんが、個人的には賛成できない。
この日の公演はきっちり3回休憩をとり、ストーリーの進行にも心地よさがありました。

プログラムパンフは無料で文句は言えませんが、あらすじが書いてありませんでした。解説だけでは片手落ちですね。

沼尻、神奈川フィル、合唱にはもっと拍手喝さいがあっていいと思う。特に指揮者の沼尻は秀逸でしたのに。

オテロ十分楽しめました。ありがとうございました。

それにしても第2幕はプッチーニの雰囲気だよね(前半)、トゥーランドットだけでなくいろいろと。順番からいったら真逆なんだろうけど。

オテロと言えば火を噴くクライバーか。沼尻さんこれからもがんばってください。
おわり


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