英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

北京五輪のベストゲーム④-福原愛戦との違い-

2008-11-13 12:35:40 | スポーツ
『北京五輪のベストゲーム③』
『北京五輪のベストゲーム②』
『北京五輪のベストゲーム』の続きです。

 このゲームも、張怡寧が3ポイント先取。この後、時々すごいラリーを展開するが、割と単発的なプレーが多い。大接戦だった第3ゲームの反動があるのかもしれない。ただ、その流れを継いで、張怡寧がゲームを支配、ラリーにおいても、前後左右にフォンを揺さぶるシーンが多く、6-2と張怡寧がリードを奪う。

 ここ数プレー、フォンが押され気味とは言え、この二人のラリーはすごい。テンポの速さはもちろんだが、その密度がすごい。
 この準々決勝の前の4回戦で、福原愛が張怡寧と対戦している。1、2セットは一方的だったが、その後、福原も持ち直し、セットを奪う健闘を見せた。結局、1-4で敗れたが、福原も世界チャンピオンと互角で打ち合ったという印象が残った。
 ところが、このフォン戦を見ると、それが誤りであったように思える。福原は張怡寧戦を振り返って、次のように語っている。

「おもしろかった。今まで経験したことのない感覚を味わえた。打っても打っても返ってくる。これで決まりと思って打っても返ってくる。こんな経験は今までなく、その体験したことのない感覚の中でラリーをする。おもしろかった。張怡寧さんの球は鋭いけれど、球筋が素直なので打ちやすい。私の力を引き出してくれた」

 表現は正確ではないけれどこのような意味だったと思う。
 しかし、この準々決勝、そんな生易しいものではない。1球1球、その球筋やコースや回転やテンポを変え、1球たりとも気を抜けない。それがものすごくハイピッチのラリーの中でなされている。
 思えば、福原がラリーを制し、得点でも張怡寧を追いつめた時、張怡寧がタイムアウトを取った。この時、もう一段階、プレーのレベルを上げるかどうかを相談したのだろう。今後の準々決勝以後のことを考えると、なるべく、手の内をさらしたくないのだろう。そのレベルの調整を相談していたのではないだろうか。


 さて、ゲームに戻ろう。2-6とリードされたが、そのくらいではフォンはめげない。鋭いサーブからフォアのコンビネーション。1球ごとに張怡寧を台から遠ざけ、3球目は角度をつけたフォアのスマッシュを叩き込む。
 続くサーブも、3球攻撃を決め、4-6。
 これに対し張怡寧も強気でフォア攻撃を決め、フォンも反撃し返す。互いに自分のサーブをキープし8-6で張怡寧のサーブ。
 フォンもバックハンドで鋭く返し、戻ってきた球を身体を開いて思い切りフォアで打ち込む。これを張怡寧がのけぞりながらバックで返す。浮いた球を今度はストレートに強打。これに対し張怡寧、手を伸ばし手首を返して合わせる。クロスに返された球は、見事なカウンターとなってフォンの遠くフォア側に突き刺さった。9-6。
 続く張怡寧のサーブをフォンがレシーブミス。これで10-6、張怡寧がゲームポイントを握る。

 ここでフォンが踏ん張る。サーブを2本キープして10-8。ラリーで競り勝ったのと、張怡寧の4球目のミスによるもの。
 張怡寧のサーブ。ここで決めたいところだ。しかし、5球目をミス。10-9。さすがに悔しそうな表情を見せる。
 まだ張怡寧のサーブ。しかし、ここで張怡寧の焦りを露見させるミスが出る。一旦サーブの構えに入ったにもかかわらず、それを解いて、足の構えを逆にして別のサーブの構えに入ったのだ。イエローカードが張怡寧に出される。(もう一度、イエローカードで1ポイントのペナルティとなる。
 張怡寧、気を取り直して、サーブ。ここで、バックの早いラリーとなる。張怡寧は時折フォアを織り交ぜるが、フォンもこれに対応。張怡寧の5本目のフォアハンドがオーバー、実に18往復目(35球目)の打ち合いだった。10-10、またしてもデュースに突入!
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