アメリカのマイク・ペンス副大統領とマイク・ポンペオ国務長官は10月16日にトルコのレジェップ・タイイップ・エルドアン大統領と会談、
トルコ軍はクルド軍との戦闘を120時間休止することで合意したという。
当初、エルドアン大統領はペンスやポンペオと会うつもりはないと語っていたが、何らかの事情で方針を変えたようだ。
アメリカ政府が派遣したふたりとエルドアン大統領が会った16日、トルコ政府は
大統領が10月22日にロシアを訪問すると発表した。
その前日にエルドアン大統領はロシアのウラジミル・プーチン大統領と電話でシリア情勢などについて話し合ったという。
アメリカ政府が派遣したふたりとの接し方を相談したかもしれない。
ペンスとポンペオがトルコへ乗り込む直前、10月14日にプーチン大統領はサウジアラビアを訪問、経済的な関係の強化を印象づけた。
サウジアラビアでもアメリカへの不信感が強まっているようで、ロシアとの関係が経済にとどまる保証はない。
ドナルド・トランプ米大統領は以前からシリアから撤兵ようとしてきたが、シリア占領の継続を望むアメリカの議会や有力メディアから激しく攻撃されてきた。
そうした声があるにもかかわらずトランプは10月6日にシリアからアメリカ軍を撤退するように命令、議員やメディアは「裏切りだ」と叫んでいる。
アメリカなど侵略勢力が送り込んだサラフィ主義者(ワッハーブ派、タクフィール主義者)やムスリム同胞団を中心とするジハード傭兵はロシア軍に敗北、クルドが新たな手先になった。
クルドにシリア政府を裏切らせたのはアメリカだ。クルドはマクベスを演じてしまった。
アメリカの強さを信じ、「クルドの国」を夢見てシリア政府を裏切ったのだろうが、
シリアでの戦闘はアメリカ軍の弱さとロシア軍の強さを明らかにした。
裏切りの失敗を気づいたのか、少なくとも一部のクルドはすでにシリア政府と話し合いを始めていた。
アメリカのシリア占領が失敗したことは軍の好戦派も認識しているようで、
アメリカ軍だけでなくジハード傭兵もイラクへ集中させつつある。
そこでアメリカ政府とイラク政府との関係が悪化しているわけだ。
そのイラクと接しているシリア東部、ユーフラテス川沿いにある油田地帯のデリゾールからアメリカ軍が撤退する様子は見られない。
まだアメリカはシリアの石油利権に執着している。
クルドが引き上げた後、イラクに集めているジハード傭兵を利用してアメリカは油田占領を続けるつもりなのかもしれない。
メルキト・ギリシャ典礼カトリック教会の聖職者は2012年6月の段階で「もし、全ての人が真実を語るならば、シリアの平和は守られる。1年にわたる戦闘の後、西側メディアの押しつける偽情報が描く情景は地上の真実からほど遠い。」と指摘、
シリア政府軍が戦っている相手が外国からやってきた戦闘員だということも報告していた。
この報告は正しいのだが、
同じことがウクライナや香港でも当てはまる。
https://plaza.rakuten.co.jp/condor33/diary/201910180000/