太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

深海魚生活

2019-06-12 09:23:22 | 社会観察

金融庁の報告書で65歳の人が95歳まで生きるとしたら年金だけでは2000万円不足すると試算して大騒ぎになっている。騒いでいる人自身は勿論困らない人達であるから何とも皮肉である。麻生大臣は怒ってこの報告書を受理しないと言っている。社長が報告書作成を指示したが気に入らない内容だから突き返す、そんなところだろうか。それでは無駄な報告書作りで時間と金を費やした金融庁の職員はどうなる。賃金カットはないだろうが少なくとも問題の試算について説明する機会はあっても良いだろう。野党ばかりか政府からも非難の声は大きいから立場は苦しい。内容はお年寄りに対して老後は資産運用をするよう推奨しているに過ぎないような気もするが。年金問題と直接結びつけるには無理がある。そもそも資産運用は老後に余裕がある人が行うもので普通はリスクのある運用などできない。試算されたモデルケースと我が家はほゞ同じ条件だが内容を比べてみる。収入である年金はもう少し多い。支出で非消費支出である税金や保険はこれよりかなり高い。ガソリン代が何処にカウントされているか分からないが恒常的な支出である。幸いローンも終わっている一戸建てで管理費や修繕積立は不要だが何年か1度は壁や屋根の補修は必要である。では大幅な赤字かというと家内の内職やら自らの別途年金を加算するとほぼ収入と支出は釣り合う。

それ以前に95歳まで生きる自信は全くないから2000万の赤字には至らない。考えてみると実際に2000万足りなくなるのは今の生活を維持しようと思えばである。足りない分の資産形成を促すための報告書とも言えるが、2000万増やす投資などある訳がない。リスクを負って投資をすればもっと早く破産することだってあり得る。そんなおいしい話があれば既にやっている筈である。出来ることは何か、定期的旅行×、グルメ×、趣味×、孫や子に小遣い×、とことん節約して収入に見合う生活に徐々に切り替えていくしかない。高齢者に餓死者続出とかなれば問題だが基礎代謝も次第に落ちて行くからそんなことにはならないだろう。A5ランクの黒毛和牛が食べたくて堪らんとか、大トロしか食べないとか言う年寄はいない。肉類が贅沢だから草食に変えるとしても大変である。栄養価の無い草を食べる動物はのべつ幕なしに食べ続けて眠るという生活をしなければならない。お勧めは深海魚のようにエネルギーを使わず、ゆったりと徘徊し、偶に落ちて来る死骸を最大の幸運と思えるような生活である。いまの生活水準を維持したいと思っても大概は年金不足以外の理由で突然破綻する。今の年金生活者が足りないから年金増やせとも言えないし、給料天引きされているサラリーマンは95歳まで生きればという実感などない筈。騒いでいるがどうなればという結論はない。必死に報告書を書いた官僚の皆さんご苦労さん。賃カツにならなくとも数年は出世に影響するかも。消えた年金とは大違いの話で政争の具にするのは愚である。

人も羨むような年金生活などあってはならない。当方只今ゆっくりと沈んでおり深海の入り口水深200mくらいにある。かすかに光は届き、雑念に惑わされることはあるがどうもがいても水面で再び太陽を拝むのは無理である。4000mの海底までは少し時間があるのでゆっくり泳ぐ練習をしなければならない。そう、老後を待ち受けるのは深海魚のような生活と思って間違いない。