『みち』 目次
『みち』 第1回から第50回までの目次は以下の 『みち』リンクページ からお願いいたします。
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『みち』 第51回からは以下からになります。
第51回・第52回・第53回・第54回・第55回・第56回・第57回・第58回・第59回・第60回
第61回・第62回・第63回・第64回・第65回・第66回・第67回・第68回・第69回・第70回
第71回・第72回・第73回・第74回・第75回・第76回・第77回・第78回・第79回・第80回
第81回・第82回・第83回・第84回・第85回・第86回・第87回・第88回・第89回・第90回
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『みち』 ~未知~ 第94回
「それって? えっと何て聞いていいのかしら・・・」 琴音が言いたい事を察したかのように
「人にはね守護神様や守護霊様が居てくださっているのよ」
「あ、テレビで時々聞きますけど」
「みんなその方々と繋がってるのね。 直接会話が出来ない人が殆どだけど・・・ま、耳で聞く会話でもないんだけどね。 言ってみれば和尚はその方々から色々お話を聞くことが出来るのよ。 色んな閃きやふと頭に浮かんだことなんてない?」
「閃きですか?」
「ええ、そう。 他には・・・そうねー、歩いているときに声が聞こえたような気がして立ち止まった途端に 車が目の前を暴走して交通事故を免れたとか」
「あ・・・」 愛宕山での『登りなさい』 と言われた声を思い出した。
(あの時、確かに誰もいなかったわ。 それに耳で聞いたんじゃないわ)
「思い当たる事があった?」 琴音の心の中を読んだように聞いてきた。
「無くはないです」
「でしょ、みんなそれが偶然だとかって思ってるのよ。 閃きをもらってその閃きで成功しても まるで自分の力だけで全て出来たみたいに思ったりね。 感謝が出来てないのよね。 お陰様って言葉を知ってるでしょ?」
「はい」
「お陰様はその方々の事なのよ。 陰で見守ってくださっている方々。 お元気? って聞かれて お陰様で元気です って言うでしょ、お陰様が居て下さるから元気なのにね」
「はぁー」 声にならないため息だ。
「あ、もう休憩が終わりそうだけどお手洗い大丈夫だった?」
「はい大丈夫です。 教えて下さって有難うございました」
「うううん。 多分感謝をしなくちゃいけないのは私の方だと思うわ」
「え?」
「あのね、私本当は今日来られないはずだったのよ。 それが急に火曜日の夕方、予定がキャンセルになってこっちへ来る事になったんだけど 多分貴方と話をする事になったのね。 もし今日ここで貴方が何かを得て帰ってくれたら私はそのお役に立てたって事で嬉しいわ。 ありがとう」
「はぁー」 まただ。 ぐうの音も出ないようだね。
「みなさーん、そろそろ時間です」 スタッフの男の子が最初と同じように大きな声で指示を出してきた。
「両手を広げても隣と当たらないように広がってください」 みながゾロゾロと位置をズラして間隔をとった。 琴音も壁際にズレていった。
休憩時間も和尚はずっと同じ所に座っていたままだったがゆっくりと立ち上がり
「大丈夫ですか 当たりませんか? それではまずリラックスしましょう。 はい両手をグルグルと回して肩の筋肉の緊張を解きましょう。 次に腕の緊張を解きましょうねー。 ブラブラー」 和尚が腕をブラブラさせ今度は足もブラブラさせた。 それを見ていた全員が真似ている。
「体をリラックスさせて血の巡りを良くしましょうね。 次ぎはリンパの流れも良くしましょうか」 体をさすりだすのを見てまたみなが真似た。 勿論琴音もだ。
「はい、リラックスできましたか? ではいったん皆さん後ろを向いてください」 皆が方向を変えた。
「そのままじっとしていてくださいね」 ほんの少し時間が過ぎた。
「はい、いいですよ。 今皆さんにエネルギーを送りましたからね」 皆が前に向き直ると
「はい、じゃあ次に5、6人程度でまとまってください」 みな知り合い同士でまとまり始めたが 琴音はどうしていいか分からずキョロキョロとすると
「いっしょにしませんか?」 後ろにいた若い女の子達が声をかけてきた。
「あ、お願いします」 それからは和尚が1グループずつ回り始めた。
座布団を縦長に何枚か敷き、その上にバスタオルを広げうつ伏せや仰向けに寝ている全員の体に手かざしてをしているのだ。
(ああ、そのためにバスタオルが必要だったのね)
1つのグループの全員への手かざしが終わるとそのグループでお互い同じような事をしている。 和尚は次のグループを回っているがそれを見た琴音は
(うわ、変な宗教みたいだわ) 今頃の言葉で言うと『ドンビキ』 をした。 でもよく考えてごらん。 琴音の思っている和尚の説教も宗教なんだよ。
いくつかのグループを回り終え とうとう『ドンビキ』 をしている琴音のグループにやって来た。
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「人にはね守護神様や守護霊様が居てくださっているのよ」
「あ、テレビで時々聞きますけど」
「みんなその方々と繋がってるのね。 直接会話が出来ない人が殆どだけど・・・ま、耳で聞く会話でもないんだけどね。 言ってみれば和尚はその方々から色々お話を聞くことが出来るのよ。 色んな閃きやふと頭に浮かんだことなんてない?」
「閃きですか?」
「ええ、そう。 他には・・・そうねー、歩いているときに声が聞こえたような気がして立ち止まった途端に 車が目の前を暴走して交通事故を免れたとか」
「あ・・・」 愛宕山での『登りなさい』 と言われた声を思い出した。
(あの時、確かに誰もいなかったわ。 それに耳で聞いたんじゃないわ)
「思い当たる事があった?」 琴音の心の中を読んだように聞いてきた。
「無くはないです」
「でしょ、みんなそれが偶然だとかって思ってるのよ。 閃きをもらってその閃きで成功しても まるで自分の力だけで全て出来たみたいに思ったりね。 感謝が出来てないのよね。 お陰様って言葉を知ってるでしょ?」
「はい」
「お陰様はその方々の事なのよ。 陰で見守ってくださっている方々。 お元気? って聞かれて お陰様で元気です って言うでしょ、お陰様が居て下さるから元気なのにね」
「はぁー」 声にならないため息だ。
「あ、もう休憩が終わりそうだけどお手洗い大丈夫だった?」
「はい大丈夫です。 教えて下さって有難うございました」
「うううん。 多分感謝をしなくちゃいけないのは私の方だと思うわ」
「え?」
「あのね、私本当は今日来られないはずだったのよ。 それが急に火曜日の夕方、予定がキャンセルになってこっちへ来る事になったんだけど 多分貴方と話をする事になったのね。 もし今日ここで貴方が何かを得て帰ってくれたら私はそのお役に立てたって事で嬉しいわ。 ありがとう」
「はぁー」 まただ。 ぐうの音も出ないようだね。
「みなさーん、そろそろ時間です」 スタッフの男の子が最初と同じように大きな声で指示を出してきた。
「両手を広げても隣と当たらないように広がってください」 みながゾロゾロと位置をズラして間隔をとった。 琴音も壁際にズレていった。
休憩時間も和尚はずっと同じ所に座っていたままだったがゆっくりと立ち上がり
「大丈夫ですか 当たりませんか? それではまずリラックスしましょう。 はい両手をグルグルと回して肩の筋肉の緊張を解きましょう。 次に腕の緊張を解きましょうねー。 ブラブラー」 和尚が腕をブラブラさせ今度は足もブラブラさせた。 それを見ていた全員が真似ている。
「体をリラックスさせて血の巡りを良くしましょうね。 次ぎはリンパの流れも良くしましょうか」 体をさすりだすのを見てまたみなが真似た。 勿論琴音もだ。
「はい、リラックスできましたか? ではいったん皆さん後ろを向いてください」 皆が方向を変えた。
「そのままじっとしていてくださいね」 ほんの少し時間が過ぎた。
「はい、いいですよ。 今皆さんにエネルギーを送りましたからね」 皆が前に向き直ると
「はい、じゃあ次に5、6人程度でまとまってください」 みな知り合い同士でまとまり始めたが 琴音はどうしていいか分からずキョロキョロとすると
「いっしょにしませんか?」 後ろにいた若い女の子達が声をかけてきた。
「あ、お願いします」 それからは和尚が1グループずつ回り始めた。
座布団を縦長に何枚か敷き、その上にバスタオルを広げうつ伏せや仰向けに寝ている全員の体に手かざしてをしているのだ。
(ああ、そのためにバスタオルが必要だったのね)
1つのグループの全員への手かざしが終わるとそのグループでお互い同じような事をしている。 和尚は次のグループを回っているがそれを見た琴音は
(うわ、変な宗教みたいだわ) 今頃の言葉で言うと『ドンビキ』 をした。 でもよく考えてごらん。 琴音の思っている和尚の説教も宗教なんだよ。
いくつかのグループを回り終え とうとう『ドンビキ』 をしている琴音のグループにやって来た。