「高知ファンクラブ」 の連載記事集1

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沖縄通信その2・・沖縄は低所得なのになぜ人口が増えているのか

2010-11-19 | 沢村さんの沖縄通信

◇家族がとても多い。子どもが多い。


 
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子どもは3人、4人は当たり前。子どもの多さは、昭和30年代の日本の姿を見るようだ。


那覇市内でも、露地で子どもが群れを作って遊んでいる。


学校の登下校でも群れて行く。自転車に乗りっこしたり、野球したり、時には、友達の頭をバリカンで刈っている。


こうした辻や露地で遊ぶ光景は、昔はどこでもあったがいま消えている。


沖縄は毎日見られる。子どもがとにかく多い。この光景を見ていると社会に未来を感じる。地域の人もみんなどこの子どもか知っている。それが地域の教育力にもなっていると感じる。


また、学校が地域の核になっている。


何かあると学校に集まる。運動会は、家族そろって出かけるので、いい場所を早く取ろうと場所取りの競い合いをする。


こんなことをしている県があるだろうか。学校の前に出店まで何軒もでる。昔は日本各地でも同様な様相があったと思う。


沖縄はなぜ、子どもを多く生むのか。


かつては日本全体が子どもをたくさん生んだが、その古い時代の良さがこの面でもまだ沖縄に残る。


家族が多いので子育てしやすいこともある。


おじい、おばあと一緒の生活もあるし、近くにおじい、おばあがいるとか、近くにいなくても同じ島、沖縄のなかだから、なにかあれば助けられる、支えられる。


子どもの多さは、「貧乏の子沢山」と言われたようにあまり、所得に直結しないようだ。



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◇低所得でも、なんとか暮らせるのが沖縄。


それはなぜなのか、その要因もいろいろある。


家族が多いと、一つの家庭で働く人口も多い。


専業主婦は少ない。女性が結婚してもよく働く。


男性の給料はきわめて低い。月給40、50万円ももらう人はごく少数。20万円くらいの人が結構多い。夫だけの給料ではとても生活できないので女性が大抵働いている。


おじい、おばあも年金がきちんともらえない人もいるし、もらっても低いので働く。


タクシー運転手はおじいが大半。市場の店はおばあ天国。孫も働く世代になると、一家族で何人も働いて家計を支えている。若者の失業率が高いが、家族で支えあっている。ただ、沖縄も貧富の格差はとても大きい。


◇生活費も安い。


物価は離島だから輸送費がかかり、本土より高いものもあるが、人件費が安いのでコストを低く抑えられ、概して安いものがある。


食糧でも、野菜など八百屋の専門店や農連市場、JA直売店などたくさんあるので、スーパーよりはるかに安く買える。


光熱費も風呂は冬もシャワーだけだし、最低気温が高いので煮たきも早い。


日の入りが遅いので明るい。エアコンを使う期間は長いが暖房代はあまりかからない。


被服代も半年はTシャツだし、薄着で過ごせて安くてすむ。タクシー、居酒屋など安い。住宅も安い。


若者で沖縄に来る人に人気なのがドミトリーという安宿。個室でなく共同生活のような感じ、一泊1000円で泊まれる。


なんとなく金がなくても生きていけるのが沖縄。


安い年金生活でもなんとか生きていける。お金がなくても、結婚してなんとかやっていけるという面もある。子どもも育てやすい。教育費も比較的安い。身の周りにも低所得者が多いので、全体の生活ぶりが派手でないばかりか、質素な面がある。


だから見栄をはらず、気楽に生きられる。安く生活しようと思えば、相当安く暮らせる。


◇人口が減らずに増えている要因に、子どもを生む数が多いのと同時に、他府県から移住する人が増えている。


それは若者が沖縄に魅力を感じたり、行き詰って沖縄に来たりする、高齢者が定年退職や病気療養で移住してくるなど、最近はとても多い。


温かいのは健康にもよい。


脳梗塞などの人も寒いのは体に悪いので温かさがよい。


花粉症がない、喘息の人もよくなる、メンタルな病気の回復にもよいなど。


寒い地方の人が冬だけ沖縄に住むという例も増えている。


若者も海にかかわる仕事や音楽・芸能の仕事など沖縄で仕事を求めたり、沖縄的な暮らし、スローライフ、「なんくるないさー」(なんとかなるさー)精神に魅かれて住みつく人もかなりいる。


HN:沢村



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