失言製造機の麻生がまた愚にもつかない発言を繰り返している。
昔、何かの間違いで首相になった時からそうだったが、
年齢のせいもあろうが、もはや治療できない域に達したと言える。
TTPを取り上げない日本の新聞のレベルが低いかのように軽々しく罵倒し、
実際には掲載されていたと指摘されると言い訳を並べるという始末。
ひょっとして自分にメディアや世間の批判を集中させ、
その後に辞任することで次の自民党総裁のイメージを良くする高等戦術かと疑ったが、
かつて麻生政権であれだけ成長率がガタ落ちし、今に至るまで
当時の実質賃金や所得水準に戻っていないのだから、そのような芸当ができる筈はない。
(実現できたのは、国民のカネで株価を支え株主を富ませるという最低の政策だけ)
半年前にライトハイザーUSTR代表は自由貿易協定によって「雇用が70万人減った」と
明言しているのだから、自由貿易協定の虚妄にそろそろ気づいても良さそうなものだが、
もし賢いのであれば既に気づいていて国民に嘘をつき企業へ利益誘導しているのだろうし、
愚かであるのならば何も考えずに自分達の努力を自画自賛しているだけだろう。
これ迄の実績から考えて前者であるとは考えにくい。
そもそもTPP11の試算は「10〜20年」で生じるものだから、
13兆円といかにも巨額に見せかけようとしても年0.6〜1.3兆円でしかない。
対EUのEPAを足してもGDPで年に最大で0.2%前後という程度にとどまる。
個別企業にとってはビジネスチャンスだが、これでは国民は殆ど恩恵を感じない水準である。
女性就業率を引き上げた方が遥かに経済効果(50兆円超とされている)が大きい。
また、財務省も厚労省も「ヒラメ」で公文書の捏造・改竄を行っていた訳だから、
TPP11の試算も「安倍に媚び諂って過大な数値を出した」可能性がかなりある。
そうなるとただでさえ乏しい効果が更にショボい結果に終わることとなろう。
▽ 米調査会社のリサーチでは、アメリカの高卒白人の所得が約20年で9%も減っている
クリントン政権の労働長官だったロバート・ライシュ氏は、
程度の低い安倍や麻生と違って自由貿易協定の害を明確に指摘している。
「1960~1970年代に合意した貿易協定は、世界のアメリカ製品への需要を飛躍的に増やし、アメリカ国内の労働者に支払われる賃金も上がった。しかし今の貿易協定は、アメリカ製品への需要を高めることは同じでも、企業や金融機関の利益を膨らませるばかりで国内労働者の賃金は上がらず、低いままだ」
「アップルのiPhoneは日本やシンガポールをはじめとするアメリカ以外の国や地域で生産した部品を中国で組み立てている。iPhoneに関して唯一アメリカ製といえるのは、カリフォルニアの一握りのエンジニアやマネジャーが開発したデザインや仕様ぐらいだ。その上アップルは利益のほとんど海外に蓄えている。アメリカでの課税を逃れれるためだ」
「近年の「貿易」協定は、大企業やウォール街の金融機関、その経営陣や大株主には巨額の利益をもたらした。なぜなら彼らは、新しく開かれた海外の市場や消費者に直接アクセスできる利点があるからだ。特許権や商標権、著作権といった知的財産権の保護でトクをするのも、海外に工場や設備、金融資産を多く保有する大企業や金融機関だ。世界のGDPの40%を占める巨大な貿易協定である環太平洋自由貿易協定(TPP)を、大企業やウォール街が熱烈に支持するのはそのためだ。TPPによって、大企業はさらに手厚い知的所有権の保護を受けることができるし、企業活動の障壁となるような法制度があれば、それが医療や安全、環境に関わることであっても、異議を申し立てることができる(ISD条項)。だが大多数のアメリカ人にとってここから得るものはほとんどない」
「経済が成長しても、そのほとんどは上位1%の富裕層のものになる。残りの99%は以前より安くモノを買えるようになるとはいっても、その分は賃金の低下で相殺されてしまう。TPPで全体のパイは大きくなるから、理論上は、1%の勝ち組は負け組が被った損失を全て埋め合わせてまだ手元に利益が残るはずだ。だが現実には、勝ち組が負け組のために損失の穴埋めをすることはない」
「私自身はこれまで、ウォール街や大企業が巧みに影響力を振りかざすのを間近で見てきた。その代表が、ロビー活動や選挙への献金、会社での地位を与えるとほのめかすこともあった。TTPのようなグローバルな貿易協定は、ウォール街の金融機関や大企業の利益を押し上げ上位1%の富裕層を一層富ませるだろう。そしてアメリカの中間所得層の凋落は続く」
ライシュ氏は真のエリートであるが、
安倍や麻生はその足下にも及ばない偽者である。
▽ 安倍政権は国民に隠してアメリカと密約を結び、甘利はフロマンに大幅譲歩して国益を毀損した
当ウェブログが以前から警告してきた通りであり、麻生は大臣どころか議員としても失格だ。
「民主党政権持代にTPPを「平成の開国」と騒いだメディア・論者は、
アメリカの走狗に過ぎなかったか、単に「踊らされた」ことが明白になってきた」
「TPP交渉は日本のためのものではなく、
政治力の強いアメリカ企業や大規模生産者のためのものである」
「TPPが纏まらない原因がかなりのところ強硬な米の圧力団体にあり、
日本だけでなく他の国もアメリカと利害が対立しており
ずるずると交渉が長引いて妥協の山になりそうな情勢が見えてきたからだ」
「USTRは強い態度で米企業の利害を代弁している。
その非妥協的な態度のため、妥結はどんどん遠ざかるであろう」
「これでただでさえショボい経済効果が更に縮小するのは確実。
喜ぶのが輸出企業と安い輸入食品で稼ぎたい内需企業ばかりである実態が
益々明らかになり、欺かれたと知り怒る日本国民が加速度的に増えている」
「TPPを「平成の開国」などと偽ったメディアや論者は
重大な「誤報」の責任を取って謝罪すべきであろう」
「日本より遥かにFTAに積極的だった韓国は、
周知のように成長率が鈍化し苦境に陥っている」
「レントシーカーやその手先が必死に韓国の真似をするのは見苦しい。
日本は韓国より内需に依存する比率が大幅に高いので、
韓国より更に小さい、砂粒のような効果しか望めない」
「当ウェブログは、RCEPの仕組み構築を先行させることによって
交渉力を高めよと主張してきたが、現政権にはそうした用意すらなく、
「大して効果がない妥協」か「国内で不満が強まる妥協」のいずれかで終わるだろう」
「事実問題として、NAFTAでアメリカは寧ろ雇用を減らしている。
また輸出依存度の高い韓国ですら効果は限定的だったのだから、
TPP程度の関税同盟で日本のような内需比率の高い国に劇的な影響があると
妄信する方が頭がおかしい。対内投資の増加の方がまだましだ」
「TPPが「平成の開国」などと法螺を吹いた論者やメディアは、
米議会で今、どのような議論がなされているか
しっかりと目を見開いて見るがいい」
「金権政治のアメリカですら、TPPと枠組みがよく似たNAFTAにより
大企業は大いに儲かっても労働者や一般国民への恩恵が
悲しい程に貧相だった事実が誰の目にも明らかで、
大企業からたっぷり献金を貰ったオバマが必死に旗を振っても
労組系議員を中心としてTPPへの抵抗が強まっている」
「おまけに元米高官から「アジア版NATO」などと
(つまり、親米アジア国の経済圏の形成が主目的だという訳だ)
日本経済にとっての恩恵が限定的であると示唆する発言が
アメリカ側から出てくる始末である」
「NAFTAで雇用も所得も大して増えなかったという厳然たる事実も知らず、
(寧ろ米国の中低所得層は実質賃金が低下傾向である)
米企業の儲けのために推進されたTPPが
日本経済のためになるかのように大嘘をついた
日本の衆愚論者や頭脳停止メディアの罪は重い」
「また、日本の経済団体がTPPを支持するのは
自社の収益のためであり、国益のためではない。
アベノミクスの2年間で企業収益と国民所得がディカップリングしている事実を見れば明白だ」
「日本のメディアはなぜ報じないのか理解できないが、
米大統領選で既にはっきり分かったことがある。
「TPPは既に死んだ」ということである」
「民主党のリベラル・ポピュリストであるサンダースが反TPPであるだけでなく、
風見鶏のクリントンも世論の風当たりを読んでTPP懐疑派に転じた。
また、伝統的に富裕層・大企業寄りの政策を行う共和党でも、
トップを走るトランプ候補はTPP反対を明言している」
「つまり、賃金が上がらない米国民はTPPへの敵意を強めており、
それを敏感に察した次期大統領候補は反TPP姿勢を強めざるを得ないのだ。
だからTPPが空中分解するのはもはや確定事項である。
いまだにTPPを支持している日本のガラパゴス・メディアも痛撃を受ける」
「米国民が貿易協定に敵意を強めるのは、NAFTAでの苦い経験があるからだ。
米企業はNAFTAで儲かったが米国の雇用は増えず、賃金も停滞している。
富裕層や大企業の手先がいかに口先で騙そうとしても、恩恵を実感できないのが実態である」
「クリントン政権の閣僚だったロバート・ライシュがニューズウィークに寄稿し、
「TPPは上位1%のためのもの」として富裕層と大企業、ウォール街が
ロビー活動と政治献金によって政策を操り、自分達だけ儲けていると指摘している。
(これは日本も酷似した状況にあり、自民党政権と財界との関係がまさにそうである)」
「事実、富国生命の市岡繁男氏はアメリカの中高年白人の死亡率が上昇していること、
その殆どが米企業の生産拠点の海外移転で職を失った中・高卒の労働者であり、
所得格差が拡大して中高年男性の自殺・薬物中毒死・アルコール中毒死・肝炎での死亡が急増、
深刻な事態になっていることを報告している」
「また、リーマンショック後の米国では所得下位90%の賃金の回復が鈍く、
いまだにリーマン前の水準を回復していないこと、
実は1980年代から米国の下位90%の賃金が上がっていないことが明らかになっている」
「米大統領選を見る限りTPPは「死んだ」と言える。
共和党支持でも民主党支持でも過半数が貿易協定で「雇用が奪われている」としているから、
米国民の憎しみを受けたTPPは事実上「終わって」いる」
「安倍政権は、太平洋戦争時の軍部と同じような粉飾された数値で
国民を騙そうとしている。そしてアメリカと同じ失敗に終わるであろう。
学習能力が根本的に欠けているから、当然の末路である」
「必死に隠してきたTPP交渉の裏面がかなりの部分明らかになってきて、
功を焦る日本側甘利代表(当時)が譲歩して妥結させたというみっともない実態が
発覚しつつあるにも関わらず、しかも米国民も米議会も反対しているにも関わらず、
満身創痍のTPPを推進し続けるのは流石は「次元の低い」政権らしいところだ」
「経済団体から政治献金をたっぷり受け取っているからその意向に逆らえない。
いつもながらカネの力に勝てない、利権癒着を断ち切れない病気なのだ」
「NAFTAで雇用が増えなかったため米国民は怒ってTPPに反対、
大統領候補もTPP反対を唱えざるを得ない情勢である」
「一方、米議会の多数派を占める共和党は経済界の利益を代弁して
「もっと米企業が稼げるようにしなければTPP反対」である」
「もし利に敏いクリントンが選挙後にTPP推進に転じるとしても、
米国民と米議会多数派が正反対の理由でTPPを批判しているのだから、TPPに未来はない」
「以下の当ウェブログの主張も事実で立証されるであろう」とも書いたが、
安倍政権下の低成長を見ると矢張りこれらの指摘も正しいと思われる。
○TPPの経済効果は同一期間の省エネ関連市場の成長規模とさほど変わらない
(しかもTPPは多額の農業補助金の積み増しが必要になる)
○TPPの経済効果は再生可能エネルギー市場の成長にさえ負ける可能性がある
○TPPの経済効果は女性就業率向上の経済効果に大きく劣る
(5倍~10倍に達する圧倒的大差で敗北)
○TPPの関税引き下げ効果は対欧FTAに大きく劣る
○TPPの域内人口・経済規模はRCEPに大きく劣る
○後発のRCEPの方が主導権を取れるチャンスが多く、中国の牽制も可能
安倍や麻生が政権に居座っている限り、日本経済の低迷は確実に続く。
できるのはせいぜい、公費で株価を上げて株主だけ富ませる腐敗政策が関の山だ。
▽ TPPは米企業が儲けるためのものである上に、RCEPより経済効果において大きく劣る
安倍政権はトランプに尻尾を振って媚び諂うだけでなく、愚かな利益誘導政策で国益を毀損し続けている。
「予言者エマニュエル・トッドは先進国の反グローバル化の動きを捉え、
エリートが自国民を無視して溝が生まれているのだと捉えている」
「そうした鈍重な「エリート」の典型例が安倍政権の二世閣僚達であり、
英国民投票や米大統領選に顕著に示された海外情勢の変化を察知できず
今もTPP推進論をやめない日本の「ガラパゴス」論者である」
「事実、EUには移民や難民受け入れを巡って大きな亀裂が入り、
TPPを言い出した当事者であるアメリカでTPP反対論が強まっている」
「「米国民と米議会多数派が正反対の理由でTPPを批判しているのだから、TPPに未来はない」
と当ウェブログが予言した通りだが、海外報道に注意を払っていればごく当然の結論である。
先を見る力がなくまだTPPに固執する議員は税金にたかるシロアリでしかないから即刻辞任すべきだ」
「欧州では、大した影響が出ない筈の対カナダ貿易協定でも
ごたごたが続いて締結に苦労している。
欧米とも「貿易協定は一部の層の利権でしかない」という現実が見えてきて、
口だけのエスタブリッシュに不満が強まってきているのである」
「しかもそうした先進国の情勢に気付かず苔の生えた古い政策しか出せない安倍首相は、
「日本がTPPを主導する」という白昼夢に等しいうわ言を口走っているばかりか、
「日本は人口が減る。社会保障を維持していくためには経済を成長させていく、自由貿易が決定的に必要だ」
などと相変わらず無責任な言辞を繰り返しており、反省のかけらもない。
そもそも正しい認識が決定的に欠けているのだから哀れむべきことであるが」
「日本の人口減少と経済低迷の「A級戦犯」は第一次安倍政権を含めた歴代自民党政権であり、
実質賃金がリーマンショック時より低下しているのは誰が見ても安倍政権の失政である。
おまけにショボい効果しかないTPPに、情勢の急速悪化にも関わらず固執している始末だ」
と当ウェブログが予見した通りであり、安倍や麻生のような劣化二世が跋扈する限り日本は衰退する。
↓ 参考
トランプに粉砕された安倍発言、「日本がTPP主導」の空疎さ - 欧州でも貿易協定に反発強まる
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9a5e53d56ad775304c5716278522b225
「TPPの恩恵は富裕層に、99%の国民は賃金が低下する」- ライシュが明言、米国民の反TPPも鮮明
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d9d9047e2205899b5d8052d9223128b8
米の強欲で停滞するTPP交渉、誰のためのものかは明白 -「TPP妥結で対日輸出急増」と皮算用
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/62994c5acb70cd357d60965f50629eba
読売新聞も認めた貧相なTPP効果、たったGDP0.05%増 - 女性就労率引き上げの10分の1以下
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4d9cb2bac4667c0d71c6a628b1f26c60
↓ 大国インドも含まれるRCEPの域内人口は34億人で、ショボいTPPを遥かに上回る
「東南アジアで現地市場が拡大」「円高修正でも海外重視」- 経済効果ならショボいTPPよりRCEPだ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1721bcc22dec3f25141db7cc1eb40836
▽ 自由貿易のイギリスよりも保護貿易のアメリカの方が成長率は高かった、これが厳然たる史実
麻生氏「新聞には1行も…」は事実? TPP11署名(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASL3Y4SFTL3YUTFK00V.html
この「日本の指導力」というみっともない自画自賛が安倍政権の特徴で、
通貨切り下げで国民を貧しくし、海外経済の好調で恩恵を受けても
まるで自分達が手柄をあげたかのように自慢する醜悪な自己中心主義の発露しかなく、
謙虚さという日本人の美徳のカケラもない連中である。
GDP:TPPや日欧EPAで押し上げ効果13兆円 政府(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20171222/k00/00m/020/065000c.html
試算の内容は、官庁が精一杯積み上げたという印象だ。
なぜ韓国やメキシコが自由貿易協定を締結した後に成長率低下に陥ったか、
ドグマに囚われず真剣に考察する暇も気力もなかったのだろうか。
(例え真剣に考察したとしても、安倍の「報復」を受けた前川氏の二の舞を避け隠蔽だろうが)
日欧EPA+TPP11の経済効果13兆円、雇用75万人 米国の離脱カバー(sankeibiz)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/171222/mca1712220500001-n1.htm
日本の実質賃金を大幅に減らした安倍政権の閣僚が称する「アベノミクスのエンジン」を
そのまま書いてしまい、年当たりの効果の乏しさを書かないフジサンケイGは流石である。
さぞ官邸は上機嫌で、赤坂あたりで社の人間が(官房機密費で?)御馳走されるだろうよ。
NAFTA再交渉開始、米国「微修正では済まない」とけん制(産経新聞)
https://jp.reuters.com/article/nafta-lighthizer-idJPKCN1AX047
これはアメリカ企業の強欲から出た言葉であるが、
自由貿易協定で雇用が減るという事実を認めた点では参考になる。
内弁慶でメディア批判ばかりしている麻生は、アメリカに対しては殆ど吠えないのだ。
いかにもポチ政権らしい権力崇拝主義で、TPPの件もメディアに圧力をかけて
自分達に都合の良い報道をさせようと図るさもしい根性が隠し切れないと言えよう。
昔、何かの間違いで首相になった時からそうだったが、
年齢のせいもあろうが、もはや治療できない域に達したと言える。
TTPを取り上げない日本の新聞のレベルが低いかのように軽々しく罵倒し、
実際には掲載されていたと指摘されると言い訳を並べるという始末。
ひょっとして自分にメディアや世間の批判を集中させ、
その後に辞任することで次の自民党総裁のイメージを良くする高等戦術かと疑ったが、
かつて麻生政権であれだけ成長率がガタ落ちし、今に至るまで
当時の実質賃金や所得水準に戻っていないのだから、そのような芸当ができる筈はない。
(実現できたのは、国民のカネで株価を支え株主を富ませるという最低の政策だけ)
半年前にライトハイザーUSTR代表は自由貿易協定によって「雇用が70万人減った」と
明言しているのだから、自由貿易協定の虚妄にそろそろ気づいても良さそうなものだが、
もし賢いのであれば既に気づいていて国民に嘘をつき企業へ利益誘導しているのだろうし、
愚かであるのならば何も考えずに自分達の努力を自画自賛しているだけだろう。
これ迄の実績から考えて前者であるとは考えにくい。
そもそもTPP11の試算は「10〜20年」で生じるものだから、
13兆円といかにも巨額に見せかけようとしても年0.6〜1.3兆円でしかない。
対EUのEPAを足してもGDPで年に最大で0.2%前後という程度にとどまる。
個別企業にとってはビジネスチャンスだが、これでは国民は殆ど恩恵を感じない水準である。
女性就業率を引き上げた方が遥かに経済効果(50兆円超とされている)が大きい。
また、財務省も厚労省も「ヒラメ」で公文書の捏造・改竄を行っていた訳だから、
TPP11の試算も「安倍に媚び諂って過大な数値を出した」可能性がかなりある。
そうなるとただでさえ乏しい効果が更にショボい結果に終わることとなろう。
▽ 米調査会社のリサーチでは、アメリカの高卒白人の所得が約20年で9%も減っている
『週刊東洋経済』2016年11/19号 (そのメディアにお金を払いますか?) | |
クリントン政権の労働長官だったロバート・ライシュ氏は、
程度の低い安倍や麻生と違って自由貿易協定の害を明確に指摘している。
「1960~1970年代に合意した貿易協定は、世界のアメリカ製品への需要を飛躍的に増やし、アメリカ国内の労働者に支払われる賃金も上がった。しかし今の貿易協定は、アメリカ製品への需要を高めることは同じでも、企業や金融機関の利益を膨らませるばかりで国内労働者の賃金は上がらず、低いままだ」
「アップルのiPhoneは日本やシンガポールをはじめとするアメリカ以外の国や地域で生産した部品を中国で組み立てている。iPhoneに関して唯一アメリカ製といえるのは、カリフォルニアの一握りのエンジニアやマネジャーが開発したデザインや仕様ぐらいだ。その上アップルは利益のほとんど海外に蓄えている。アメリカでの課税を逃れれるためだ」
「近年の「貿易」協定は、大企業やウォール街の金融機関、その経営陣や大株主には巨額の利益をもたらした。なぜなら彼らは、新しく開かれた海外の市場や消費者に直接アクセスできる利点があるからだ。特許権や商標権、著作権といった知的財産権の保護でトクをするのも、海外に工場や設備、金融資産を多く保有する大企業や金融機関だ。世界のGDPの40%を占める巨大な貿易協定である環太平洋自由貿易協定(TPP)を、大企業やウォール街が熱烈に支持するのはそのためだ。TPPによって、大企業はさらに手厚い知的所有権の保護を受けることができるし、企業活動の障壁となるような法制度があれば、それが医療や安全、環境に関わることであっても、異議を申し立てることができる(ISD条項)。だが大多数のアメリカ人にとってここから得るものはほとんどない」
「経済が成長しても、そのほとんどは上位1%の富裕層のものになる。残りの99%は以前より安くモノを買えるようになるとはいっても、その分は賃金の低下で相殺されてしまう。TPPで全体のパイは大きくなるから、理論上は、1%の勝ち組は負け組が被った損失を全て埋め合わせてまだ手元に利益が残るはずだ。だが現実には、勝ち組が負け組のために損失の穴埋めをすることはない」
「私自身はこれまで、ウォール街や大企業が巧みに影響力を振りかざすのを間近で見てきた。その代表が、ロビー活動や選挙への献金、会社での地位を与えるとほのめかすこともあった。TTPのようなグローバルな貿易協定は、ウォール街の金融機関や大企業の利益を押し上げ上位1%の富裕層を一層富ませるだろう。そしてアメリカの中間所得層の凋落は続く」
ライシュ氏は真のエリートであるが、
安倍や麻生はその足下にも及ばない偽者である。
▽ 安倍政権は国民に隠してアメリカと密約を結び、甘利はフロマンに大幅譲歩して国益を毀損した
『亡国の密約 TPPはなぜ歪められたのか』(山田優/石井勇人,新潮社) | |
当ウェブログが以前から警告してきた通りであり、麻生は大臣どころか議員としても失格だ。
「民主党政権持代にTPPを「平成の開国」と騒いだメディア・論者は、
アメリカの走狗に過ぎなかったか、単に「踊らされた」ことが明白になってきた」
「TPP交渉は日本のためのものではなく、
政治力の強いアメリカ企業や大規模生産者のためのものである」
「TPPが纏まらない原因がかなりのところ強硬な米の圧力団体にあり、
日本だけでなく他の国もアメリカと利害が対立しており
ずるずると交渉が長引いて妥協の山になりそうな情勢が見えてきたからだ」
「USTRは強い態度で米企業の利害を代弁している。
その非妥協的な態度のため、妥結はどんどん遠ざかるであろう」
「これでただでさえショボい経済効果が更に縮小するのは確実。
喜ぶのが輸出企業と安い輸入食品で稼ぎたい内需企業ばかりである実態が
益々明らかになり、欺かれたと知り怒る日本国民が加速度的に増えている」
「TPPを「平成の開国」などと偽ったメディアや論者は
重大な「誤報」の責任を取って謝罪すべきであろう」
「日本より遥かにFTAに積極的だった韓国は、
周知のように成長率が鈍化し苦境に陥っている」
「レントシーカーやその手先が必死に韓国の真似をするのは見苦しい。
日本は韓国より内需に依存する比率が大幅に高いので、
韓国より更に小さい、砂粒のような効果しか望めない」
「当ウェブログは、RCEPの仕組み構築を先行させることによって
交渉力を高めよと主張してきたが、現政権にはそうした用意すらなく、
「大して効果がない妥協」か「国内で不満が強まる妥協」のいずれかで終わるだろう」
「事実問題として、NAFTAでアメリカは寧ろ雇用を減らしている。
また輸出依存度の高い韓国ですら効果は限定的だったのだから、
TPP程度の関税同盟で日本のような内需比率の高い国に劇的な影響があると
妄信する方が頭がおかしい。対内投資の増加の方がまだましだ」
「TPPが「平成の開国」などと法螺を吹いた論者やメディアは、
米議会で今、どのような議論がなされているか
しっかりと目を見開いて見るがいい」
「金権政治のアメリカですら、TPPと枠組みがよく似たNAFTAにより
大企業は大いに儲かっても労働者や一般国民への恩恵が
悲しい程に貧相だった事実が誰の目にも明らかで、
大企業からたっぷり献金を貰ったオバマが必死に旗を振っても
労組系議員を中心としてTPPへの抵抗が強まっている」
「おまけに元米高官から「アジア版NATO」などと
(つまり、親米アジア国の経済圏の形成が主目的だという訳だ)
日本経済にとっての恩恵が限定的であると示唆する発言が
アメリカ側から出てくる始末である」
「NAFTAで雇用も所得も大して増えなかったという厳然たる事実も知らず、
(寧ろ米国の中低所得層は実質賃金が低下傾向である)
米企業の儲けのために推進されたTPPが
日本経済のためになるかのように大嘘をついた
日本の衆愚論者や頭脳停止メディアの罪は重い」
「また、日本の経済団体がTPPを支持するのは
自社の収益のためであり、国益のためではない。
アベノミクスの2年間で企業収益と国民所得がディカップリングしている事実を見れば明白だ」
「日本のメディアはなぜ報じないのか理解できないが、
米大統領選で既にはっきり分かったことがある。
「TPPは既に死んだ」ということである」
「民主党のリベラル・ポピュリストであるサンダースが反TPPであるだけでなく、
風見鶏のクリントンも世論の風当たりを読んでTPP懐疑派に転じた。
また、伝統的に富裕層・大企業寄りの政策を行う共和党でも、
トップを走るトランプ候補はTPP反対を明言している」
「つまり、賃金が上がらない米国民はTPPへの敵意を強めており、
それを敏感に察した次期大統領候補は反TPP姿勢を強めざるを得ないのだ。
だからTPPが空中分解するのはもはや確定事項である。
いまだにTPPを支持している日本のガラパゴス・メディアも痛撃を受ける」
「米国民が貿易協定に敵意を強めるのは、NAFTAでの苦い経験があるからだ。
米企業はNAFTAで儲かったが米国の雇用は増えず、賃金も停滞している。
富裕層や大企業の手先がいかに口先で騙そうとしても、恩恵を実感できないのが実態である」
「クリントン政権の閣僚だったロバート・ライシュがニューズウィークに寄稿し、
「TPPは上位1%のためのもの」として富裕層と大企業、ウォール街が
ロビー活動と政治献金によって政策を操り、自分達だけ儲けていると指摘している。
(これは日本も酷似した状況にあり、自民党政権と財界との関係がまさにそうである)」
「事実、富国生命の市岡繁男氏はアメリカの中高年白人の死亡率が上昇していること、
その殆どが米企業の生産拠点の海外移転で職を失った中・高卒の労働者であり、
所得格差が拡大して中高年男性の自殺・薬物中毒死・アルコール中毒死・肝炎での死亡が急増、
深刻な事態になっていることを報告している」
「また、リーマンショック後の米国では所得下位90%の賃金の回復が鈍く、
いまだにリーマン前の水準を回復していないこと、
実は1980年代から米国の下位90%の賃金が上がっていないことが明らかになっている」
「米大統領選を見る限りTPPは「死んだ」と言える。
共和党支持でも民主党支持でも過半数が貿易協定で「雇用が奪われている」としているから、
米国民の憎しみを受けたTPPは事実上「終わって」いる」
「安倍政権は、太平洋戦争時の軍部と同じような粉飾された数値で
国民を騙そうとしている。そしてアメリカと同じ失敗に終わるであろう。
学習能力が根本的に欠けているから、当然の末路である」
「必死に隠してきたTPP交渉の裏面がかなりの部分明らかになってきて、
功を焦る日本側甘利代表(当時)が譲歩して妥結させたというみっともない実態が
発覚しつつあるにも関わらず、しかも米国民も米議会も反対しているにも関わらず、
満身創痍のTPPを推進し続けるのは流石は「次元の低い」政権らしいところだ」
「経済団体から政治献金をたっぷり受け取っているからその意向に逆らえない。
いつもながらカネの力に勝てない、利権癒着を断ち切れない病気なのだ」
「NAFTAで雇用が増えなかったため米国民は怒ってTPPに反対、
大統領候補もTPP反対を唱えざるを得ない情勢である」
「一方、米議会の多数派を占める共和党は経済界の利益を代弁して
「もっと米企業が稼げるようにしなければTPP反対」である」
「もし利に敏いクリントンが選挙後にTPP推進に転じるとしても、
米国民と米議会多数派が正反対の理由でTPPを批判しているのだから、TPPに未来はない」
「以下の当ウェブログの主張も事実で立証されるであろう」とも書いたが、
安倍政権下の低成長を見ると矢張りこれらの指摘も正しいと思われる。
○TPPの経済効果は同一期間の省エネ関連市場の成長規模とさほど変わらない
(しかもTPPは多額の農業補助金の積み増しが必要になる)
○TPPの経済効果は再生可能エネルギー市場の成長にさえ負ける可能性がある
○TPPの経済効果は女性就業率向上の経済効果に大きく劣る
(5倍~10倍に達する圧倒的大差で敗北)
○TPPの関税引き下げ効果は対欧FTAに大きく劣る
○TPPの域内人口・経済規模はRCEPに大きく劣る
○後発のRCEPの方が主導権を取れるチャンスが多く、中国の牽制も可能
安倍や麻生が政権に居座っている限り、日本経済の低迷は確実に続く。
できるのはせいぜい、公費で株価を上げて株主だけ富ませる腐敗政策が関の山だ。
▽ TPPは米企業が儲けるためのものである上に、RCEPより経済効果において大きく劣る
『食の戦争 米国の罠に落ちる日本』(鈴木宣弘,文藝春秋) | |
安倍政権はトランプに尻尾を振って媚び諂うだけでなく、愚かな利益誘導政策で国益を毀損し続けている。
「予言者エマニュエル・トッドは先進国の反グローバル化の動きを捉え、
エリートが自国民を無視して溝が生まれているのだと捉えている」
「そうした鈍重な「エリート」の典型例が安倍政権の二世閣僚達であり、
英国民投票や米大統領選に顕著に示された海外情勢の変化を察知できず
今もTPP推進論をやめない日本の「ガラパゴス」論者である」
「事実、EUには移民や難民受け入れを巡って大きな亀裂が入り、
TPPを言い出した当事者であるアメリカでTPP反対論が強まっている」
「「米国民と米議会多数派が正反対の理由でTPPを批判しているのだから、TPPに未来はない」
と当ウェブログが予言した通りだが、海外報道に注意を払っていればごく当然の結論である。
先を見る力がなくまだTPPに固執する議員は税金にたかるシロアリでしかないから即刻辞任すべきだ」
「欧州では、大した影響が出ない筈の対カナダ貿易協定でも
ごたごたが続いて締結に苦労している。
欧米とも「貿易協定は一部の層の利権でしかない」という現実が見えてきて、
口だけのエスタブリッシュに不満が強まってきているのである」
「しかもそうした先進国の情勢に気付かず苔の生えた古い政策しか出せない安倍首相は、
「日本がTPPを主導する」という白昼夢に等しいうわ言を口走っているばかりか、
「日本は人口が減る。社会保障を維持していくためには経済を成長させていく、自由貿易が決定的に必要だ」
などと相変わらず無責任な言辞を繰り返しており、反省のかけらもない。
そもそも正しい認識が決定的に欠けているのだから哀れむべきことであるが」
「日本の人口減少と経済低迷の「A級戦犯」は第一次安倍政権を含めた歴代自民党政権であり、
実質賃金がリーマンショック時より低下しているのは誰が見ても安倍政権の失政である。
おまけにショボい効果しかないTPPに、情勢の急速悪化にも関わらず固執している始末だ」
と当ウェブログが予見した通りであり、安倍や麻生のような劣化二世が跋扈する限り日本は衰退する。
↓ 参考
トランプに粉砕された安倍発言、「日本がTPP主導」の空疎さ - 欧州でも貿易協定に反発強まる
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/9a5e53d56ad775304c5716278522b225
「TPPの恩恵は富裕層に、99%の国民は賃金が低下する」- ライシュが明言、米国民の反TPPも鮮明
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/d9d9047e2205899b5d8052d9223128b8
米の強欲で停滞するTPP交渉、誰のためのものかは明白 -「TPP妥結で対日輸出急増」と皮算用
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/62994c5acb70cd357d60965f50629eba
読売新聞も認めた貧相なTPP効果、たったGDP0.05%増 - 女性就労率引き上げの10分の1以下
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/4d9cb2bac4667c0d71c6a628b1f26c60
↓ 大国インドも含まれるRCEPの域内人口は34億人で、ショボいTPPを遥かに上回る
「東南アジアで現地市場が拡大」「円高修正でも海外重視」- 経済効果ならショボいTPPよりRCEPだ
http://blog.goo.ne.jp/fleury1929/e/1721bcc22dec3f25141db7cc1eb40836
▽ 自由貿易のイギリスよりも保護貿易のアメリカの方が成長率は高かった、これが厳然たる史実
『TPP 知財戦争の始まり』(渡辺惣樹,草思社) | |
麻生氏「新聞には1行も…」は事実? TPP11署名(朝日新聞)
https://www.asahi.com/articles/ASL3Y4SFTL3YUTFK00V.html
”麻生太郎財務相は29日の参院財政金融委員会で、米国を除く11カ国による環太平洋経済連携協定(TPP11)が署名されたことについて「日本の新聞には1行も載っていなかった」などと述べたが、事実とは異なっている。
参院会派「国民の声」の藤末健三氏の質問に答えた。麻生氏はTPP11について「日本の指導力で、間違いなく、締結された」と説明した上で、「茂木大臣が0泊4日でペルー往復しておりましたけど、日本の新聞には1行も載っていなかった」と発言。さらに「日本の新聞のレベルというのはこんなもんだなと」「みんな森友の方がTPP11より重大だと考えている」とメディアを批判した。
しかし、TPP11はまだ締結されていない。国会で協定が承認され、関連の手続きを終え、協定寄託国であるニュージーランドに通知した時点で「締結」になる。また茂木敏充経済再生担当相が出席した署名式の開催地はペルーではなく、チリの首都サンティアゴ。署名式は8日午後(日本時間9日未明)に開かれ、朝日新聞、毎日新聞、読売新聞などが9日付夕刊、翌10日付朝刊で報じた。
ただ、財務省が森友学園との国有地取引に関する決裁文書を改ざんした問題で、改ざん当時に同省理財局長だった佐川宣寿氏が9日夜に国税庁長官を辞任した。その結果、翌10日付朝刊はTPP11よりも佐川氏辞任の方が大きく報じられた。
〔中略〕
■参院財政金融委員会でのやりとり
国民の声・藤末健三氏 私、TPPが非常に大きな起爆剤ではないかと。韓国もTPP入りを検討を始めていますので、おそらく日韓との関係においてはTPP、そして中国との関係においてはTPPプラスRCEPのような考え方で、ぜひ進めていただきたいと思います。おそらくアメリカとのバランスをとる上でも、中国と韓国との間の経済連携協定を進めるということをしていただきたいし(中略)外交的にはなかなか表だってできるものではないとは思いますけれど、一帯一路について、日中間の協力はあり得ると思いますので、民間ベースで。そういうことも含めて、ぜひお考えをお聞かせいただいてよろしいでしょうか。
麻生太郎財務相 おっしゃる通りに、この日韓関係の話に関連していくんだと思いますが、今、TPP11というのは、これは、日本の指導力で、間違いなく、締結された。この間、茂木大臣、0泊4日でペルー往復しておりましたけど、日本の新聞には1行も載っていなかったですもんね。まあ、本人としては、はなはだ憤懣(ふんまん)やるかたなかったろうと思いますけれども、まあ、日本の新聞のレベルというはこんなもんだなと思って、経済部のやつにボロカス言った記憶がありますけれども。みんな森友の方がTPP11より重大だと考えているのが、日本の新聞のレベル。政治部ならともかく、経済部までこれかとおちょくり倒した記憶がありますけれども。これはものすごく、私、大きかった条約締結の一つだと思っておりますが、少なくとも、これがまとまるとわかって以降、少なくとも習近平という人の口から春節、春のお盆じゃなかった、春のお祭り。あの日以来、春の春節って言うんですかね。あれ以来、習近平の口から一帯一路という言葉が出たことはないんじゃないですかね。聞いた人、いないと思いますよ。あれ以来、一回も出ていませんから。かなりTPP11というのは、大きかったのかなと思わないでもないですけど。いずれにしても、出ていないという現状。一帯一路どころか、今、あちこち、そんなところじゃなくなってきているのかなと思わないでもありませんけれども、いろんな話で、私どもとしては、こういった状況の変化に応じて、外交的、経済的にもいろんな対応を柔軟な目で見ていかなければいかんと思っております。”
この「日本の指導力」というみっともない自画自賛が安倍政権の特徴で、
通貨切り下げで国民を貧しくし、海外経済の好調で恩恵を受けても
まるで自分達が手柄をあげたかのように自慢する醜悪な自己中心主義の発露しかなく、
謙虚さという日本人の美徳のカケラもない連中である。
GDP:TPPや日欧EPAで押し上げ効果13兆円 政府(毎日新聞)
http://mainichi.jp/articles/20171222/k00/00m/020/065000c.html
”政府は21日、米国を除く環太平洋パートナーシップ協定(TPP11)と、日本と欧州連合(EU)の経済連携協定(EPA)の発効により、合算すると日本の実質国内総生産(GDP)を約13兆円押し上げるとの試算を公表した。経済成長に伴い将来的に約76万人の雇用が生まれるとした。
〔中略〕
政府が2015年に公表した米国を含む12カ国のTPPの影響試算と同じ手法を用いた。関税撤廃のほか、投資やサービスの規制緩和により貿易や投資が拡大することで、雇用や賃金が増えることを想定。試算結果によると、協定が発効しなかった場合と比べ、GDP押し上げ効果はTPP11で約1.49%、日欧EPAで約0.99%となった。16年度のGDPで換算するとそれぞれ約8兆円、約5兆円に相当する。政府はいずれも19年早期の発効を目指しているが、経済効果が全て表れるのは協定発効から10~20年後という。
15年の政府試算では、米国を含むTPPの経済効果として、日本のGDPは約14兆円(約2.6%)引き上げられ、雇用は約80万人増えるとしていた。12カ国のGDPの約65%を占める米国が離脱したことで、TPP11の経済効果は4割強減少した。ただしベトナムやマレーシアなど途上国が貿易・投資の自由化をする効果が大きく、経済規模の割合ほど米国離脱の影響は出なかった。
一方、農林水産物への影響では、安価な輸入品との競合による国産品の値下がりで国内生産額はTPP11で約900億~1500億円、日欧EPAで約600億~1100億円減少すると見込んだ。だが政府のTPP関連政策大綱に基づく支援策により、国内生産量や生産者の所得は維持されるとしている。【中井正裕】”
試算の内容は、官庁が精一杯積み上げたという印象だ。
なぜ韓国やメキシコが自由貿易協定を締結した後に成長率低下に陥ったか、
ドグマに囚われず真剣に考察する暇も気力もなかったのだろうか。
(例え真剣に考察したとしても、安倍の「報復」を受けた前川氏の二の舞を避け隠蔽だろうが)
日欧EPA+TPP11の経済効果13兆円、雇用75万人 米国の離脱カバー(sankeibiz)
https://www.sankeibiz.jp/macro/news/171222/mca1712220500001-n1.htm
”政府は21日、欧州連合(EU)との経済連携協定(EPA)と米国を除く11カ国の新たな環太平洋戦略的経済連携協定(TPP)の発効により、実質国内総生産(GDP)をそれぞれ0.99%(5兆2千億円)、1.49%(7兆8千億円)押し上げる効果があるとの試算を公表した。
〔中略〕
茂木敏充経済再生担当相は同日の記者会見で「(日欧EPAとTPP11は)アベノミクスのエンジンとしてわが国経済を力強く牽引(けんいん)するものだ」と強調した。
平成28年度のGDPをもとに見積もった試算では、関税の引き下げや貿易手続きの簡素化などで輸出入が増え、企業の生産性が向上すると想定。賃金が上昇することで日欧EPAで29万2千人、TPP11で46万人の合わせて75万2千人の新規雇用を創出し、個人消費の拡大にも寄与する。
政府は米国を含む12カ国のTPP発効でGDPが2.59%(13兆6千億円)押し上げられると試算していた。米国離脱を受けTPP単体では効果が4割減少するが、日欧と合わせれば打撃をカバーできる計算だ。
一方、国内の農林水産業は安価な輸入品が増加する影響で生産額が日欧EPAで600億~1100億円、TPP11で900億~1500億円減少する。
ただ、政府は11月にまとめた国内対策に基づき農業の体質強化や経営安定化が進むため、「農家の所得は引き続き確保され、国内生産量も維持される」(農林水産省)と説明している。”
日本の実質賃金を大幅に減らした安倍政権の閣僚が称する「アベノミクスのエンジン」を
そのまま書いてしまい、年当たりの効果の乏しさを書かないフジサンケイGは流石である。
さぞ官邸は上機嫌で、赤坂あたりで社の人間が(官房機密費で?)御馳走されるだろうよ。
NAFTA再交渉開始、米国「微修正では済まない」とけん制(産経新聞)
https://jp.reuters.com/article/nafta-lighthizer-idJPKCN1AX047
”米通商代表部(USTR)のライトハイザー代表は16日、カナダ、メキシコとの北米自由貿易協定(NAFTA)の再交渉開始に当たり、トランプ政権が「単なる微修正」で納得することはないと強調、両国に大幅な譲歩を求める姿勢を鮮明にした。
同代表は「多くの米国人にとってNAFTAは期待外れだった。大幅な改善が必要だとわれわれは感じている」と表明。1994年の発効以降、米製造業で70万人の雇用喪失の引き金となったと主張した。
そのうえで、域内で生産された部品をどの程度使えば完成品の関税をゼロにするかを定める「原産地規則」の基準の厳格化や米国産自動車部品の調達率引き上げを要求すると述べた。
また、紛争解決手続きについても「われわれの国家主権を尊重する必要がある」と述べ、カナダ、メキシコ両国に対する反ダンピング(不当廉売)課税の拡大を可能にする方向での変更を求める考えを示唆した。
カナダのフリーランド外相は今週、「第19条」が規定する二国間パネルによる紛争解決メカニズムについて、米国が同規定の撤廃を推し進めた場合、交渉離脱も辞さない意向を示唆している。
〔中略〕
メキシコのグアハルド経済相は、NAFTAは3カ国間の貿易を拡大する形で現代化する必要があると指摘。「全ての参加国が意義を認められなければ協定とは言えない」とした。
その後の記者会見では、3カ国の溝を埋める取り組みに着手するのは「時期尚早」との見方を示した。
再交渉の初会合は20日まで米首都ワシントンで開かれ、3カ国の提案と要求を整理することに主眼が置かれる見込み。”
これはアメリカ企業の強欲から出た言葉であるが、
自由貿易協定で雇用が減るという事実を認めた点では参考になる。
内弁慶でメディア批判ばかりしている麻生は、アメリカに対しては殆ど吠えないのだ。
いかにもポチ政権らしい権力崇拝主義で、TPPの件もメディアに圧力をかけて
自分達に都合の良い報道をさせようと図るさもしい根性が隠し切れないと言えよう。