「ノースライト」 横山秀夫 新潮社
このところ新人ばかり読んでいたので、さすが手練「64」の作家は上手だなあと感心した。
表紙絵は椅子、ブルーノ・タウト作品。座ってみたいなあ。
偉大なる建築家はナチス政権を逃れて、日本に。枢軸国のせいか建築は殆どできに民芸、だから椅子もあった。226事件の年にトルコに逃亡。
で、主人公は建築家。最高の家を作ったのに、その家族は失踪してしまう。謎は深まるばかり。
設計事務所のボスは商売熱心ごりごり。業界の有様も精緻ゆえ、職業小説とも言えよう。
住宅にかける情熱って、すごいんだ。隣の部屋の音が聞こえない観点、最低の物理的側面しか持ってなかったので驚き。
最後は、あっと驚く展開が熱い。眩しすぎる。