ギリシャがロシアのパイプライン建設に強力することに合意したが、米国によるクーデターの怖れも (櫻井ジャーナルより抜粋)
ギリシャは天然ガス用のパイプラインを建設するため、ロシアから融資を受けることになり、EUから離脱する可能性が強まったと見られている。
財政を破綻させたのは巨大金融機関とギリシャ国内の腐敗したエリート。
IMFは自分たちに都合の悪い事実を隠し、都合の良いストーリーを広めるためにギリシャのジャーナリストをワシントンDCで訓練してきたとIMFの元ギリシャ代表が証言している。日本の場合、「記者クラブ」という形で官僚や大企業にとって都合の良い話を「レクチャー」されている。
ギリシャ国民は事情を理解、怒っている。結果として、今年1月25日に行われた総選挙で急進左翼進歩連合が圧勝した。
西側支配層の代理人として働いているトロイカが「民意」に答えるはずはなく、緊縮財政で富を搾り取る一方、さらに借金させ、国の資産を私有化という形で盗むという流れが続いた。
ロシアとのプロジェクトでパイプラインが完成したなら、大きな収入源を得ることになり、財政も好転する可能性が高い。西側支配層の意向で動いているトロイカにとっては悪夢だ。早く破綻させないと、地中海の東岸に眠っている天然ガスの開発で借金が返される可能性もある。
ロシアがパイプラインの建設でギリシャと手を組もうとしている大きな理由は、アメリカやイスラエルの属国と化したウクライナの存在がある。新政権は天然ガスの輸送を妨害している。
こうしたアメリカの経済的な攻撃に対し、ロシアは中国との関係を強化することで対抗する。 一方、トルコを経由するパイプライン、トルコ・ストリームの建設をロシアは打ち出した。
トルコ・ストリームはギリシャ、マケドニア、セルビア、ハンガリー、オーストリア、イタリアへとつなげるのだろうと見られていた。
クーデター計画をマケドニア当局が察知したのは昨年9月頃だと言われ、今年1月にもクーデターが試みられ、失敗している。 ビクトリア・ヌランドとマケドニア駐在のアメリカ大使で、NATOのジェンス・ストルテンベルグ事務局長も関与したと見られている。その背後には投機家のジョージ・ソロスもいる。 これからもアメリカはギリシャとロシアのパイプライン建設計画を妨害することが予想でき、バルカンの不安定化を図る可能性が高い。
ギリシャと同じように経済的な苦境に陥っているウクライナでは、良い条件を出したロシアとの話し合いを進めていたビクトル・ヤヌコビッチ大統領がネオ・ナチのクーデターで排除されている。
① 6.20 露ギリシャ首脳会談が終了
ロシアのペスコフ大統領報道官は、プーチン大統領とギリシャのツィプラス首相の会談ではギリシャの財政支援問題は話し合われなかったことを明らかにした。
② 6.20 ギリシャのツィプラス首相は自身がブリュッセルではなく、国際経済フォーラムを選んだ理由を次のように語った。
欧州はいまだに「幻想に生きており、自分が地球の中心だと思い込んでいる。が、実は経済の中心はすでに移動している」と強調した。
ギリシャは「3つの大陸の交差する場所」でありつづけており、ギリシャの問題は全欧州の、その構造の問題だと指摘し、「帯をきつく締め上げる」政策は誤りであり、どこにも行き着かないと批判した。
③ 6.20 EUによる制裁延長はロシアとの再統一を選んだクリミアの人々を「罰する試み」
☆ 今のところ、ツィウラスは敗北したようである。 ヌランドが訪れている。 そうとう、明らかな威嚇があっただろうとの情報もある。 目の前での恐喝ドラマ。
ツィプラスはEUを抜け出ようとしていた、首相はまっすぐな人に見える、けれど、敗北。 ロシアとの経済関係は継続する意向を明らかにしている。