福聚講

平成20年6月に発起した福聚講のご案内を掲載します。

四国88所の霊験・・・その57

2018-11-25 | 四国八十八所の霊験

石鎚神社の次は国道11号線や予讃線にそってすこしあるいて63番吉祥寺にお参りします。63番吉祥寺は国道のほとりにこじんまりとあります。澄禅「四国遍路日記」にすでに「吉祥寺、寺は退転したり」とあります。江戸初期にすでに寂れていたことがわかります。いまも退転したままで往時の大伽藍をしのぶよすがさえありません。四国霊場会のホームページには「四国霊場の中で、本尊を毘沙聞天とする札所は吉祥寺だけで、その縁起をたどる。弘法大師がこの地方を巡教したのは弘仁年間とされ、その折に大師は1本の光を放つ檜を見つけ、一帯に霊気が満ちているのを感得した。大師は、この霊木で本尊とする毘沙聞天像を彫造、さらに脇侍として吉祥天像と善膩師童子像を彫って安置し、貧苦からの救済を祈願して堂宇を建立したのが開創と伝えられている。そのころの寺は、現在地より南東にあたる坂元山にあり、広い寺域に塔頭を21坊ほども有していた。だが、天正13年(1585)豊臣秀吉による四国攻めの争乱に巻き込まれて全山を焼失されている。その後、江戸時代の万治2年(1659)、末寺であった檜木寺と合併して、現在の地に移り再建されたと伝えられる。」とあります。

 毘沙門様はもともと福徳を与えてくださる天部の仏様です。奈良信貴山で頂いた「仏説毘沙門天王功徳経」には毘沙門様は日々膨大な福を生じているが衆生が受けきれないので日に三回も焼いている。この福を得るためには自分のためでなく他者のためを願わなければ福を得ることはできないとかかれています。「仏説毘沙門天王功徳経」を引用します。
「八十億那由陀の大福聚あり。われ毎日三時にこの福を焼く、若し人ありて我が福を得んと欲せば、五戒を持ち三帰して、無上菩提の為に願い求めば、必定して施与して一切毘沙門の福を成就することを得ん。願う所に五種あるべし、一つには父母孝養のため、二つには功徳善根のため、三つには国土豊饒のために願うべし。もし人ありてこの五種の心を除いて願うとも福を得るべからず。・・・」やみくもに自分のことばかり願ってはお蔭はうけられないとうことです。
 「ふらり巡礼(朝日新聞」」には当時の藤田住職の話がのっています。「何年か前、庫裏に泊った男性二人ずれのお遍路さんに信仰上の注意点はなにかときかれた。そこで仏様は香を食される(香食)のでいい香りの香が大切と教えた。その結果おかげを頂いたのか後でこの人がお堂を寄進した。」というものです。

またここには成就石という自然石があり目を瞑って杖が穴に通ると願いが叶うといわれています。私もお詣りするたびにやってみますが通ります。そして18年ごろに願った子供の就職は紆余曲折を経て一年後に最もいい形で成就しました。その後21年の御礼参りの家族遍路の時も家族全員杖がとおりました。その後わたしも求聞持ができたり長男も地方から帰れたりありがたいことが続きました。24年春の区切りうちでも雨の中痛む足を引きずりつつ往復2度ここをお参りしました。そのおかげで愚息も望みが叶い元気な孫を授かりました。有難い限りです。

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