『みち』 目次
『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。
『みち』リンクページ
『みち』 第51回からは以下からになります。
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
第71回・第72回・第73回・第74回・第75回・第76回・第77回・第78回・第79回・第80回
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『みち』 ~未知~ 第81回
すぐに自販機でコーヒーを買いベンチに座り一気に飲んだ。 すると今度は汗が一気にひいて寒くなってきた。 夏とは言え、山の中は下界と違って涼しい。
慌てて持ってきていたタオルで汗を拭いた。 滝遊びをしようと何枚かタオルを持ってきていたのだ。
もう一枚のタオルを背中と服の間に入れ、濡れた服と背中がくっつかないようにした。
(はぁ、意味の分からない今だわ・・・神社までの石階段・・・どうしようか。 ・・・もうそんなに登る必要も無いわよね) そう思ったものの琴音の性格では
(・・・ここまで来たんだから一緒よね。 お参りして帰ろうか・・・) そうなるよね。
石階段の下まで来た時、案内板に気付いた。
(え? こんな所に案内板) そこには空也滝と書かれていた。
(あった! え? でもこれって何処なの?) 地図を読む力が少々弱い琴音。
(とにかく先にお参りしてから) 石階段を上り始めた。
上ると言っても琴音のガタガタの足ではそう簡単に上れるものではない。 時間をかけやっと上りつめたが 前回のようにボーっとする事は無く、ベンチに座り足を休めてからすぐに手を合わせに行きそしてまたすぐ下りてきた。 滝が気になるのだ。
石階段の下でもう一度案内板を見て
(ここの裏を行くのよね) 歩いていくが分からない。 Uターンして戻ってもう一度案内板を見る。
(合ってる筈なのに・・・あ、自販機のほうにここの関係者みたいな人が居たわよね) 自販機のほうに歩いて行った。
小さな畑のような所に水をまいている一人の男性に声をかけ
「あの、空也滝へ行きたいんですけどご存知ですか?」 男性が振り向きぶっきらぼうに
「あの小屋の後ろの道を行くと 右に道が出てくるからそこを行くと行ける。 こっちから登ってきたんなら空也滝は反対側になる」 琴音からすれば怪訝そうに答えた風だったが、食いついた琴音。
「さっき行ってみたんですけど右に道がなくて」
「ああ、分かりにくい。 人が一人通れるくらいの下り坂」 面倒臭そうに答えていると感じ、今度は引き下がった。
「有難うございます。 行ってみます」 これ以上聞くのはよそうと 話を終わらせた。
(とにかくもう一度行ってみよう) 元来た道を歩き出し案内板の後ろを通り過ぎ
(本当にここかしら) 不安になりふと後ろを振り向くと さっきの男性が少し離れた所に立っていて、そのまままっすぐ行けと手で合図した。
さっき聞いた場所からここまで ずっと琴音の後ろを歩いてきてくれていたのだ。 思わずお辞儀をした琴音であった。 男性はその後も琴音の行く先を見ていた。
右に注意をしながら歩いていくと細い下り坂があった。
「あ、ここね」 坂を下りていく琴音を見送った男性。 元の場所に帰りまた水をまきだした。
案内役のお役目、ご苦労様でございました。
この道は琴音が登ってきた4キロルートとは反対側を行く 愛宕山ルートの7キロ半のルートである。
(ここって さっきより急じゃない) 琴音が登ってきた4キロルートよりかなり厳しそうである。
それにこちら側を利用する登山者、下山者も居るにはいるが 殆どが4キロルートを使うので人を見かけることは少なく、4キロルートのような賑やかさはない。
それに時折 手作りの表示板に目が入るとそこに書かれているのは 『熊の出没に注意』 だ。 一気に心細くなった琴音。 何人かが後ろから琴音を抜かして歩いてくるが その早さにはついていけない。 先に歩いている誰かと一緒にならないかと先を急いだ。
随分歩いていくとお寺が見えた。
(こんなところにお寺?) 月輪寺だ。
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『みち』 ~未知~ 第81回
すぐに自販機でコーヒーを買いベンチに座り一気に飲んだ。 すると今度は汗が一気にひいて寒くなってきた。 夏とは言え、山の中は下界と違って涼しい。
慌てて持ってきていたタオルで汗を拭いた。 滝遊びをしようと何枚かタオルを持ってきていたのだ。
もう一枚のタオルを背中と服の間に入れ、濡れた服と背中がくっつかないようにした。
(はぁ、意味の分からない今だわ・・・神社までの石階段・・・どうしようか。 ・・・もうそんなに登る必要も無いわよね) そう思ったものの琴音の性格では
(・・・ここまで来たんだから一緒よね。 お参りして帰ろうか・・・) そうなるよね。
石階段の下まで来た時、案内板に気付いた。
(え? こんな所に案内板) そこには空也滝と書かれていた。
(あった! え? でもこれって何処なの?) 地図を読む力が少々弱い琴音。
(とにかく先にお参りしてから) 石階段を上り始めた。
上ると言っても琴音のガタガタの足ではそう簡単に上れるものではない。 時間をかけやっと上りつめたが 前回のようにボーっとする事は無く、ベンチに座り足を休めてからすぐに手を合わせに行きそしてまたすぐ下りてきた。 滝が気になるのだ。
石階段の下でもう一度案内板を見て
(ここの裏を行くのよね) 歩いていくが分からない。 Uターンして戻ってもう一度案内板を見る。
(合ってる筈なのに・・・あ、自販機のほうにここの関係者みたいな人が居たわよね) 自販機のほうに歩いて行った。
小さな畑のような所に水をまいている一人の男性に声をかけ
「あの、空也滝へ行きたいんですけどご存知ですか?」 男性が振り向きぶっきらぼうに
「あの小屋の後ろの道を行くと 右に道が出てくるからそこを行くと行ける。 こっちから登ってきたんなら空也滝は反対側になる」 琴音からすれば怪訝そうに答えた風だったが、食いついた琴音。
「さっき行ってみたんですけど右に道がなくて」
「ああ、分かりにくい。 人が一人通れるくらいの下り坂」 面倒臭そうに答えていると感じ、今度は引き下がった。
「有難うございます。 行ってみます」 これ以上聞くのはよそうと 話を終わらせた。
(とにかくもう一度行ってみよう) 元来た道を歩き出し案内板の後ろを通り過ぎ
(本当にここかしら) 不安になりふと後ろを振り向くと さっきの男性が少し離れた所に立っていて、そのまままっすぐ行けと手で合図した。
さっき聞いた場所からここまで ずっと琴音の後ろを歩いてきてくれていたのだ。 思わずお辞儀をした琴音であった。 男性はその後も琴音の行く先を見ていた。
右に注意をしながら歩いていくと細い下り坂があった。
「あ、ここね」 坂を下りていく琴音を見送った男性。 元の場所に帰りまた水をまきだした。
案内役のお役目、ご苦労様でございました。
この道は琴音が登ってきた4キロルートとは反対側を行く 愛宕山ルートの7キロ半のルートである。
(ここって さっきより急じゃない) 琴音が登ってきた4キロルートよりかなり厳しそうである。
それにこちら側を利用する登山者、下山者も居るにはいるが 殆どが4キロルートを使うので人を見かけることは少なく、4キロルートのような賑やかさはない。
それに時折 手作りの表示板に目が入るとそこに書かれているのは 『熊の出没に注意』 だ。 一気に心細くなった琴音。 何人かが後ろから琴音を抜かして歩いてくるが その早さにはついていけない。 先に歩いている誰かと一緒にならないかと先を急いだ。
随分歩いていくとお寺が見えた。
(こんなところにお寺?) 月輪寺だ。