2017年9月23日(土) 10:30am-4:20pm コンサート・ホール、オペラシティ
オール・ベートーヴェン+
第1部 10:30開演
ピアノ・ソナタ第13番変ホ長調Op. 27-1 3+2+3+6′
ピアノ・ソナタ第14番嬰ハ短調「月光」Op. 27-2 5-2+7′
ピアノ・ソナタ第15番二長調「田園」Op. 28 9-6-2-4′
Int
第2部 11:50開演
7つのバガテル Op. 33 3-2-2-3-3-3-2′
2つの前奏曲 Op. 39 5-3′
ピアノ・ソナタ第16番ト長調 Op.31-1 7-8-8′
Int
第3部 13:30開演
ピアノ・ソナタ第17番ニ短調「テンペスト」 Op. 31-2 7-7-5′
ピアノ・ソナタ第18番変ホ長調 Op. 31-3
Int
第4部 14:30開演
バッハ:半音階的幻想曲とフーガニ短調BWV. 903
モーツァルト:幻想曲ニ短調 K. 397
ショパン:即興曲第4番嬰ハ短調「幻想即興曲」Op. 66
ショパン:幻想曲へ短調 Op. 49
ショパン:ポロネーズ第7番変イ長調「幻想ポロネーズ」Op. 61
Int
第5部 15:40開演
シューマン:幻想曲ハ長調 Op. 17
(16:20 終演予定)
ピアノ、横山幸雄
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一日損した気分の秋分の日、あまり気張らず3か所巡り。
一つめは横山さんのロングリサイタル。朝の10時半から夕方4時半頃まで。
二つめの予定があるので作品31の真ん中テンペストを聴いたところで退出。18番までは聴くつもりでいたのだが、予定が押し気味で、各部の頭に横山さんのトークが入るのでさらに押した感があり、やむなくテンペスト止まり。
13,14,15,16,17の5ベトソナと7つのバガテル、2つの前奏曲。まぁ、これだけ聴ければほぼ満足。
横山さんのベートーヴェンは5月のガル祭でたくさん聴きました。今日も楽しみですね。
どの作品も肩の力が抜けていて本当に軽く弾いている感じ。そういったリラックスベトソナはフォルテのところでも透明さを保ったままで響いてくる。折れるカーヴが無い。自然に波打っている。ベートーヴェンの揺らぎは強くて柔軟。どれもこれもいい演奏。
13番は切れ目のないプレイで流れる。この作品のポテンシャルを再認識。大きい作品、魅力的。その大きさと幻想、醸し出す横山ピアノ見事です。
月光はガル祭でも単品で聴きました。今日は13番に続いての演奏。第1楽章のモードは13番を感じさせるも明らかにムードが3楽章寄りにシフトしている感がある。淡々とした演奏だがそういったことを思わせてくれる。すっきりとした中間楽章。これ必要ですね。
次の田園。全編を覆う魅力的な下降音型が印象的な曲。最下点に向かって押し込むようなものではなくて均質。むらが無い。2楽章などシンプルイズベストな雰囲気。大きな曲、田園を満喫。
ここで一服して次に進む。
7つのバガテル。明るくて大規模な作品でした。どこで終わってもいいような、いつまでも続きそうな、そんなピースのかたまり。
2つの前奏曲は粒立ちの良さ。
この2作品は譜面を見ての演奏と見うけられました。
16番は洗練された味付けで、ずれやねじれがカッコよく弾かれていて鮮やか。大変にバランスのいい演奏でした。
ここで2回目の休憩。
次は作品31のうちさっきの16番に続きテンペストと18番。
テンペストは一つずつの粒が小さくきれいに響いてくる。最初の13番からそういった力むことの無い演奏が延々と続く。
終楽章の無窮動、ピアノとフォルテのコントラストが素晴らしい。フォルテではややエキサイティングなところも。テンペストの嵐か。
最後はひっそりと沈みこむ。第1楽章のシベリウス第1番終楽章的エンディングとともに印象深い。
ここまで聴いて退席。
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ホールは1階席は8割がた埋まっている。2,3階の左右バルコニーは普通に座ると舞台は見えない極悪席で、席を変えてほしいという方や、そもそも舞台を見ずに音に集中するかたなどまちまち。ホールサイズは横山クラスにはちょうどいいと思うのだが、舞台が見えない席が沢山あるホールなので、ここではなく別のホールでやってほしい。上野の大ホールで4,5階を閉めて3階席まで使う、など。演奏会は視覚的インパクトが大きいので、その点、この初台は全くよくない。
おわり