大福 りす の 隠れ家

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みち  ~未知~  第92回

2014年04月18日 14時44分22秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

  『みち』リンクページ



『みち』 第51回からは以下からになります。

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『みち』 ~未知~  第92回



「あ、有難うございます いただきます」

「お茶でいいですか?」 いろんな種類のお茶や水のペットボトルが置かれてある。

「はい」

「どのお茶を飲みます?」

「どれでもいいです」

「じゃ、私と同じものを入れますね」 そう言って紙コップにお茶を入れだした。

「あの、私チラシを見て初めて来たんですけど 皆さん何度も来られてるんですか?」

「私は・・・うーん何回目かな? 沢山来てるわ。 でも、へぇー珍しい、今回はチラシなんて配ったんですねぇ。 どうぞ」 琴音にお茶の入った紙コップを差し出した。

「有難うございます」 お茶を受け取り
「普段はチラシを配られないんですか?」

「私は聞いた事はありませんね。 ふぅーん チラシを見てねぇ・・・。 皆さん最初に知るのはクチコミなんじゃないかしら? 」

「そうなんですか。 何回もお話をされている和尚様なんですか?」

「そうですね、一つの地域では続けてやらずに 一年は空けてらっしゃるみたいですけど あちらこちらでされてるんですよ。 ですから私も今回は1年半ぶりなんです」

「そうなんですか。 お若い方が多いんですね」

「最近は若い子の方がこの手は多いんじゃないかしら。 私ももっと若い時に知っていればよかったって思ってますもん」 この言葉を聞いて琴音の頭にやっと疑問符が出てきた。

「この手ってどういう・・・」 琴音が聞こうとしかけた時

「皆さん時間になりましたから 端に置いてある座布団とバスタオルを持って集合してください」 さっきのスタッフと言っていた男の子が大きな声で呼びかけた。

「行きましょうか」 女性が琴音に言った。

「はい」 お茶を一気に飲みお盆の上に置いた。

「今はまだそんなに間を空けなくていいですけど 適当に間隔をとって座ってください」 琴音も座布団を持ち みんなの輪の中に入った。 と言ってもどうして良いのか分からず端に座った。

少しすると正面の扉からクリアファイルを持ちGパンを履いた70歳前後の体の小さな男性が出てきた。

(え? Gパン? このお爺さんもスタッフ?)

「えーっと、僕にも座布団をもらえませんか?」 そのスタッフらしき男性の第一声だ。

「あ、すいません!」 さっきの男の子が慌てて座布団を取りにいき渡した。

「有難う。 さ、それでは始めましょうか」

(ええ? この人が和尚様なの?)

「今日が初めての方っていらっしゃいますか?」 みんなを見渡している。

琴音がそっと手を上げた。 和尚の見渡している目が琴音で止まった。

「ああ、初めてお見かけしますね。 今日はよろしくお願いしますね。 初めての方はお一人だけかな? あ、貴方もそうですか。 よろしくお願いいたします。 いいですねぇ。 こうしてご縁を頂くのは嬉しい事です。 他には・・・と、いらっしゃらない・・・みたいですね」 和尚の話し方にクスクスと笑いが漏れる。

「今日の事はどうしてお知りになりましたか?」 琴音を見ている。

「ポストにチラシが入っていたので」 すると和尚の顔に笑みが広がり

「そうですか、貴方でしたか」 一人納得をした。 琴音は何が何だか意味が分からない。

「ああ、ごめんなさい気にしないで」 あまりの琴音のキョトンとした顔に和尚がなだめるように言った。

「貴方は?」 もう一人を見て言うと

「この人に話を聞いて一度来たくなって」 隣の人を指差した。

「ああ、そうですか。 話を聞いて来てくださるなんて嬉しいですねぇ。 ご期待に沿えるよう頑張りますね」 またクスクスと笑いが漏れた。

「それでは今度こそ始めましょうか。 皆さん気を楽にして まずは大きくゆっくりと呼吸をしてください」 2、3分続いた。

琴音も言われるがままにしていたが全く的を得ない

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