大福 りす の 隠れ家

小説を書いたり 気になったことなど を書いています。
お暇な時にお寄りください。

みち  ~未知~  第91回

2014年04月15日 13時00分24秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

  『みち』リンクページ



『みち』 第51回からは以下からになります。

第51回第52回第53回第54回第55回第56回第57回第58回第59回第60回
第61回第62回第63回第64回第65回第66回第67回第68回第69回第70回
第71回第72回第73回第74回第75回第76回第77回第78回第79回第80回
第81回第82回第83回第84回第85回第86回第87回第88回第89回第90回




                                             



『みち』 ~未知~  第91回



週末。 チラシに載っていた文化センターへ出かける準備を始めた。

「えっと、バスタオルも持った。 忘れ物はないわね」 チラシにはバスタオルと書かれていたのだ。

「どうしてお話を聞くのにバスタオルがいるのかしら?」 チラシをちゃんと読んでいないから分からないんだよ。 ま、読んでしまうと行かなかったかもしれないけどね。 琴音のいい加減な性格がここでもまたラッキーとなったね。

「それじゃ・・・行きましょうか。 久しぶりに聞けるお説教だけど ふふ、どうしてこんなに楽しみなのかしら」 エアコンのスイッチを切り部屋を出た。 
車では行かずバスに乗って行く事にしたようだ。 暑い中を歩いてバス停に向かった。
やって来たバスに乗るとクーラーが効いている。 汗がスッとひいた。 

『文化センター前』 で降りるとすぐ前に文化センターがあった。
 
「ここなの? 大きくて綺麗な所。 まだ出来て間もないのね」 文化センターの中に入ると涼しい空気と供に広い空間が目の前に現れた。
辺りを見渡すと白い壁はまだその白さが光るようだ。 大きな花瓶に花も生けてある。 そして人がチラホラといる。

「綺麗なお花。 あ、見とれてちゃいけないわね、どこのお部屋だったかしら?」 鞄からチラシを出し

「えっと、2階の和室第3研修室ね」 チラシをまた鞄にしまって案内板を見ると

「あら? 駐車場が地下にあるんじゃない。 収容台数も沢山だわ。 車で来ればよかったわ。 ま、後の祭りね。 えっと和室第3研修室はっと・・・」 確認をして研修室へ向かった。

研修室の前には長机が置いてあり一人若い女の子が座っていた。

「あ、あそこよね」 そこと分かっていても確認を得たい。

「ここは和室第3研修室しょうか?」

「はいそうです。 おはようございます。 今日はご苦労様です」 手元を見ると名簿のようなものがあった。

「お名前を教えていただけますか?」 名簿にチェックを入れようとしているが 琴音は自分の名前を言った覚えなどないものだから

「あの、チラシを見てきたんですけど」 

「あ、初めての方でしたか?」

「はい」

「それでは申し訳ありませんがここで参加料を頂いて宜しいでしょうか?」

「はい、3000円でしたよね?」

「はい、そうです」 鞄から財布を出し3000円を支払った。

「有難うございます。 確かに頂戴いたしました。 どうぞ、中に入ってください、もう何人かお見えですよ」

「有難うございます」 そう言い残して研修室のドアを開けると既に来ていた何人かが 入ってきた琴音を見て「おはようございます」 と声
をかけてきた。

「おはようございます」 琴音も挨拶をしたが

(若い方も多いのね。 どう見ても20代よね) 心の中で呟いた。 そこへその20代の内の一人の男の子が琴音のほうに寄ってきて

「始めてお見掛けしますよね」 そう声をかけてきた。

「はい、初めて来ました」

「今日一日、宜しくお願いします。 僕はスタッフですから分からない事があったら何でも聞いて下さい。 それと荷物は邪魔になりますから バスタオル以外はあちらの端に置いておいてください。 まだ時間もありますからお茶でも飲んでゆっくりしていてくださいね。 おやつも皆さんからの差し入れですからどうぞ自由に食べてください」 何人かの荷物が端に置かれてありその横のテーブルにはペットボトルが何本か置かれ紙コップもあった。 勿論その横には美味しそうなおやつも一緒に置かれている。 

鞄と羽織っていたものを端に置き腕時計を見ると、あと20分ほどで始まるようだ。

「20分。 本が読めなくもないわね」 鞄から読みかけの本を出して邪魔にならないよう部屋の隅に行き本を読み出した。
それから10分くらい経ったころだろうか 次々と人が入ってきた。

「久しぶりー」 「どう? 上手くいってる?」 「あれからどうなった?」 そんな会話が飛び交っている。

「ガサガサしてきたわ」 本を閉じ鞄に入れて代わりにバスタオルを出した。 するとテーブルでお茶を入れていた一人の女性。
琴音より少し年上であろうか

「なにか飲みませんか?」 琴音に声をかけてきた。


この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« みち  ~未知~  第90回 | トップ | みち  ~未知~  第92回 »
最新の画像もっと見る

小説」カテゴリの最新記事