中塚さんの「高野山結縁潅頂と奈良諸寺参拝の思い出」最終回

そういう（限りない収奪の）悪循環を断ち切るためには、リーダーとなった人こそ、自分の力を周囲に分け与える力・能力を持たねばならないと思います。リーダーとなったときこそ、周囲の人に尽くす、まさに慈悲の心を発揮せねばならないと感じています。

しかし、自分は、御釈迦様でもお大師様でもありません。普通の、いえ、どちらかといえば心の弱い、自分勝手なわがままな人間であると自覚しています。そういう自分であっても、組織や社会においては、仲間や部下を牽引していかなくてはならない状況にあうとき、手を合わせて、大いなるもの（これは人それぞれだと思いますが、私の場合には身近にある観音様やお釈迦様やいろいろの神さま）に祈ると、自分の中に何か力がわいてくるような気がします。

このわいてくる力を、誰かに何かを与える源泉として使うことができれば、負のスパイラルから抜け出せるはず。そもそも、その力は、自分の力ではなく、自分ではない人智をはるかに超える「大いなるもの」からいただいた力。そういう気持ちで、日々を過ごしたいと思います。

こうして、折にふれて、高野山や由緒ある寺社を訪ねさせていただくことで、「大いなるもの」に触れさせていただくことができ、その力をより多くいただくことができるような気がしています。

このようなご縁を授けて下さいました高原講元、また今回ご一緒させていただいた皆様、連休にも関わらず家をあけることを寛容に認めてくれた家族に、心からの感謝を申し上げたいと思います。本当にありがとうございました。

次回の高野山も本当に楽しみです。