崔吉城との対話

日々考えていること、感じていることを書きます。

金剛山歌劇団下関公演

2013年11月09日 04時37分17秒 | エッセイ
昨夜、金剛山歌劇団下関公演を鑑賞した。10年以上ほぼ毎年欠かさず鑑賞している。資金集めの広告にも参加したことがあるが、昨日は韓国料理店のLee'sからチケットをいただいて、知り合いの人たちと一緒に楽しんだ。去年は隣市の宇部で行われたのでそこまで行って楽しんだ。テノ東京でコーヒーショップで談話したことがあるール歌手の李龍秀氏が団長になっている。そこで毎日新聞の西嶋正法氏に偶然に会って中央の特別席に案内されて同席した。確保された席は特別意識を表すと否定的であった私がその優先席で鑑賞した自分に矛盾を感じた。彼は初めて公演を観て感動したといった。
 朝鮮総連系の在日コリアンたちによって結成された歌劇団である。全国を巡行し、1000人以上の観客を集めるところもある。しかし日本のメディアは報道しない。総連の組織的動員力によって存在する。民団では民族学校もこのような公演団も作れず行政団体化している。日朝関係が正常化するとすぐ大きい力になるだろう。民団の青年たちも参加している。司会者は私たちは民族にこだわり、ルーツを大切にして、祖国を愛し守ってきたといい、舞台が繰り広げられた。
 私が最も楽しむ演目は崔栄徳氏のチャンセナプ独奏であるが今度李文基氏に代わった。それでも素晴らしい。セナプとは朝鮮農楽では高音を出す管楽器であり、それを改良して長くしたので「チャン(長)セナプ」である。ソへグム独奏も素晴らしい。ソへグムも伝統楽器のへグム(亥琴2線弦楽器)を改良したものである。コムンゴ独奏の「出鋼」、李さんの歌「愛燦燦」、民謡メドレーでは女声独唱「西道アリラン」「新高山打令」、混声重唱「オンヘヤ」などが歌われ、チャンゴとドラムが織りなす打楽器が演奏された。日本人にも親しまれるように日本の歌「愛燦燦」も歌われ、良かった。今度の特徴的な演目は高仁華さんの崔承喜舞の復元であった。私はDVDでそれを見たが実演は初めてであった。
 群舞が多かったが赤青の色のチョゴリとチマの服装が私には色的に中国風に感じられた。女性のチョゴリの袖が細く、舞があまりにも早く体操や曲馬のような感は玉の欠陥であったがそれでも上手だった。ほとんどの観衆には喜びの表情が見えた。