『北京五輪のベストゲーム②』
『北京五輪のベストゲーム』の続きです。
第3ゲーム。フォンが2本続けてレシーブミス。張怡寧がサーブを変えてきた。回転の種類を変え、しかもワンバンド後、鋭く伸びてくるサーブ。ものすごく切れている。フォンがこれに対応できなかったのだ。
続くプレーもミスし、三度3-0と張怡寧がリード。しかし、次の激しいラリーをフォンが競り勝つ。このラリーは、フォンが張怡寧を左右に振り、プレーを支配していた。次のラリーもフォンが制し、2-3。
この後、サーブでポイントを上げる張怡寧。ラリーを制するフォンと、一進一退の攻防が続く。
張怡寧の4-3。ここでまた激しいラリー。ここ数プレー、ラリーではフォンに押されていた張怡寧だが、フォンのフォアの逃げていく強打を身体を伸ばして合わせる。これが強烈なカウンターとなり、フォンも返しきれない。
5-3で、張怡寧のサーブ。今まで有効だったサーブに2本ともフォンが対応し、フォンの強打が炸裂。フォンも踏みとどまる。5-5。
張怡寧も負けてはいない。フォンペースかと思われたラリーをいきなり強打を打ち込む。6-5。負けじとサーブの返球が浮いたところを、フォンが張怡寧の正面に強打。6-6。
張怡寧、バックハンドサーブに切り替える。張怡寧ペースのラリーだったが、強打で返すフォンのペースになっていく。最後はフォンのバックハンドが張怡寧のバックを厳しく突いて、フォンのポイント。ついに、7-6とフォンがリード。
張怡寧のサーブにフォンのレシーブが浮き、絶好の3球攻撃のチャンス。鋭く、フォアでスマッシュするが、フォンがうまく切り返し、カウンターとなる。張怡寧、これを返せず、8-6とフォン、2点のリード。
「ちょっと、見ているわれわれもどきどきしてきました」と実況。点数以上にフォンの強さを感じての言葉であろう。会場の張怡寧への声援も一段と大きくなった。
フォンのサーブ。ここで、張怡寧が勝負をかける。身体を開いて、思い切り強打。虚を突かれたか、フォンがこれをミス。8-7。まだフォンのリード。
ここで、フォンが作戦タイム。卓球においては、一試合に一度だけ作戦タイム(1分間)が取れる。ここが勝負どころと見ているのだ。
「張怡寧の調子が悪いのではなく、フォン選手のプレーがいいです。バック対バックは耐えておいて、張怡寧がフォアで勝負をかけるのを逆に狙い打ちして、フォアで切り替えしている」と言う解説者。
フォンのサーブ。バックの打ち合いから、張怡寧がフォアで仕掛ける。バックで返すフォンに、張怡寧、再びフォアで返す。しかし、今度はストレートに返球。これをフォンがミス。8-8。
最後のフォアに、張怡寧、異変を感じ、ボールを指差す。チェックするフォン。ボールが割れたようだ。
張怡寧、このゲーム最初有効だったサーブに戻すが、うまく返され、5球目のバックハンドがネット。9-8、フォンがリード。
張怡寧のサーブ。短い球の応酬。しかし、ここで、張怡寧が何と空振り!10-8、フォンがゲームポイント。張怡寧、空振りだけに、流れが悪い。しかし、ほとんど表情を変えない。これは大チャンスを迎えたフォンも同様。とにかく、二人ともポーカーフェイスだ。というより、プレーに集中していると言った方が良い。《次にどのサーブを出すか》とか《あのサーブだった場合、どのように返球するか》といったことしか頭にないようだ。
フォンのサーブ。3球目、バックで強打し、速いラリーに。3往復目の球を、フォンがオーバーし、10-9。
依然、ゲームポイントのフォンのサーブ。3球目、回り込んでフォアのカット。これにバックで返す張怡寧。やや浮いた返球。フォンはバックハンドで厳しく張怡寧のバックを攻める。しかし、サイドに流れすぎ、アウト。さすがに天を仰ぐフォン。大きなチャンスだったようだ。ちょっと意識したようだ。10-10となり、場内大歓声。
ゲームカウント1-1、10-10のデュース。まさに勝負所。張怡寧のバックサーブ。フォン、すくうようにレシーブ。張怡寧、身体を開いてフォアハンドで振りぬく。フォン、バックで返し、ここから3回(6球)バックのラリー。一転、フォンがフォアの強打。張怡寧、フォアで合わせる。ここから、またバックのラリーが続く。この間、張怡寧はフォンのセンターとバックを交互にコースを変える。フォンは、これを返し、5度目には、逆に張怡寧のバックギリギリに返球。これに、張怡寧も反応し、身体を移動させバックで返す(張怡寧の身体はかなり卓球台から振られる)。この返球を、フォンは張怡寧のフォア側にバックの強打。飛びつくように返す張怡寧。その返球を再び張怡寧のバックに強打を打ち込む。よく拾った張怡寧だが、球はセンターに。身体を開いて待ち構えるフォン。渾身の力を込めて、張怡寧のフォア側に打ち抜く!決まったと思った。何しろ、4球続けて、左右に振られ、渾身のフォンのスマッシュだ。
しかし、張怡寧、身体を伸ばし、これを返す!《これも返すのか?すごい》。しかし、チャンスボール。もう一度と振りぬくフォン。だが、これがネット。前の球で決まったという思いがあったのだろう。ミスだ。後ろからしかカメラが捕らえていないが、フォンは呆然としている様子。
場内は割れんばかりの大歓声。私も興奮。
人はここまで早く反応できるのか?信じられない!
ゲームは続く。
気を取り直して、フォンのサーブ。これを張怡寧がアウト。ミス!11-11。
張怡寧のサーブ、短い球の応酬のあと、フォンが張怡寧のバックに流し、これを張怡寧が返す。これをフォンが身体を開いて強打。これを張怡寧がバックで返球。これをフォンがバックでストレートに返そうとするが、サイドに流れ、アウト。
フォンのサーブ。バックのラリーが8回続く。どちらが仕掛けるか?仕掛けたのはフォン。回り込んで、フォアの強打。読んでいたはずの張怡寧だが、フォンの強打がそれを上回った。コースも張怡寧のバックギリギリだった。12-12。熱戦は終わらない。
張怡寧のバックのサーブ。ラリーが続くが、張怡寧が支配。コースを小刻みに変える。これにフォンもよく対応し、逆に押し始める。張怡寧もしつこく受け続け、結局フォンがミス。13-12、張怡寧がゲームポイント。
ここで、今度は張怡寧がタイムアウト。このゲームが勝負の分かれ目と考えている。
フォンのサーブ。バックのラリーが続く。2度、フォンがフォアハンドに切り替えるが、張怡寧は動じない。10回目(20球目)、フォンの球が大きくオーバーし、ついに、このゲーム、張怡寧が取った。
『北京五輪のベストゲーム』の続きです。
第3ゲーム。フォンが2本続けてレシーブミス。張怡寧がサーブを変えてきた。回転の種類を変え、しかもワンバンド後、鋭く伸びてくるサーブ。ものすごく切れている。フォンがこれに対応できなかったのだ。
続くプレーもミスし、三度3-0と張怡寧がリード。しかし、次の激しいラリーをフォンが競り勝つ。このラリーは、フォンが張怡寧を左右に振り、プレーを支配していた。次のラリーもフォンが制し、2-3。
この後、サーブでポイントを上げる張怡寧。ラリーを制するフォンと、一進一退の攻防が続く。
張怡寧の4-3。ここでまた激しいラリー。ここ数プレー、ラリーではフォンに押されていた張怡寧だが、フォンのフォアの逃げていく強打を身体を伸ばして合わせる。これが強烈なカウンターとなり、フォンも返しきれない。
5-3で、張怡寧のサーブ。今まで有効だったサーブに2本ともフォンが対応し、フォンの強打が炸裂。フォンも踏みとどまる。5-5。
張怡寧も負けてはいない。フォンペースかと思われたラリーをいきなり強打を打ち込む。6-5。負けじとサーブの返球が浮いたところを、フォンが張怡寧の正面に強打。6-6。
張怡寧、バックハンドサーブに切り替える。張怡寧ペースのラリーだったが、強打で返すフォンのペースになっていく。最後はフォンのバックハンドが張怡寧のバックを厳しく突いて、フォンのポイント。ついに、7-6とフォンがリード。
張怡寧のサーブにフォンのレシーブが浮き、絶好の3球攻撃のチャンス。鋭く、フォアでスマッシュするが、フォンがうまく切り返し、カウンターとなる。張怡寧、これを返せず、8-6とフォン、2点のリード。
「ちょっと、見ているわれわれもどきどきしてきました」と実況。点数以上にフォンの強さを感じての言葉であろう。会場の張怡寧への声援も一段と大きくなった。
フォンのサーブ。ここで、張怡寧が勝負をかける。身体を開いて、思い切り強打。虚を突かれたか、フォンがこれをミス。8-7。まだフォンのリード。
ここで、フォンが作戦タイム。卓球においては、一試合に一度だけ作戦タイム(1分間)が取れる。ここが勝負どころと見ているのだ。
「張怡寧の調子が悪いのではなく、フォン選手のプレーがいいです。バック対バックは耐えておいて、張怡寧がフォアで勝負をかけるのを逆に狙い打ちして、フォアで切り替えしている」と言う解説者。
フォンのサーブ。バックの打ち合いから、張怡寧がフォアで仕掛ける。バックで返すフォンに、張怡寧、再びフォアで返す。しかし、今度はストレートに返球。これをフォンがミス。8-8。
最後のフォアに、張怡寧、異変を感じ、ボールを指差す。チェックするフォン。ボールが割れたようだ。
張怡寧、このゲーム最初有効だったサーブに戻すが、うまく返され、5球目のバックハンドがネット。9-8、フォンがリード。
張怡寧のサーブ。短い球の応酬。しかし、ここで、張怡寧が何と空振り!10-8、フォンがゲームポイント。張怡寧、空振りだけに、流れが悪い。しかし、ほとんど表情を変えない。これは大チャンスを迎えたフォンも同様。とにかく、二人ともポーカーフェイスだ。というより、プレーに集中していると言った方が良い。《次にどのサーブを出すか》とか《あのサーブだった場合、どのように返球するか》といったことしか頭にないようだ。
フォンのサーブ。3球目、バックで強打し、速いラリーに。3往復目の球を、フォンがオーバーし、10-9。
依然、ゲームポイントのフォンのサーブ。3球目、回り込んでフォアのカット。これにバックで返す張怡寧。やや浮いた返球。フォンはバックハンドで厳しく張怡寧のバックを攻める。しかし、サイドに流れすぎ、アウト。さすがに天を仰ぐフォン。大きなチャンスだったようだ。ちょっと意識したようだ。10-10となり、場内大歓声。
ゲームカウント1-1、10-10のデュース。まさに勝負所。張怡寧のバックサーブ。フォン、すくうようにレシーブ。張怡寧、身体を開いてフォアハンドで振りぬく。フォン、バックで返し、ここから3回(6球)バックのラリー。一転、フォンがフォアの強打。張怡寧、フォアで合わせる。ここから、またバックのラリーが続く。この間、張怡寧はフォンのセンターとバックを交互にコースを変える。フォンは、これを返し、5度目には、逆に張怡寧のバックギリギリに返球。これに、張怡寧も反応し、身体を移動させバックで返す(張怡寧の身体はかなり卓球台から振られる)。この返球を、フォンは張怡寧のフォア側にバックの強打。飛びつくように返す張怡寧。その返球を再び張怡寧のバックに強打を打ち込む。よく拾った張怡寧だが、球はセンターに。身体を開いて待ち構えるフォン。渾身の力を込めて、張怡寧のフォア側に打ち抜く!決まったと思った。何しろ、4球続けて、左右に振られ、渾身のフォンのスマッシュだ。
しかし、張怡寧、身体を伸ばし、これを返す!《これも返すのか?すごい》。しかし、チャンスボール。もう一度と振りぬくフォン。だが、これがネット。前の球で決まったという思いがあったのだろう。ミスだ。後ろからしかカメラが捕らえていないが、フォンは呆然としている様子。
場内は割れんばかりの大歓声。私も興奮。
人はここまで早く反応できるのか?信じられない!
ゲームは続く。
気を取り直して、フォンのサーブ。これを張怡寧がアウト。ミス!11-11。
張怡寧のサーブ、短い球の応酬のあと、フォンが張怡寧のバックに流し、これを張怡寧が返す。これをフォンが身体を開いて強打。これを張怡寧がバックで返球。これをフォンがバックでストレートに返そうとするが、サイドに流れ、アウト。
フォンのサーブ。バックのラリーが8回続く。どちらが仕掛けるか?仕掛けたのはフォン。回り込んで、フォアの強打。読んでいたはずの張怡寧だが、フォンの強打がそれを上回った。コースも張怡寧のバックギリギリだった。12-12。熱戦は終わらない。
張怡寧のバックのサーブ。ラリーが続くが、張怡寧が支配。コースを小刻みに変える。これにフォンもよく対応し、逆に押し始める。張怡寧もしつこく受け続け、結局フォンがミス。13-12、張怡寧がゲームポイント。
ここで、今度は張怡寧がタイムアウト。このゲームが勝負の分かれ目と考えている。
フォンのサーブ。バックのラリーが続く。2度、フォンがフォアハンドに切り替えるが、張怡寧は動じない。10回目(20球目)、フォンの球が大きくオーバーし、ついに、このゲーム、張怡寧が取った。
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