大福 りす の 隠れ家

小説を書いたり 気になったことなど を書いています。
お暇な時にお寄りください。

みち  ~未知~  第63回

2014年01月07日 15時15分52秒 | 小説
『みち』 目次



『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。

  『みち』リンクページ



『みち』 第51回からは以下からになります。

第51回第52回第53回第54回第55回第56回第57回第58回第59回第60回




                                             



『みち』 ~未知~  第63回



「はぁー 暦は偉いなぁ・・・やっぱり私に結婚は無理ね」 うん、そうだね。

お腹もいっぱいになりミルクも飲んで気持ち良くなった琴音、テレビのスイッチを入れてボォッと見ていると またもやうつらうつらとしてきた。

「あ、ダメダメ。 歯も磨かなきゃ、鍵も閉めなきゃ」 重い身体をギシギシといわせて立ち上がりまずはキッチンに向かった。

テーブルの上を見るとクリームドッサリのパン、ピラフ、オムライス、おにぎり、煮物などがラップをされて置いてあった。 コンロには味噌汁の入った鍋があり、冷蔵庫を開けてみると生野菜サラダ、パスタサラダ、コーンスープがカップに入っていた。

「もう! 暦ったら、私がお味噌汁も煮物も苦手なの知ってるくせに。 ・・・でも他は私の好きなのばかり。 あの短時間で・・・まるで食堂のオバちゃん並みね」 褒めているのか貶しているのか。 でも琴音、もっと日本食を見直そうね。

そのまま玄関の鍵をかけ歯を磨き顔を洗い またキッチンに戻ってきて程よく冷めてきた料理を冷蔵庫に入れた。

「おにぎりはこのままで明日食べよう」 寝室へ戻るとまたすぐに寝てしまった。 

さすがに疲れた肉体といえど何時間も寝ていたわけだ。 翌日は朝早くに目が覚めた。

「ううう・・・やっぱり寝起きは辛いわ」 固まった筋肉が痛い。

少しずつ動かすが昨日より少しましなくらいだ。

「これって、もしシップを貼らなかったらどうなってたのかしら。 もしかしたら昨日より酷くなってたのかしら」 歳がいくと筋肉痛も後に出てくるからね。

「とにかく動かなきゃ。 このまま固まっちゃう」 動こうとするが

「無理・・・いたーい」 この連休の間はちょっとゆっくりしていなさい。

「アキレス腱、伸びないじゃない」 だからアキレス腱も膝も炎症を起こしてるんだから大人しくしていなさい。

アチコチに貼っていたシップをなんとか剥がし

「皮膚呼吸もしなきゃ」 確かにね。 エラ呼吸も・・・エラはなかったね。

結局、連休の間は一歩も家の外に出る事はなく それどころかずっと家の中で寝転んでいた。

「暦のご飯とシップに感謝だわ。 それに・・・頭のボォッとした感じも大分ひいてきたわ」 シップだけで飲み薬に頼らなかった琴音。 

そうだよ、よくジッとしていたね。 それに飲み薬はいけない。

「あ、よく考えたら 頭痛の薬を飲んだら良かったわ。 頭痛の薬って鎮痛作用だから少しは身体の痛みももう少し早くマシになっていたかもしれないのに」 駄目だって。

「ま、大分楽になってきたから薬を飲まなくても明日は何とか出勤できるわね」 そうしておくれ。


翌日、連休明け出勤日。

朝起きると昨日にまして身体が動く。 とは言え、全く痛くないわけではない。 化粧をし着替えて いざ玄関に行きヒールを履くとさすがに

「うう・・・ヒールはきついわ」 ローヒールであるが足首周りや脹脛の筋肉に痛みが走る。

「でもこの靴、会社用にしてるし他にこの服に合う靴もないものね」 制服のない会社。 琴音は自分の中で この服を制服のつもりにしようと似たような3種類のブラウスとスラックスを買い交互に着ていた。 
着替えはせず、その服のまま通勤をしていたのだ。

琴音のマンションは2階建てだ。 エレベーターなどはない。 2階の部屋から下りる階段も一際足に来る。 会社までの自転車も足や腰や背中に痛みが走る。

「早めに出てよかったわ」 ゆっくりとこいでいった。

会社に着き3階の事務所までも大変であったが家にいたときと違い会社に来てしまうと 何かと動き回る事が多い。 椅子を立ったり座ったり、それだけでも最初は痛い思いで身体もだるかったのが何度も繰り返していくうちに筋肉も温まってきて筋肉を伸ばす事も苦ではなくなってきていた。

「まだ痛いけど家にいたときほど歩けないわけじゃないからいいわよね」 とは言え、誰も見ていない階段では手すりにしがみついてヘッピリ腰で降りている。

この日は家に帰りいい時間を見計らって暦に電話をした。 この間の礼と身体の報告だ。

何日かが過ぎようやく完全に痛みが取れた。 やっぱりかなり運動不足だよ。

この記事についてブログを書く
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする
« みち  ~未知~  第62回 | トップ | みち  ~未知~  第64回 »
最新の画像もっと見る

小説」カテゴリの最新記事