『みち』 目次
『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。
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『みち』 第51回からは以下からになります。
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
『みち』 ~未知~ 第73回
「なに? どうしたの?」
「うん。 ちょっと待ってね」 目を凝らしている。
その琴音の姿に見入る文香。 琴音は目を凝らして前を見ていたかと思うと何度か目を開けたり閉じたりとしている。 そしてやっと
「ああ、収まったわ」
「どうしたのよ」
「うん。 ここで今みたいに目を閉じていると色が見えなくなっちゃうの」
「色が見えない?」
「他の所ではそんな事はないんだけどね」
「色が見えないってどういう事?」
「上手く言えないけどモノクロになっちゃうって言うのかな」
「どうして?」
「分からない」
「いつから? 初めてここに来てから?」
「よく覚えてないわ。 でも途中からだと思うわ」
「やっぱりここに何かあるんじゃない?」
「どうなんだろう・・・でもどっちかって言ったらそれも右脳開発っていうのかもしれないわね」
「ね、ね もう一度目を瞑ってみて」
「また?」
「いいじゃない、お願い」
「仕方ないわねぇ」 そう言って5分ほど目を瞑ってまた目を開けた。 すると
「あら?」
「なに? どうしたの?」 文香のその声を無視しそしてまた目を瞑った。
2、3分してまた目を開け あちらこちらを見る琴音。 その様子を伺っている文香。
「あ、ごめん」 我を戻して琴音が言った。
「何がどうしたの?」
「うん。 最初はね何かが違うと思ったんだけど何が違うか分からなくて それで一つの風景だけを覚えてまた目を瞑ったのね。 それでまた目を開けて同じ所を見たらやっぱり足りないものがあったの」
「足りない? ・・・うん、うん。 それで?」
「雑草が見えなかったみたいなの・・・あ、ちょっと待ってね」 不動明王の前に供えられていた生花に意識を集中した。
すると生花以外に見える風景がスーッと色褪せていき雑草は視界から消えていったのだ。 意識を外すと今度は目の端から色が戻ってきて雑草も見え出した。
「意識を集中すると見たいもの意外は目にはっきりと映らないみたいだわ」
「それってどういうこと?」
「分からないわ。 見たいものに集中をするとそれ以外は色褪せたり見えなくなったりするわ」 琴音自身も狐につままれたような口調だ。
「私何て返事をすればいい?」
「その返事にどう返事すればいい?」 二人で顔を見合わせて笑った。
「有ることはあった。 それだけだわ。 文香、何か分かったらまた教えてよ。 帰ろうか」 開き直りの琴音だ。
「そうね。 今は何を考えても分からないものね」 駐車場に向かい帰路に向かった。
右脳開発ねぇ・・・。 まっ、人間的にはそうなるのかな?
それから数日後
また寝付けない夜だった。
「ああ、寝られない」 右、左と寝返りを打つが 一向に寝られそうにもない。
目を開けて薄暗い中 天井、壁を見るが時間潰しにもならない。
「目を開けてちゃ余計と眠れないわよね・・・」 そしてまた目を瞑ったのだが 暫くして
「え? これって何?」 瞼の裏には無限大に広がる空間があった。
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「なに? どうしたの?」
「うん。 ちょっと待ってね」 目を凝らしている。
その琴音の姿に見入る文香。 琴音は目を凝らして前を見ていたかと思うと何度か目を開けたり閉じたりとしている。 そしてやっと
「ああ、収まったわ」
「どうしたのよ」
「うん。 ここで今みたいに目を閉じていると色が見えなくなっちゃうの」
「色が見えない?」
「他の所ではそんな事はないんだけどね」
「色が見えないってどういう事?」
「上手く言えないけどモノクロになっちゃうって言うのかな」
「どうして?」
「分からない」
「いつから? 初めてここに来てから?」
「よく覚えてないわ。 でも途中からだと思うわ」
「やっぱりここに何かあるんじゃない?」
「どうなんだろう・・・でもどっちかって言ったらそれも右脳開発っていうのかもしれないわね」
「ね、ね もう一度目を瞑ってみて」
「また?」
「いいじゃない、お願い」
「仕方ないわねぇ」 そう言って5分ほど目を瞑ってまた目を開けた。 すると
「あら?」
「なに? どうしたの?」 文香のその声を無視しそしてまた目を瞑った。
2、3分してまた目を開け あちらこちらを見る琴音。 その様子を伺っている文香。
「あ、ごめん」 我を戻して琴音が言った。
「何がどうしたの?」
「うん。 最初はね何かが違うと思ったんだけど何が違うか分からなくて それで一つの風景だけを覚えてまた目を瞑ったのね。 それでまた目を開けて同じ所を見たらやっぱり足りないものがあったの」
「足りない? ・・・うん、うん。 それで?」
「雑草が見えなかったみたいなの・・・あ、ちょっと待ってね」 不動明王の前に供えられていた生花に意識を集中した。
すると生花以外に見える風景がスーッと色褪せていき雑草は視界から消えていったのだ。 意識を外すと今度は目の端から色が戻ってきて雑草も見え出した。
「意識を集中すると見たいもの意外は目にはっきりと映らないみたいだわ」
「それってどういうこと?」
「分からないわ。 見たいものに集中をするとそれ以外は色褪せたり見えなくなったりするわ」 琴音自身も狐につままれたような口調だ。
「私何て返事をすればいい?」
「その返事にどう返事すればいい?」 二人で顔を見合わせて笑った。
「有ることはあった。 それだけだわ。 文香、何か分かったらまた教えてよ。 帰ろうか」 開き直りの琴音だ。
「そうね。 今は何を考えても分からないものね」 駐車場に向かい帰路に向かった。
右脳開発ねぇ・・・。 まっ、人間的にはそうなるのかな?
それから数日後
また寝付けない夜だった。
「ああ、寝られない」 右、左と寝返りを打つが 一向に寝られそうにもない。
目を開けて薄暗い中 天井、壁を見るが時間潰しにもならない。
「目を開けてちゃ余計と眠れないわよね・・・」 そしてまた目を瞑ったのだが 暫くして
「え? これって何?」 瞼の裏には無限大に広がる空間があった。