太陽光発電シニア

太陽光発電一筋、40年をはるかに過ぎたが何時までも興味のつきない厄介なものに関わってしまった。

結界

2024-05-19 07:20:18 | 日記

 耳馴れない言葉だが最近続けて2度出会った。最近のB級読書で京都の老舗呉服問屋を舞台にした本で「結界」という聞きなれぬ言葉が出て来た。ネットで調べたら「商家で、帳場の囲いとして立てる格子。帳場格子。」とあった。要は店の人と客との境界を示すものである。本来は仏教用語で僧が戒律を犯さないように一定の区域を制限すること。また、その区域のことを指すものとのこと。密教で、修法によって一定の地域に外道・悪魔が入るのを防ぐこと。また、その場所。寺院で内陣と外陣 (げじん) の間、または外陣中に僧と俗の席を区別するために設けた木の柵 (さく) 。要はある世界の区切りを表すものだ。

ネットで調べておいたら早速昨日の市民講座でこの言葉がでてきた。テーマは落語の世界の話だった。そこで「結界」という言葉が使われた。言葉の説明は無かったがどうやら落語は座布団の上だけで演じることから座布団の範囲を結界と呼んでいたようだ。確かに落語は舞台を動き回って演じるものではない。

思えばここ何年も自身は結界の内で暮らしている。新しい場所には行かない、車で走る道も一度は走った道ばかりである。結界を飛び越えて新しい世界に決して踏み出さない。安心で楽なのである。真逆の時代もあった。現状に飽き足らず常に新しい世界に飛び出したいという気持ちが強かった頃だ。60過ぎてからだろうかこういう生活は。今は殻の中で暮らしているようなものだ。頑丈な貝を背負ったヤドカリだ。安全ではあるが何事にも消極的とも言える。何とも魅力のない大人になったものだ。



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