千恵子@詠む...................

リンクにて開く世界は万華鏡 あれやこれやと交差の果てへ

ピッキング・コットン 二人が出会うまでの話

2014年10月31日 | 
ピッキング・コットン 二人が出会うまでの話
 
前号の大山千恵子氏が書いた『とらわれた二人 無実の囚人と誤った目撃証人の物語』の続き、ないし補足を述べたい。
 
実は何の予備知識もなく読み始め、出来の悪い強姦小説なのかと思い込んでいた。ところが冤罪だということが分かって俄然熱を入れて読み進め、これは実話だと気付く。
 
本書は強姦被害者のジェニファーと、彼女の証言で冤罪を被せられたロナルド、それにノンフィクションライターの三人の共著である。
 
この作品の終盤の四分の一は、ロナルドの冤罪が判明した後の話。やってもいない犯罪に懊悩し、苦悶したロナルドは、いきなり釈放を言い渡される。ところが遠方の刑務所から地元に移送される間は手錠を嵌められたまま。また、いわゆる「再審」の裁判所でも手錠は外されない。裁判長の指示「彼の手錠を外すよう、直接命令を下します」で、ようやく外される。規則がそうなっているからだという。肝心の「再審」はあっという間に終わり、ロナルドは釈放される。
 
ジェニファーはロナルド釈放に強い衝撃を受ける。自分がロナルドを真犯人だと証言してしまったのだから。報復されるのではないかと不安になり子どもたちの通う学校にまで配慮するよう要請したほどだったが、一方ロナルドはマスコミが押しかけ、インタビュー攻勢に合っていた。
 
本書の読みどころとなるのが、ロナルドとジェニファーの出会いである。ジェニファーは緊張の極で「私を許していただけますか」。それに対しロナルドは穏やかに「許します」と。このとき二人は互いの、これまでの苦痛を感じ取る。
 
ノースカロライナ州には刑事補償金の制度がない。だがこの事件がその制度を作らせ11万ドルを受け取り、また再発防止のため、さまざまな改良も加えられた。
 
ちなみに、ジェニファーとロナルドはマスコミに語るとともに講演も行ない、今日でもユーチューブなどインターネットで語っている様子を見ることができる。そして二人は親友となったのである。
 
原題は『ピッキング・コットン』。英語では綿摘みの意味。ロナルドの苗字がコットンのため、「コットンを選んで」と二重の意味が込められている。一般に綿摘みは黒人奴隷の労働だった。ロナルド・コットンの冤罪の原因の一つに黒人差別もあったということだ。こういった重層的な内容も込められた本書。是非とも本書を読み、性犯罪の被害者と冤罪で処罰される重さを吟味するためにも、必読の書だ。
 
とらわれた二人 無実の囚人と誤った目撃証人の物語」 ジェニファー・トンプソン-カニーノ,ロナルド・コットン,エリン・トーニオ 指宿信,岩川直子 訳 岩波書店

クリエイティブ・コモンズにて、転載。救援連絡センター発行「救援」紙の、2面の連載コラムより
 
--------------------------- 関連リンク ---------------------------------------------
 
 
 
 
 取り調べの録音録画や検察官の手持ち証拠の全面開示、目撃証言の採取手続きの制定など画期的な改革
 
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汚染水コントロールはされてない データ読み解く荻野晃也と

2014年10月30日 | 詠む

汚染水はコントロールされていない 東電・規制委・政府の最新公表データを読み解く」 荻野晃也 第三書館

荻野晃也と言えば電磁波の危険性を訴えた専門家として有名。

おだやかな話しぶりの紳士というかんじ。

本書では原子力、東電・規制委・政府の嘘を厳しく追及、炸裂している。

------------ 目 次 ----------------------------

はじめに 汚染水はコントロールされていない! ・・・1

第1章 東電福島第一原発の「汚染水問題」を知る
  1. はじめに・・・9
  2. 「廃炉問題」と汚染水との関係は?・・・10
  3. 汚染水はどうして発生したのですか?・・・11
  4. 汚染水はどれくらいの量があるのですか?・・・15
  5. 福島第一原発の地下水問題の背景を教えてください・・・17
  6. なぜ最近になって「地下水・汚染問題」が議論されるようになったのですか?・・・20
  7. 汚染水にはどんな核種が含まれているのですか?・・・23
  8. 汚染水は海に流出しているのですか?・・・28
  9. 汚染水は私たちにどれくらい危険なのですか?・・・31

第2章 汚染水放出の経過
  1. はじめに・・・35
  2. 原発事故後の汚染問題の経過・・・36
  3. 汚染水問題と廃炉対策・・・43

第3章 東京電力による汚染水レポートを読み解く
  1. はじめに・・・47
  2. 1~4号機の状況・・・48
  3. 汚染水問題の現状・・・53
  4. 汚染水と地下水位・・・58
  5. 汚染水の漏洩事故—1回の漏洩で広島原爆と同じ量のセシウム137放射能放出・・・69
  6. 汚染水の放射能・・・73
  7. 汚染土壌の処理・・・76
  8. 拡大する汚染水・・・80
  9. 汚染水対策・・・89

第4章 汚染水をめぐる最終報告書などをめぐって
  1. はじめに・・・96
  2. 汚染水処理対策委員会・・・97
  3. 対策委員会の最終報告書:概要・・・106
  4. 対策委員会の最終報告書:現状のリスクマップ。余震M=8は考えず・・・119
  5. 対策委員会の最終報告書:汚染水の貯蔵・・・130
  6. 対策委員会の報告書:地下水と井戸孔・・・138
  7. 対策委員会の最終報告書:透水係数の問題—鉛直方向への汚染水降下・・・142
  8. 対策委員会の最終報告書:地下水流と水質・・・146
  9. 原子力災害対策本部と資源エネルギー庁・・・156

第5章 汚染水問題と廃炉問題
  1. はじめに・・・164
  2. 事故原因を考える・・・165
  3. 崩壊熱の恐ろしさ・・・168
  4. 溶融核燃料はどのような状況なのか?・・・171
  5. 何故、地下水が建屋に流入しているのか?・・・178
  6. 溶融核燃料と汚染水・・・182
  7. 建屋地下の地質構造と地下水流と汚染状況。汚染水の沈下は無視・・・185
  8. 労働者被曝・・・190
  9. ヒューマン・エラー・・・193
  10. 測定エラーの問題・・・196
  11. 地下水流の種類・・・205
  12. 地下水流と海の汚染—最終報告書から「Ⅲ層の露出」を削除・・・210
  13. 「凍水壁」の経過・・・214
  14. 「凍土壁」の問題点・・・225
  15. 多核種除去装置(ALPS)の問題点・・・233
  16. 何が問題なのか?・・・240
  17. おわりに・・・254

あとがき 最後の文章・・・257

前書きなど

2013年9月7日、安倍晋三首相はブエノスアイレスで開かれたIOC総会で、福島第一原発について「完全にブロックされている」「コントロールされている」と発言し、全世界を欺いて2020年東京オリンピック開催を勝ち取った。

安倍発言が発せられたその瞬間も、東電福島第一原発の事故現場では、汚染水を巡って危機的な状況が続いていた・・・

荻野 晃也 (オギノ コウヤ)

1940年、富山市生まれ。1962年、京都大学理学部物理学科卒。1964年、京都大学理学研究科修士課程・原子核物理学専攻修了後に京都大学工学部原子核工学教室助手を経て講師(常勤)に。理学博士。
2003年3月末で京大を定年退職し、「電磁波環境研究所」を主宰。原子核物理学、原子核工学、放射線計測学、電磁波工学などを専門とする一方で、原子力・核問題・人権・環境問題・電磁波問題などにも物理学者として関わっている。また、日本で最初の原発認可に反対する行政訴訟である「伊方原発訴訟」では、原告(住民)側の特別補佐人となり、1976年には「地震活断層原因説」による原発の耐震問題に関する危険性を証言し、「断層結果説」の国側と対立するなど、住民・市民側に立つ科学者であることを心がけている。電磁波問題にも関心を持ち続け、ガンマー線を含む電磁波の危険性を問題にするようになっている。現在は、主に「送電線」「携帯電話」「リニア新幹線」「放射線」などの電磁波問題を中心に取り組んでいる。

主な著書
【電磁波問題以外】
 「狭山事件と科学」1977・共著/社会思想社
 「原子力発電における安全上の諸問題」1977/原子力情報センター
 「原子力と安全性論争」1978・共著/技術と人間
 「原発の安全上欠陥」1979・共著/第三書館
 「放射能の流れた町」1980・共著/阿吽社
 「アウシュビッツ(ナチス)関連年表」1988/アウシュヴィッツ・心に刻む会
 「昭和天皇新聞記事集成」1990・共著/第三書館
 「水俣の教訓を福島へ2」2011・共著/花伝社
【電磁波問題関係】
 「ガンと電磁波」1995/技術と人間
 「あなたを脅かす電磁波」1995,2001/法政出版
 「高圧線と電磁波公害」1997,1999・共著/緑風出版
 「ケイタイ天国・電磁波地獄」1998,2000・ブックレット・共著/週刊金曜日
 「携帯電話は安全か」1998・ブックレット/日本消費者連盟
 「死の電流」ブローダー著、1999・監修/緑風出版
 「電力線電磁場被曝」ブローダー著、2001・監修/緑風出版
 「携帯電話:その電磁波は安全か」カーロ他著、2001・監修/集英社
 「電磁波汚染と健康」シャリタ著、2004・監修/緑風出版
 「電磁波の健康影響」チェリー著、2005・監修/中継塔問題を考える九州ネットワーク
 「健康を脅かす電磁波」2007/緑風出版
 「危ない携帯電話」2002,2007増補版/緑風出版
 「予防原則・リスク論に関する研究」2013/本の泉社
 「危ないリニア新幹線」2013/緑風出版

 

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東京大行進2014 ―差別のない世界を、子どもたちへ。

2014年10月29日 | 詠む

デモは喉が痛くなるから、さぼってた。

これは辛淑玉が行くから、行く。------------------------------------------- 以下、転載。

東京大行進2014
―差別のない世界を、子どもたちへ。

新宿中央公園・水の広場出発
11月2日(日)12時00集合 12時30分出発
主催:TOKYO NO HATE

ワシントン大行進50周年を記念し、日本政府に「人種差別撤廃条約の誠実な履行」を求めた「東京大行進」から1年。
いまや全国各地で、多くの市民がヘイトスピーチ(差別扇動表現)をストップさせるために立ち上がっています。
これまで積極的な動きを見せてこなかった政府や自治体も、やっと重い腰を上げ、対策を検討しはじめました。
しかし、公共の場所での差別的なデモ行進はもちろん、インターネットや書籍といったメディアでも、ヘイトスピーチは相変わらず拡散しつづけています。

差別に反対するわたしたちは、ここで歩みを止めるわけにはいきません。
すべての人々が、人種、民族、国籍、性、性自認といった、本人の意思で変更することが不可能な、もしくは非常に困難な属性をもって差別されることなく、多様性が尊重される日本社会をもとめて、今年も「東京大行進」を開催します。

今年の「東京大行進」のテーマは、「差別のない世界を、子どもたちへ。」です。

いつの時代でも、どんな社会でも、もっとも虐げられやすい差別の対象は、子どもたちです。
2009年には、差別主義者たちが集団で朝鮮学校に押しかけ、暴力的、侮辱的な言葉で児童たちを攻撃し、深い心の傷を負わせるという事件が起こっています。
小中学生にもますます容易にアクセスできるようになったインターネットには、特定の民族をののしる言葉が氾濫しています。
このような差別の蔓延を、一刻も早く止めなければなりません。
子どもたちを、差別する側にも、される側にもしてはいけません。

わたしたちは、これからの社会を担っていくはずであるすべての子どもたちが、その属性に関わりなく人間として尊重され、多様な生き方を認めあうことができる世界をめざして、東京の街を歩きます。

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食品の添加物こわっ...どうしよう 渡辺雄二・幻冬舎本

2014年10月28日 | 詠む

体を壊す10大食品添加物」 渡辺雄二 幻冬舎新書

週刊金曜日の「買ってはいけない」の著者の本。

この新書は、買ってもよいものを例示してるのが味噌かな。

(1)発色剤の亜硝酸Na(ナトリウム)
  →主に明太子やたらこ、ハム、ウインナーソーセージなどの色が黒ずむのを防ぐ目的で使用されている。

(2)カラメル色素(カラメルⅢ、カラメルⅣ)
  →ソース、清涼飲料水、洋酒、菓子類、スープ、しょうゆなどに褐色をつけるために使用されている。
   カラメルⅠ、カラメルⅡには問題がないが、どれが使用されているか分からない。

(3)合成甘味料3品目(アスパルテーム、スクラロース、アセスルファムK(カリウム))
  →カロリーオフ飲料、ガム、飴、ゼリー、ダイエット甘味料などに使用されている。

(4)パン生地改良剤の臭素酸カリウム
  →ふわふわのパンをつくるために使用。
   大手製パン会社では山崎製パンのみが「添加する臭素酸カリウムは微量であり、パンが焼成される過程で分解されてしまうので、安全性に問題はない」といって使用されている。

(5)合成着色料のタール色素
  →福神漬けや紅ショウガなどに使用されている。

(6)防カビ剤のOPPとTBZ
  →輸入されるレモン、オレンジ、グレープフルーツなどに使用されている。

(7)殺菌剤の次亜塩素酸ナトリウム
  →チェーン店居酒屋のつまみ(キスの天ぷら)、カット野菜、野菜サラダなどに使用されている。
   消毒剤のカビキラーやハイターの主成分でもある。

(8)酸化防止剤、漂白剤の亜硫酸塩
  →酸化防止剤としてはワインに多く使用されている。
   漂白剤はドライフルーツに使用されている。

(9)合成保存料の安息香酸Na
  →栄養ドリンクなどに使用されている。

(10)合成甘味料のサッカリンNa
  →スーパーの握り寿司や添加されているショウガの漬物、酢だこ、歯磨き粉などに使用されている。

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高円寺「本とアートの産直市」 上野千鶴子の講演ありと

2014年10月26日 | 詠む

( 画像は、「女たちのサバイバル作戦」 上野千鶴子 文春新書 )

 

安倍政権がすすめる「女性の活用」のホンネを一刀両断にします!

上野千鶴子講演会活用される女たち


10月31日(金) 18:30開場/19:00開演

本とアートの産直市@高円寺フェス

〒166-0003 東京都 杉並区高円寺南4-10-6 明石スタジオ
※毎年恒例「ゆるキャラまつり」が開催される、高円寺中央公園のすぐそばです。

料金:1,000円(1ドリンク付き、当日券のみ)




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小説の帝銀事件...冤罪の すべて詰まるぞ松本清張

2014年10月25日 | 詠む

小説帝銀事件」 松本清張 角川文庫

昨日詠んだ分析の1年前に発表された...新聞社の論説委員が語る物語ふうの小説。

冤罪の「ありがちパターン網羅」した事件だ。

犯人じゃなくて、犯人らしきひとを捕まえる警察。

マスコミの警察・検察垂れ流し報道も指摘している。 

50 モンタージュ写真 初めてだったんだ

92 この警官は「気違い」扱いされるほどの情熱を持って調べる 執念 電話付きの家を売ってまで?

108 写真が、「違う」、「似てる」。同じというひとは?

158 コルサコフ氏病

193 正木亮弁護士 ドレフュス事件

234 証人の道徳的勇気 ジェニファーの場合を思い出すなあ

242 実に嘘つき 正木弁護士は主任弁護人を退く

246 春画 秘戯画

249 犯人らしきひとは、たくさん

256 五千人以上の容疑者 半分以上は医学の心得のあるもの

 

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謎ほぐす帝銀事件するどいな 松本清張えんざい暴く

2014年10月24日 | 詠む

日本の黒い霧」 下 松本清張 文春文庫

よくぞ分析してくれた。もう随分とまえだけど。

「小説・帝銀事件」を書いた翌年の1960年、さらに犯人像に踏み込んだ作品。

旧刑事訴訟法の最後の事件 71頁

731部隊 98頁

詐欺と殺人は、質が別。 林眞須美さんも、そうだね。102頁

下巻:
  7) 征服者とダイヤモンド これも、なるほど
  8) 帝銀事件の謎 ←お薦め
  9) 鹿地亘事件
  10) 推理・松川事件 ←これも興味深い
  11) 追放とレッドパージ
  12) 謀略朝鮮戦争
  13) なぜ『日本の黒い霧』を書いたか

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「日本の黒い霧」たたあるもんだ 庄司宏と松本清張

2014年10月23日 | 詠む

日本の黒い霧」 上 松本清張 文春文庫

最初の「下山国鉄総裁謀殺論」が興味深い。日本最大の労働組合である国鉄労組が激しい闘争を開始しようとしていた矢先。

元特高の警官が銃で撃たれた「白鳥事件」。北海道の中心だった札幌地区の日共地下組織の壊滅。

なんといっても「ラストヴォロフ事件」。外務省職員の庄司宏さんが取り調べを受けた様子は、現代にも通じるものがある。事件のことは訊かれないって、まさに公安事件だ。その別件逮捕・冤罪構造は、後に弁護士となり救援連絡センターに深く関わる遠因だ。332頁

上巻:
  1) 下山国鉄総裁謀殺論
  2) 「もく星」号遭難事件
  3) 二大疑獄事件
  4 ) 白鳥事件
  5) ラストヴォロフ事件
  6) 革命を売る男・伊藤律

 

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最終の推理なるほど狭山事件 甲斐仁志とく明石書店と

2014年10月22日 | 詠む

最終推理狭山事件 浮かびあがる真犯人」  甲斐仁志 明石書店

1963年5月1日の事件。6日にひとり、11日にひとり。二人も自殺者がでるって、よほど厳しい取り調べ。24頁

石川一雄さんは別件で逮捕され保釈され、同時に本件の強盗強姦・強盗殺人などで再逮捕。そりゃ弁護士不信になるよな。26頁

自白に追い込まれ一審は死刑判決。26頁

奇妙な脅迫状。すごい分析だ。102頁

奇妙な兄の手記、真犯人を知ってるみたいね。137頁

死体は語る。強姦ではなく合意のうえか? 親しいひとが精神的に追い詰めての性交か? 188頁

捜索後発見7物証、真犯人が置いたのと警察が置いたのと。222頁

姉も弟も自殺、これ以外にも多数の自殺があるもよう。250頁

--------- 目 次 -----------------

はじめに ── 市民の経験則による評決を

第一部 狭山事件の構図

 第一章 事件のあらまし
 第二章 捜査地図
 第三章 営利誘拐事件と誘拐推理小説・映画
 第四章 吉展ちゃん事件の真似?
 第五章 誕生祝いの最終食事
 第六章 下校時刻
 第七章 最終目撃者
 第八章 犯行現場はどこか
 第九章 犯行時刻を推理する

第二部 奇妙な脅迫状

 第十章 書き換えられた脅迫状・封筒
 第十一章 狭山湖四人組強盗犯の犯行か?
 第十二章 犯人は詩歌俳人
 第十三章 「かい人21面相」を超える犯人
 第十四章 脅迫状の一二の偽装工作
 第十五章 脅迫状の言葉遊び──「通夜・溺死なしへ」

第三部 死体は語る

 第十六章 強姦か、合意の性交か
 第十七章 背後からの腕締め
 第十八章 自己主張する善枝さん
 第十九章 「捜索後発見七物証」の仕掛人
 第二十章 死体埋没の謎

第四部 真犯人は別にいる

 第二十一章 多重偽装・狭山事件
 第二十二章 最終推理
 第二十三章 五つの犯人・犯行仮説の検証
 第二十四章 石川一雄さんは無実

 おわりに ── 冤罪を生まない捜査・裁判と弁護へ

  あとがき
  参考文献

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「三匹のおっさん ふたたび」の活躍 まわりも堪能ゆかい作なり

2014年10月21日 | 詠む

三匹のおっさん ふたたび」 有川浩 文藝春秋

ゆかいな還暦力さくれつしてる「三匹のおっさん」の第二弾。

母や孫の人間的成長も楽しいね。

 

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死刑囚「慈悲と天秤」異色作 岡崎正尚ポプラ社の本

2014年10月20日 | 詠む

慈悲と天秤 死刑囚・小林竜司との対話」 岡崎正尚 ポプラ社

法科大学院生、進級ぎりぎり、司法試験は難しい、合格しても喰えないかも...などと悩む青年の手記から始まる。

筆者は他者と関わるのが苦手、アスペルガー症候群でもあるのだが...しだいに死刑囚の青年と深い友情を培っていく実話。

----------- 備忘メモ -------------------

43 裁判員制度と死刑 週刊現代の記事

64 弁護過誤ではないのか? そのうえ裁判官も酷いし...

109 未決囚(死刑囚)の請願作業

162 本を書き上げることが生きる意味

176 戦後初の検察側上告 永山則夫

297 刑場の公開 千葉景子法務大臣

309 林眞須美死刑囚は誰とも交流を認められていない

310 昔は死刑囚も一般人や新聞記者と面会できた

312 免田栄(元)死刑囚はカナリアを飼っていた 逃げたのを探してほしいとラジオに投稿

326 弁護士いらず 本人訴訟必勝マニュアル」 三浦和義

328 光市母子殺害事件の弁護団への嫌がらせや脅迫など

331 封筒の裏に〆書いちゃ駄目 面会で紙をみせちゃ駄目

332 加害者家族の支援

140 近親間殺人

242 イリノイ州の死刑停止 その後に廃止

342 火薬のにおいのない戦争 「被害者に寄り添う」人々が「人権派」とカテゴライズされた人々に挑んだ戦争

351 フロッピー前田 でたじゃん

368 小林死刑囚は「救援」よんでるんだ 川口和子弁護士

-------------- 目 次 -----------------------------

Ⅰ章 ・・・・・・5
Ⅱ章 ・・・・・・35
Ⅲ章 ・・・・・・139
Ⅳ章 ・・・・・・205
Ⅴ章 ・・・・・・295

東大阪集団暴行殺人事件概要 ・・・・・・390
主要参考文献・参考ウェブサイト ・・・・・・398

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「無窮花の哀しみ」ふかい聴きとりよ 伊藤孝司の風媒社・刊

2014年10月19日 | 詠む

無窮花(ムグンファ)の哀しみ <性奴隷>にされた韓国・朝鮮人女性たち」 伊藤孝司 風媒社

著者からのメールには「本に証言を掲載した女性は、すべて亡くなっています。」とある。

14人は、もう亡くなっているんだ。風化させないための記録写真集なのだろう。

梁石日、ヤン・ソギルの小説「めぐりくる春」も辛かったけど、彼女たちの証言も辛すぎる。 

------------ 備忘メモ ------------------------------------------

180 女性のためのアジア平和国民基金 民間からの金を貰えば、体を売ったことと同じことになる

207 証言の特徴と信憑性 分析している

--------------- 目 次 -----------------------------------------

はじめに 3

〈証言〉

私自身が強制連行の最も確かな証拠ではありませんか。 盧 清子 24

朝鮮人の特攻兵と一緒に歌って泣いたこともあります。 李 貴粉 34

朝鮮語を使っただけで「トキ子」は首をはねられたんです。 金 英実 46

「処女供出」の名目で私たち3人が連行されました。 李 相玉 53

16歳の時、警察で拷問され気がついたら福岡の「慰安所」でした。 沈 美子 59

朝鮮と中国の女性150人を並べ首切りを始めたんです。 金 大日 76

空襲が激しくなっても「慰安所」には兵隊が並びました。 姜 順愛 84

反抗した裸の女は性器を拳銃で撃たれて殺されました。 黄 錦周 95

殺された「慰安婦」たちは地下室へ捨てられました。 郭 金女 104

ひとりで1日30~70人もの相手をさせられたんです。 文 玉珠 112

「妊娠して役に立たないから殺す」と言って、お腹を軍刀で切ったんです。 李 桂月 123

勤労挺身隊として行った日本で「慰安婦」をさせられました。 姜 徳景 132

兵隊は彼女の首を切り、その煮汁を飲めと強要しました。 李 福汝 147

日本や韓国の若者に事実を教えなければなりません。 金 学順 153

〈ルポ〉

奪われた記憶を求めて ─ 元日本軍「慰安婦」沈達連さんの強制連行の現場から 164

日本への恨、戦争への恨 ─ 「慰安婦」だったことを恥だとは思わない。そうさせた日本が悪いのだから。 176

朝鮮で暮らす性奴隷被害者たち ─ 計り知れぬ苦悩の果てに語られた過去 189

無窮花につつまれて ─ 韓国人元日本軍「慰安婦」金学順さんの死 215

あとがき 222

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原発の技術者の言う怖さとは 小倉志郎の彩流社本

2014年10月18日 | 詠む

元原発技術者が伝えたいほんとうの怖さ」 小倉志郎 彩流社

八木啓代ライブの常連さん。実直そうな小父さま。

大学院を卒業してから35年間、定年まで東芝で原子力技術者として働いたひと。

設計や現場にも深く関わる。なにしろ福島原発で働いたひと。

>原発を、奇しくも1818年の3月11日にシェリー夫人が出版したゴシック小説「フランケンシュタイン、あるいは現代のプロメテウス」の、人を殺さずにはいられない悲劇の人造人間に例える。

出版元の彩流社救援・縮刷版」をだしてる奇特なとこ。

 

 

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長生きの時代を生きるこれからの  老・病・死をば乗り越えて本

2014年10月17日 | 詠む

「長生き時代」を生きる  老・病・死の不安をどう乗り越えるか 加賀乙彦 落合恵子 小澤利男 集英社

------------ 備忘メモ ---------------------

94 胃ろうの適用

98 チーム医療

119 緩和ケア

187 事前指示書 したためておくか

192 死刑囚との出会い 「宣告

198 死刑になる直前の歌 思い出のグリーン・グラス

------------ 目 次 ---------------------

第1部 「長生き病」が増えてきた 小澤利男と加賀乙彦の対話

第2部 急速な高齢化のひずみ  落合恵子と小澤利男の対話

第3部 老いの心がまえ 加賀乙彦と落合恵子の対話


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崩壊をしている司法...裁判官 吉永満夫・日本評論

2014年10月16日 | 詠む

崩壊している司法 横浜事件再審免訴判決と仕事をしない裁判官たち」 吉永満夫 日本評論社

絶望の裁判所」が中からなら、これは外から。

----------- 備忘メモ ----------------

24 尊属殺人 中学生の娘が父親に強姦され、母親も親戚も近所のひとも助けてくれないまま

32 利息制限法 司法積極主義

33 砂川事件 司法消極主義

39 おっとびっくり石田長官

 ---------------------- 目 次 -----------------------------

第1章 裁判官の職務上の義務違反・職務怠慢と驕り

   ――本書で訴えたいこと

1 単純な問題の単純な解決方法

2 免訴判決制度の簡単な説明(読者へのお願い)

(1) 刑の廃止と免訴判決 
(2) 確定判決前の刑の廃止と確定判決後の刑の廃止

3 免訴判決の理不尽さ・不合理性

(1) 裁判の打ち切り
(2) 社会的意義が皆無の判決
(3) 関係者の労力の否定
(4) 死者の「手続からの解放」の不合理性
(5) 金では回復されない名誉
(6) 一貫性のない説明
(7) 内容的に失効しない原確定有罪判決
(8) 二重の危険禁止の原則を忘れた免訴判決 

4 横浜再審免訴判決に対する批判の視点

5 裁判官の職務上の義務違反・職務怠慢と驕り

(1) 裁判官の職務上の義務違反・職務怠慢
(2) 裁判官の驕り


第2章 裁判の基本原則

  ――納得できる裁判とは

1 「裁判」とその「理由」

2 裁判の論理的整合性

(1) 論理的整合性とは
(2) 裁判自体における論理的整合性
(3) 証拠上認められる事実との関係における論理的整合性
(4) 法令及び法律原則との関係における論理的整合性

3 裁判の社会的妥当性

4 裁判の哲学性と思想性(裁判官の良心)

(1) 裁判と哲学的思考
(2) 人権思想と法の支配
(3) 裁判と政策形成(司法積極主義
(4) 裁判と政治(司法消極主義
(5) 哲学性と思想性に欠ける裁判 

5 横浜再審免訴判決と司法の堕落


第3章 免訴判決とは

  ――免訴規定の適用限界と法の空白

1 免訴判決という制度について

(1) 刑事訴訟法の規定
(2) 刑の廃止と裁判での審理方法
(3) 裁判打ち切りの宣告である免訴判決

2 刑の廃止規定等の適用限界

(1) はじめに
(2) 「犯罪後一・二審判決言い渡しまでの間」に生じた刑の廃止等
(3) 「控訴審判決後上告審判決言い渡しまでの間」に生じた刑の廃止等
(4) 「原判決確定後再審判決言い渡しまでの間」に生じた刑の廃止等
(5) 再審裁判に関する法の空白


3 刑の廃止と無罪判決との関係について


第4章 常識を疑う横浜再審免訴判決

  ――60年後に「訴追を免じること」のおかしさ

1 裁判官としての職務を放棄した横浜再審免訴判決

(1) 免訴判決に対する怒り
(2) 報道機関による裁判官の常識を問う批判
(3) 法の論理と常識の相克

2 再審裁判一般の手続の流れ

(1) はじめに
(2) 再審「請求」手続と再審「公判」手続
(3) 「無罪」再審と「免訴」再審
(4) 「裁判をやり直す」ことの意味について

3 横浜事件と再審免訴判決までの流れ

(1) 確定有罪判決
(2) 再審請求
(3) 横浜地裁の再審開始決定
(4) 東京高裁の決定
(5) 横浜地裁再審免訴判決


第5章 「刑事」裁判」と「再審」裁判

   ――「刑事」裁判」とは言えない「再審」裁判

1 この第5章の結論

2 そもそも「刑事裁判」とは

(1)  刑事裁判制度の目的
(2) 検察官の請求(起訴)から始まる刑事裁判
(3) 時代・社会と連携する刑事裁判制度

3 確定判決を経た元被告人の立場

(1) 二重の危険と再訴の禁止
(2) 二重の危険と免訴判決
(3)  確定判決の存在と公訴権の「消滅」
(4) 公訴権消滅後の再審裁判

4 戦後における再審制度の変質

(1) 戦前の再審制度と不利益再審
(2) 戦後の利益再審のみの再審制度
(3) 再審制度の目的=無辜の救済
(4) 再審裁判における公訴権の変質

5 再審無罪判決による救済内容

(1) 刑罰の執行からの解放
(2) 名誉の回復と無罪判決の公示
(3) 無罪判決の公示と拘禁補償の公示との違い
(4) 拘禁補償の公示とプライバシーの問題
(5) 裁判に要した費用の補償

6 再審裁判の手続上の特色

(1) 原裁判と断絶した再審裁判
(2) 再審裁判開始の発端
(3) 再審請求の取り下げ
(4) 社会から切り離された再審裁判
(5) 被告人不在でも審判可能である再審裁判
(6) 元被告人に出頭義務がない再審裁判
(7) 制度目的から外れた求刑と刑の量定
(8) 再審有罪判決と刑の執行
(9) 再審有罪判決と前科
(10) 再審開始決定の効力について

7 再審裁判における公訴権論と訴訟条件論

(1) 訴訟条件について
(2) 再審裁判での訴訟条件の問題点
(3) 再審裁判における異質な公訴権
(4) 原判決確定後の「刑の廃止」及び「大赦」
(5)  再審有罪判決と原判決確定後の「刑の廃止」及び「大赦」
(6) 原裁判所が訴訟条件の判断を間違えた場合の措置

8 再審裁判における訴訟条件固定論

9 かくして「再審裁判」とは

第6章 横浜再審免訴判決誤判論

 ――再審制度を否定する裁判の打切り 

1 破綻してる再審理論

(1) 「事実認定の誤り」を是正しない再審裁判所
(2) 再審間違った公訴権論・訴訟条件論
(3) 刑事訴訟法も予定していない再審裁判の打ち切り
(4) 再審制度の否定につながる免訴判決
(5) 制度設計上あり得ない「免訴判決申立手続」
(6) 免訴判決を求めるための再審請求は背理

2 欠陥だらけの横浜再審免訴判決

(1) 社会的意義・機能が全くないこと
(2) 「手続からの解放」という詭弁
(3) 免訴判決では「名誉回復」にならないこと
(4) 3回の無罪立証を強いたこと
(5) 社会的損失だけを残したこと

3 矛盾に満ちた横浜再審免訴判決

(1) 明白な論理矛盾の存在
(2) 論理的一貫性のない趣旨不明の説明
(3) 論点をはぐらかす免訴判決
(4) 論理的整合性を欠く説明
(5) 言い訳をする免訴判決
(6) リップサービスに過ぎなかった証拠調


第7章 通常事件における刑の廃止規定等の適用限界

  ――免訴判決に潜む不合理性 

1 はじめに

2 戦後における刑事裁判システムの変更

3 理念とされた英米法思想の刑事裁判観

4 プラカード事件と最高裁判決

(1) プラカード事件の概要
(2) 最高裁判決
(3) 百家争鳴の意見

5 刑事裁判の現実

6 通常事件での免訴判決の不合理性


第8章 判例・学説の状況と裁判官の職務怠慢

  ――再審裁判での刑の廃止規定等の不適用 

1 刑の廃止規定等の適用を否定する従前の判例・学説

(1) 免訴規定適用説の判例とこれに対する実務家の批判
(2) 免訴規定不適用説の判例
(3) 2000年当時通説である免訴規定不適用説
(4) 2000年当時の「再審裁判と公訴権」論

2 横浜再審免訴判決の義務違反・職務怠慢

(1) 判例・学説の無視
(2) 思考しない裁判官たち

2 学説「免訴規定適用説」とこれに対する批判

3 学説「免訴規定不適用説」の更なる展開

第9章 崩壊している司法

  ――法曹一元制度の実現に向けて 

1 権限を行使しない横浜地裁の裁判官たち

(1) 法の空白と判例(司法立法)について
(2)  横浜再審裁判と法の空白
(3)  横浜再審免訴判決に欠ける勇気

2 哲学性も人権思想にも欠ける最高裁判所大法廷決定

(1) 婚外子相続分に関する2013年大法廷決定
(2) 大法廷決定の違憲判断の理由の不合理性
(3) 大法廷決定の違憲理由の詳細
(4) 違憲審査手法に哲学性が欠ける年大法廷決定
(5)  司法権の権限行使を放棄した大法廷決定
(6) 人権思想に欠ける大法廷決定
(7) 気骨のない裁判官たち
(8) 判例変更の事実を隠蔽する大法廷決定
(9) かばい合いと自己弁護をする大法廷決定

3 育たない裁判官

(1) 官僚システムに組み込まれた裁判官
(2) 玉石混淆の裁判官社会
(3) 野に出て初めて知る「世の中」

4 崩壊している司法と幻の法曹一元制度

5 裁判官制度改革の失敗

(1) 裁判官の質の低下と絶対量の不足
(2) 司法制度改革審議会の設置
(3) 司法制度改革審議会の中間報告
(4) 裁判官増員に抵抗する裁判官たち
(5) 司法制度改革審議会の最終意見書
(6) 実現できなかった裁判官の質と量の改革
(7) 追い詰められている裁判官たち

6 残された課題 = 裁判官制度の改革

注釈・引用文献
[資料1]裁判の進行と刑の廃止との関係図
[資料2]法律条項集
[資料3]無罪判決の公示例


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