英の放電日記

将棋、スポーツ、テレビ等、日々感じること。発信というより放電に近い戯言。

「フェンシング」(中田七段作詰将棋)の解答

2015-01-13 21:00:28 | 詰将棋
「フェンシング ……中田七段作詰将棋 『将棋世界』2014年10月号」の解答です。


 初形で▲1六歩は打ち歩詰の禁で、本作は「打ち歩詰の打開」が主題です。

 まず、目につくのが、▲2六桂の開き王手。


 これに対し、△1六に合駒をしてくれるのなら、▲1六同香で“シメシメ”なのですが、
 △1七桂(逃れ図)などで打ち歩詰は解消されません。


 うっかり1六に利かせて△1七金としてしまうと、

▲1六歩(受け間違い図)が打ち歩詰にならず(一旦、△1六同金とできる)、詰みとなります。

 となると、強力な馬を消すことで打ち歩詰の解消を図ります。
 ▲1四馬と捨ててみましょう。


 これに対し、△1四同玉と取ってくれると

 ▲2六桂の両王手がさく裂しますが……


 △1四同歩で、打ち歩詰は解消されないままです。


 今度は▲3七馬と捨ててみます。


 これには△3七と引が最善です。(理由は後述)

 この捨て方だと、1四に玉の退路ができ、ようやく▲1六歩が実現します。


 △1四玉には▲2六桂が気持ち良い手。


 これには△2六同ととするしかありませんが(この時、2手目が△3七と寄だと▲2六桂を取ることができず早く詰んでしまいます)、
 


 香の利きが通ったので、▲1五歩で玉の死命を制することができます。



 打ち歩詰を打開して打った歩を、突いて詰め上げる気持ち良い手順です。

詰手順……▲3七馬△同と引▲1六歩△1四玉▲2六桂△同と▲1五歩まで7手詰

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