昨日(「どうやらやる気がないらしい」)の続きを書くつもりはなかったのですが、昨日の森九段、加藤九段の将棋を観て、書かずにはいられませんでした。
(関連記事 「淡白な投了」(2月11日記事))
昨日の記事の表記では、大平五段の指し方を判断するにはデータ不足と思われるので、今期の終局時刻と消費時間を手数を挙げておきます。
終局時刻15時23分。消費時間は▲大平1時間56分、△小林2時間1分、74手(詰状態)●
終局時刻19時11分。消費時間は▲桐山5時間32分、△大平1時間15分、106手、○
終局時刻20時50分。消費時間は▲大平3時間38分、△高野4時間36分、119手、○
終局時刻23時22分。消費時間は▲高崎5時間59分、△大平4時間22分、140手(熱戦)、○
終局時刻21時20分。消費時間は▲大平3時間38分、△村山5時間16分、100手(受けなし状態)●
終局時刻23時32分。消費時間は▲浦野5時間58分、△大平4時間16分、209手(詰状態、大熱戦)●
終局時刻20時25分。消費時間は▲塚田5時間47分、△大平2時間24分、73手(詰状態)●
終局時刻16時50分。消費時間は▲大平1時間3分、△佐々木4時間18分、88手、●
終局時刻17時36分。消費時間は▲宮田5時間13分、△大平59分、67手、●
終局時刻16時46分。消費時間は▲大平2時間10分、△稲葉3時間10分、72手、●
1局目は横歩取り。先手の大平五段の飛車取りにかまわず小林裕七段が歩を成り込む強襲。この辺りに誤算があったのか、はっきり形勢を損ない押し切られ早めの投了だが、考え処を逸した感もある。
2局目、3局目、4局目は勝利。(4局目は熱戦だった)
5局目は横歩取り(8五飛型)。A級順位戦の谷川ー羽生戦、羽生-渡辺戦と同進行(先手の華麗な指し回しの定跡)。大平五段が新手を出したが、新手に問題があったのか、その後の指し手がよくなかったのかは不明だが、うまくいかなかったようだ。
6局目は大熱戦だった。浦野陣に金4枚縦に並ぶ珍桂も出現するなど、端を含む玉頭の大攻防戦が繰り広げられ、非常に面白い一局だった。
7局目は、28手目(14時ごろ)までは大平五段も2局経験(いずれも勝ち)があったが、消費時間は▲塚田1時間2分、△大平58分と経験ありの割に、大平五段の割には、考えている。この次の手で、大平五段の経験から離れ、氏もここで27分考えて対応している。しかし、銀が27に遊ぶ苦しい展開になり押し切られた。
6局目の大熱戦を落とし、7局目の自信があった局面の将棋を落とし、気落ちしたのか、8局目以降はやる気が感じられない将棋になってしまったようだ。
時間を消費しなければならないというわけではないし、長考するのが素晴らしいと限ったわけではない。
「序盤の構想ミスや不用意なミスで形勢を損ねたことが許せない」「粘って勝ちを拾っても意味がない」という意識が強いのかもしれないが、8局目以降の将棋は勝負の価値、将棋の価値を感じられない将棋だった。
(関連記事 「淡白な投了」(2月11日記事))
昨日の記事の表記では、大平五段の指し方を判断するにはデータ不足と思われるので、今期の終局時刻と消費時間を手数を挙げておきます。
終局時刻15時23分。消費時間は▲大平1時間56分、△小林2時間1分、74手(詰状態)●
終局時刻19時11分。消費時間は▲桐山5時間32分、△大平1時間15分、106手、○
終局時刻20時50分。消費時間は▲大平3時間38分、△高野4時間36分、119手、○
終局時刻23時22分。消費時間は▲高崎5時間59分、△大平4時間22分、140手(熱戦)、○
終局時刻21時20分。消費時間は▲大平3時間38分、△村山5時間16分、100手(受けなし状態)●
終局時刻23時32分。消費時間は▲浦野5時間58分、△大平4時間16分、209手(詰状態、大熱戦)●
終局時刻20時25分。消費時間は▲塚田5時間47分、△大平2時間24分、73手(詰状態)●
終局時刻16時50分。消費時間は▲大平1時間3分、△佐々木4時間18分、88手、●
終局時刻17時36分。消費時間は▲宮田5時間13分、△大平59分、67手、●
終局時刻16時46分。消費時間は▲大平2時間10分、△稲葉3時間10分、72手、●
1局目は横歩取り。先手の大平五段の飛車取りにかまわず小林裕七段が歩を成り込む強襲。この辺りに誤算があったのか、はっきり形勢を損ない押し切られ早めの投了だが、考え処を逸した感もある。
2局目、3局目、4局目は勝利。(4局目は熱戦だった)
5局目は横歩取り(8五飛型)。A級順位戦の谷川ー羽生戦、羽生-渡辺戦と同進行(先手の華麗な指し回しの定跡)。大平五段が新手を出したが、新手に問題があったのか、その後の指し手がよくなかったのかは不明だが、うまくいかなかったようだ。
6局目は大熱戦だった。浦野陣に金4枚縦に並ぶ珍桂も出現するなど、端を含む玉頭の大攻防戦が繰り広げられ、非常に面白い一局だった。
7局目は、28手目(14時ごろ)までは大平五段も2局経験(いずれも勝ち)があったが、消費時間は▲塚田1時間2分、△大平58分と経験ありの割に、大平五段の割には、考えている。この次の手で、大平五段の経験から離れ、氏もここで27分考えて対応している。しかし、銀が27に遊ぶ苦しい展開になり押し切られた。
6局目の大熱戦を落とし、7局目の自信があった局面の将棋を落とし、気落ちしたのか、8局目以降はやる気が感じられない将棋になってしまったようだ。
時間を消費しなければならないというわけではないし、長考するのが素晴らしいと限ったわけではない。
「序盤の構想ミスや不用意なミスで形勢を損ねたことが許せない」「粘って勝ちを拾っても意味がない」という意識が強いのかもしれないが、8局目以降の将棋は勝負の価値、将棋の価値を感じられない将棋だった。