2022-4-19 いわて自走車中泊遠征旅(その2) 猊鼻渓舟下り~げいびけい・奇跡の一本松・カッパ淵

2022-05-06 19:48:56 | いわて自走車中泊遠征旅
4月19日 晴れ 気温21℃
暖かな朝です。
車中泊場所からAM8時出発!

走ること20分。

AM8時20分 「猊鼻渓~げいびけい」
に到着!


ここは日本百景の一つである「猊鼻渓~げいびけい」


昨日行った「厳美渓~げんびけい」とよく似た名前なのでどちらがどちらか分からなくなりそうです(笑)



そこで「美」が付いている「厳美渓~げんびけい」が「空飛ぶだんご」
「鼻」の文字が付いている「猊鼻渓~げいびけい」が「船下り」
と覚えることにしました(笑)


往復90分間の舟下り


1人=1800円


最大搭載人員37人の船にこの日のお客さんは私を入れて6人。


コロナの前まで海外から年間8000人の観光客が来ていたそうです。


外国の人が来れないとなると毎日この人数だと経営は大変でしょう。
往復90分で1800円は安い・・と思います。


舟下りはここが日本で最北端です。


ちなみに最南端の舟下りは熊本の球磨川.


竿1本で巧みに舟を操るさまはもはや芸術です。


青空の下、ピンクの桜が舞う舟のお供はカモくんたち。




この日乗った舟の名前は「もみじ丸」


天井があるこの舟は雨の日用です。


高さ100mを超える切り立った岸壁が約2kmにわたって続きます。


山鳥の声がこだまする中を一本竿の舟はゆっくりと川を上っていきます。



上流に着くと降りて少し歩きます。


橋が見えてきました。


橋を渡ると高さ150mを超える絶壁が出迎えてくれました。



「猊鼻渓~げいびけい」の名前の由来。


それが対岸にそびえる大岸壁に突き出た「獅子(猊~しし~)ヶ鼻」なんです。


ここに面白いアトラクションがあります。


川の向こうに見える小さなくぼみ。


そこに向かって想いを込めた「運玉」を投げます。


入ればその願いが叶う・・かもしれません(笑)


3個=100円
素材は粘土。


私が選んだのは
「絆」、「運」、「愛」の3つ。



一見近そうに見えますがこれが届きそうで届きません。
まずは1投目。
くぼみの少し下です。
惜しい。


さらに2投。
こんどは少し横。

そして最後の3投目。
狙ったのはくぼみの1.5m上のところ。
気合を入れて全力で投げました。

   
「入った~!」


拍手が起きました(笑)
ここで船頭さんからひと言。

「ナイスコントロール! あなた大谷さんでしょ! オオタニサ~ン!」

と言ったとか、言わなかったとか(笑)

入ったのは選んだ3つの「運玉」のうちの「愛」でした。
嫁から言われた「やっぱりな」の意味がいまだに分かりません(笑)


船頭さんから
『運玉投入認定証』をいただきました。
これは嬉しい!!


奇岩の壁がそびえたつ「厳美渓~げんびけい」
帰りは船頭さんが歌う「げいび追分」の美声を堪能しながら舟下りを楽しみました。


船頭さんの巧みな操船と話術と絶景を楽しんだ90分間。
非日常の世界にどっぷりと浸かりながら、俗世間にまみれた心が浄化していくのを感じました。


もう一度、今度は紅葉の時期に来てみたい。
忘れられない思い出となりました。
至福の時間をありがとうございました。


//////////////////////////////


さぁ次は今回の遠征旅で絶対に行こうと決めていた「奇跡の一本松」を目指して移動です。
10時45分出発!

12時過ぎ
『高田松原津波復興祈念公園』に到着!





「東日本大震災津波伝承館」の中に入ります。


目に飛び込んできたのは消防車です。


あの日TVで観た悲惨な光景。
まるで地獄のような光景に一言も声を出せませんでした。


押し寄せる濁流の中に何もかもが吞み込まれていきました。


家族を亡くし、友人を亡くし、家も生活もすべてが一瞬にして無くなった大津波。
どんなに怖かったか。
どんなに辛かったか。
想像を絶します。


10数年前。
車で通勤途中に後ろから追突され、その勢いでフェンスにぶつかり、車は修理不可能。
私は入院して1週間の面会謝絶。
その間風呂にも入れずひたすら病室で痛みが引くのを待つだけでした。


10数年経った今でも運転中にバックミラーに迫る車はPTSD(心的外傷後ストレス障)となっていて、ついついハンドルに力が入ります。


もちろん三陸の皆さんと私では比べ物にはならないということ重々承知しています。
ただ、心の傷は時間の経過だけでは癒えないんだということは分かっているつもりです。

  
「てんでんこ」
の教え!!

岩手県の三陸沿岸には
「津波のときはてんでんこ」という教えがあります。
「津波が来たら、周りを気にせず、てんでんばらばらに,それぞれで逃げなさい」ということです。

「命を守るために何が何でも逃げろ」
「必ず生き残れ」
という強い思いが込められています。

津波から命を守るために生まれた教え、それが「てんでんこ」なのです。


さらに
「逃げたら戻るな」とも言われています。
ものすごく分かります。
そのとおりだと思います。

ただ自分に置き換えてみたときに自分だったらどうするだろうなぁ、と考えます。


てんでんばらばらに逃げたとします。
自分が高台に逃げ延びたとします。

でもそこに嫁の姿がなかったら・・
子供と連絡がつかなかったら・・
孫がいなかったら・・


その時にならないと分かりません、わかりませんがおそらく探しに行くと思います。
逃げ延びたけど戻ると思います。

難しいです。
私の中で正しい答えは出せません、でも取るべき行動は決まっている、そんな気がします。


この日の海は穏やかで、潮風が体を吹き抜けていきました。
真っ青な空、真っ青な海。
涙が止まりませんでした。


犠牲者「1万9,689名」

「亡くなった皆さまのご冥福を心よりお祈りいたします」


////////////////////////////

ここから「カッパ淵」へと移動しました。

16時 「カッパ淵」 到着!


かつてカッパが多く住み、人々を驚かしたという伝説が残る場所です。
全国唯一のカッパ狛犬で知られる常堅寺の裏手を流れる小川の淵を言います。


この常堅寺に到着したのは午後4時過ぎ。
残念ながらお寺の中には入れません。


そこで少し遠回りをして小川へ行きました。


なるほど。

寺の裏手を流れる小川の淵。


不思議な世界に紛れ込んだ気がします(笑)


淵の水辺にはカッパの神を祀った小さな祠が建っています。


カッパの神は乳の神なので母親が母乳の出がよくなるよう祈願するそうです。


背中に気配を感じます(笑)
「見えないなにか」の存在。
やはりここは「遠野の世界」です。


そして次の日の朝。
私たちは不思議な体験をすることをこのときはまだ知りませんでした。


「いわて自走車中泊遠征旅」 第2話 終わりです。

「いわて自走車中泊遠征旅」 第3話 に続きます。


















  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする