大福 りす の 隠れ家

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みち  ~未知~  第69回

2014年01月28日 14時48分38秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

  『みち』リンクページ



『みち』 第51回からは以下からになります。

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『みち』 ~未知~  第69回



「私にしたら実験よ。 文香を見てて分かったわ」

「あ~あ、どうしてこんなにひん曲がってるのかしら。 ま、そのうちその文香さんから連絡があるかもよ」

「どうして?」

「今彼女の話をしたじゃない?」

「うん」

「呼ぶより謗れ って聞いたことない?」

「知らない」

「その人の噂をすると呼ばなくても向こうからやって来るとかって言うらしいわよ」

「へぇー そうなんだー。 それっておばあちゃんの知恵袋?」

「何言ってんのよ! 常識よ!」

「だって暦のいう事は 結構言い伝えが多いんだもの」

「うちのお婆さんがよく言うからね」

「そういえば暦のお母さんもみんなが見えないこととかをよく見たって言ってたわよね」

「あのお婆さんは昔の言い伝えもよく言ったけどそう言えば不思議なこともよく言ってたわね」

「和尚さんみたいな格好をした人とお話して話し終わって背を向けた後に振り返ったら誰も居なかったとかってね」

「ああ、そんな事も言ってたわね」

「それって何のお話をしたんだっけ?」

「えー、なんだったっけ・・・あ、そうそう。 その和尚さんみたいな人に箒を貰ったって言ってたんだわ」

「ああ! そうだったわね、思い出したわ。 朝、庭掃除をしていた暦のお母さんに この箒で毎日掃除をしなさい って手渡されたのよね」

「そう、そう。 その箒で掃除をしたらお金に困ることなく病気知らずになるとかって言われたって言ってたかしら?」

「大当たりよね」

「そんなことないわよ。 貧乏だったもん」

「だって、立派な家に立て替えてお兄ちゃんが継いで、おじさんもおばさんも安泰じゃない。 それにおばさんが病気したって聞いたことないわよ」

「まぁ、それは言えてる。 お兄ちゃんが結構立派に建て替えたし、家族みんな大病どころか風邪もひかなかったかなぁ?」

「でしょ? 私の実家なんて築何十年の家かしら。 ねぇ、暦はそんな事ないの?」

「そんな事?」

「おばさんみたいなこと」

「全然ないわよ」

「現実的だもんね。 お化けより人間が恐いんだもんね」

「刃物が一番怖いの。 刺されたら最後じゃない」 話は尽きる事とがない。

「あ、ゴメンもういい時間ね。 明日もお仕事頑張ってね」

「ああ本当、もうこんな時間になっちゃったのね。 それじゃあ、時間が空いたら教えてね。 ちゃんとランチおごらせてよ」

「うん、連絡するわ。 そのときにはお腹いっぱいご馳走になるわよ。 じゃあね、お休み」

「お休み」


その夜、寝ようとして布団に入り目をつぶった。 暫く寝付けないでいると瞼の裏に綺麗な模様が見えた。

「わぁ、なんて綺麗な模様なの!」 目を瞑りじっとその模様を見ている。

もう少々の事ではびっくりしなくなったようだ。
その模様は万華鏡のようにクルクルと模様を替えて動き出した。 あまりの美しさに見入る琴音。 
一瞬パッと消えた模様。 

「あ・・・」 だがすぐにもう一つ違う模様が見えた。

「この模様も綺麗だわ」 これもくるくると回りだした。 

模様といっても光り輝く色だ。 じっと見入る琴音。 最初は興奮するように見ていたがあまりの美しさに惚れ惚れとしながらうつらうつらと意識が遠のき寝入った。


朝、目覚め

「あれって夢じゃないわよね。 ちゃんとリアルに覚えているものね。 うん、綺麗だったものね」 布団から起き、朝の仕度を始めた。

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