千恵子@詠む...................

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映画「田中さんはラジオ体操をしない」

2011年07月31日 | 芸術

 社 畜 を 拒 否 す る  田 中 さ ん の 映 画

沖電気に解雇された田中哲朗さんの名前を意識したのは九二年の参議院議員選挙の時だった。選挙のたびに主張をしていた東郷健さんが、何千万円も使って全国区に立候補するのに協力したときだ。テレビ、ラジオ、無料の選挙葉書、ポスター掲示板。せっかくの意見表明の機会だったので、わたしは「警察国家はいやだ」を主張するため、東京地方区に立候補したのだった。

世間様からは泡沫候補と笑われても、主張型の立候補のうち真摯なひとは何人かいる。そのひとりに田中さんがいた。会社から解雇されたのに、200万円もの供託金を払った決意に驚く。八王子に住む共通の知人を介して連絡をもらい、ほんの少しだが掲示板へのポスター貼りを協力しあった記憶がある。電話で話したさいの、なんと純なひとだろうという印象を鮮明に覚えている。

彼のウェブサイトを見ると、選挙で大きなストレスがかかり、眼底出血から網膜剥離、ついに左眼を失明したそうだ。また果敢に闘っているさまは、彼からの頻繁なメールで知る。

その田中さんの映画『田中さんはラジオ体操をしない』。現在63歳。30年前に毎朝のラジオ体操を拒否したために沖電気を解雇され、以来、工場の門前で毎朝30分、企業ファシズムを批判する歌を歌い続ける。当時自民党の亀井静香代議士も激励にきたくらいだ。そして毎月29日には、一日中座り込みを実行。そこには椅子もあり、サロンと化している。

会社の株主総会には、毎回出席して意見を陳述する。田中さんを支援したことから社内でいじめに遭っていた友人を救うため、社長に直談判したこともあるという。学習塾とギター教室で生計を立てているが、その広告を毎朝抗議行動する会社門前の電柱に出している。この発想は、すばらしい。

木刀で鍛錬する田中さんの姿から始まる映画は、オーストラリアの女性監督の作品。端正な顔立ちでバイクに跨り疾走する田中さん、トレードマークはテンガロンハット姿のシンガーソング・ファイター、不屈の民だ。

いじめられっ子に、ケンカのノウハウを伝授する場面。株主総会の前夜に泊まり込みで、仲間たちと会社側の人間に抑え付けられた時の対抗方法を練習する場面。妻や子ども、親との関わりも含めて、田中さんの人柄が伝わってくる。

一見の価値のある映画だ。


◆ドキュメンタリー映画『田中さんはラジオ体操をしない』

オーストラリア映画/マリー・デロフスキー監督

YouTube: 田中哲朗 政見放送(参議院議員選挙1992年)

 

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保安院

2011年07月30日 | 詠む

保安院きみたちいったい何なのさ 原発めぐる嘘の塊

保安院やらせ 今のままなら解体せよ 東京新聞社説7月30日

>経済産業省原子力安全・保安院が二〇〇七年八月、中部電力浜岡原発のプルサーマル発電に関するシンポで、参加者の動員や原発に肯定的な発言を依頼していたことが明るみに出た。

「3・11」以降、タテヤやらホアンインやらミリシーベルトやら...人口に膾炙しないジャーゴンが続々登場。ひんぱんに出てくるようになった。なにやら麻痺じょうたいになりつつ、こんどは07年の「やらせ」が発覚と。

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少しでも

2011年07月29日 | 詠む

少しでも気を抜きたれば是の夏は ぱくりと地獄都会のジャングル

7月に熱波で1首を詠んだ。このところ、グェン・カオ・キ、スコット・トゥロー「推定無罪」を翻訳した上田公子、原田芳雄中村とうよう、小松左京と相次ぐ訃報に...世の無常を感じている。

毎日スポーツクラブで30分の運動をしているというと、元気ですねえとか言われる。実際は、ずいぶん違う。もう十数年に亙って励行していても、近年は体力強化に至ってないもの。せいぜい弱体化への歩みを緩慢にするという程度かしら。

頭脳を使わず神経を使う仕事の日々。からだに負荷を掛けないと、安らかな眠りに入りにくいのさ。はてさてこの夏、乗り切れるかな。

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弁護士会

2011年07月28日 | 詠む

弁護士会主催のときはラッキーね 資料どっさり参加費なしと

さいきん赤貧なので、会場費が高いものは参加を躊躇してしまう。交通費も捻出ままならないので...霞が関までの6駅を歩いて行きたいが、時間ぎりぎりなので160円の出費。ともかく行くぞ。

布川事件無罪判決報告集会 「布川事件の44年が問いかけるもの」えん罪を生まない刑事司法へ

日時 2011年8月1日(月)18:00~20:30
場所 弁護士会館2階 クレオA会場地図
(千代田区霞が関1-1-3 地下鉄丸の内線・日比谷線・千代田線 「霞ヶ関駅」B1-b出口直結)
内容
(1)桜井昌司氏・杉山卓男氏のお話

(2)弁護団報告(基調報告)
山本裕夫氏(布川事件桜井氏主任弁護人)
(3)研究者報告
豊崎七絵氏(九州大学法学研究院准教授)
(4)質疑応答、意見交換
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JR

2011年07月27日 | 詠む

JR遅刻2分で晒しもの 日勤教育敗訴するなり

遅刻2分の運転士、さらし者5カ月「頭も悪い、心も悪い」と暴言 JR西の日勤教育訴訟 産経新聞7月27日

>乗務員訓練に2分ほど遅刻したことだった。鍵谷さんが課された日勤教育の期間は、今回の訴訟の原告で最も長い約5カ月。だが、「日数や達成目標などについて、事前に説明は一切なかった」という。

>上司らに取り囲まれ、「こんなアホはおらん。下の下や」「頭も悪い、心も悪い」といった暴言を浴びせられた。退職届の用紙を渡され、辞職も迫られた。

>なにより苦痛だったのは、「さらし者」にされたことだった。同僚から丸見えの場所で、命じられるまま連日、就業規則をひたすら書き写した。「先が見えない毎日だった」

地獄じゃん。

しかし請求を認められた運転士は、4分の1にとどまるという。

これが二十数年前、日本最大の労働組合を分割し弱小化させようとした奴らの手口ね。

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強姦の

2011年07月26日 | 詠む

強姦のエッチおじさん無罪へと 最高裁の自判ありけり

強姦事件で逆転無罪確定へ 最高裁「被害供述不自然」 共同通信7月26日

>千葉市のビルで女性に乱暴したとして、強姦罪に問われた配送業の男性被告(53)の上告審判決で、最高裁第2小法廷は25日、「被害者の供述は不自然だ」と判断し、懲役4年の一、二審判決を破棄、逆転無罪を言い渡した。無罪が確定する。

>法律審の最高裁が事実認定を覆し、自ら無罪と判断するのは珍しい。裁判官4人中、千葉勝美裁判長ら3人の多数意見による結論。古田佑紀裁判官(検察官出身)は被告の上告を棄却するべきだとの反対意見を述べた。

参考:判決 弁護人は前田裕司さんたち

「見知らぬ女性に100回以上にわたり手淫等の性行為に協力させている」なんて、エッチおじさんどころか変態野郎と大声で断罪したい。だからといって、強姦犯の濡れ衣も...おかしいか。

被害者の供述の不自然さ。

ただし、少数意見あり。古田佑紀判事の意見も一理あるけど、疑わしきは罰せずで...いいじゃん。

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マッコリが

2011年07月25日 | 詠む

マッコリが人気になるは嬉しいが 化学薬品さけたいものだ

韓国酒マッコリ無免許「密造」で主婦に罰金80万円 読売新聞7月21日

>マッコリは韓流ブームなどをきっかけに日本での消費が急増。主婦の密造酒も、飲食店で客に提供され、「おいしい」と評判だったという。

梅酒だって、マッコリだって...自家製のが、いちばんおいしいもの。

>主婦は読売新聞の取材に対し、「免許がいるとは知らなかった。梅酒を家で造るのと同じような(違法でないという)感覚でやっていた」と説明。今も、焼き肉店などから「造って」と頼まれるというが、主婦は「あかんことだったから、もうやめた」と話している。

一罰百戒なのかしらね。

ところで、さいきん人気のマッコリ。うちの近所のイトーヨーカ堂でも、8種類でている。ほとんどが、アステルパームとか恐ろしげな化学薬品が添加されている。

無添加のだと、ちいさな瓶で400円。とても高くて買えないや。

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大阪で

2011年07月24日 | 詠む

大阪で労組活動禁止する 前代未聞の仮処分とは?!

大阪地裁が労組活動を禁止 週刊金曜日7月18日

>労使紛争の最中に、ごく一般的な労働組合の宣伝行動をも禁止する仮処分決定を出した大阪地裁に対して、「会社の不当・不法行為を免罪し、加担する暴挙で、憲法、労働法を踏みにじる前代未聞の行為」と抗議の声が強まっている。

宣伝カー、ビラを禁止ってさ。仮処分を申請するほうも変だけど、それを認めた大阪地裁第一民事部の横田典子裁判官って、顔みてみたい。

>弁護団によると、司法の反動化が進む中で、世の中の動きや労働組合の意義を理解していない裁判官が増加。そのため、「従来の常識で、まさかと思う油断は禁物。裁判官に、一から労働基本権とは何かを理解してもらう取り組みと、世論の広がりによる裁判所の監視が重要」としている。

なんか、なめられまくってるんじゃないの?

わたしも労働組合員、他山の石じゃなくて対岸の火事じゃなくて...なんとかしなくちゃ。

 

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みまかりし

2011年07月23日 | 詠む

みまかりし彼の遺作は大鹿の 村の歌舞伎と個性派喜劇

映画「大鹿村騒動記」 主演の原田芳雄が、「自らの原点を確認するためにどうしてもやっておきたい」と切望した企画だ。エンドロールは、忌野清志郎の歌。

彼が71歳だったということ、みまかったということに、たいへん驚いた。まだまだ現役ばりばりだと思っていたから。

大楠道代が60歳という設定なのだが、認知症になってるのが現実感あり。

白菜農家の外国人研修生に「過労死に気をつけろよ」という芳雄の台詞も、南アルプスという背景にあってるようだ。

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ゴビンダさん

2011年07月22日 | 詠む

ゴビンダさんよもやまさかのD鑑定 あれこれ思う事柄多し

外国人、オーバーステイ、冤罪、女性社員の労働、東京電力の体質&その後に出世した上司、木谷明・元裁判官、DNA鑑定、つっこみどころ満載の新展開。

ずっと気がかりだった事件。ノンフィクションでは、佐野眞一「東電OL 殺人事件」。小説では、桐野夏生「グロテスク」が参考になった。

さて、再審なるか。

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アボカドは

2011年07月21日 | 詠む

アボカドはスープのなかで緑色 滋養ゆるりとメキシコ風味

下北沢のメキシコ料理店「テピート」、拙ブログでは5首め。

下北沢に移転してからは、たぶん3回目の訪問。地図を片手に、またもや夜の迷路を彷徨う。

コース料理のなかの一品。じっくりと煮込んだ透明なスープのなかに、食べごろのアボカドが数切れ。

今まで、アボガドと発音してたけど、調べてみたら第三音は清音なのだった。アボガドは、弁護士なんだって。

いろんな食べ方があるけれども、スープの中に入ってるのは初めて。おいしかった。

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楊令に

2011年07月20日 | 詠む

楊令に女買わせるなんてのは ホモ・ソーシャルの極みなりけり

北方謙三の「水滸伝」、破格の面白さ。

替天行道の志に1首。愛すべき黒旋風李逵に1首と進んだ。

みなしご楊令が成長するさまも素晴らしい展開なのだが、なんと女を買わせる場面に唖然。

北方謙三からホモ・ソーシャル取ったら、何も残らないか(苦笑)。

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シネコンは

2011年07月19日 | 詠む

シネコンは十数作が並んでも きらり一本見つからぬ夏

90年かな。暑い夏。上映時間が長いという理由で選んだ「ダンス・ウィズ・ウルブズ」、大当たりの映画だったな。

シネマ・コンプレックスって、駄作ばかり。夏休みは、お餓鬼さま向けばかりなりけり。

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ヤクルト飲むひと せっちゃんのこと

2011年07月18日 | 

2006年8月に書いたもの。メールを整理していたら、見つかった。

 「ヤクルト飲むひと せっちゃんのこと」

ヤクルトなんて砂糖入りの色水だと思ってた。買ったことなんてないもん。職場にヤクルトレディがくる。オジサンがタフマンを飲む。お洒落さん用にはジョアがある。低GI飲料とかいう、わけのわからないものも。でも、どれも、わたしは欲しくない飲みたくない。とくに必要のない品物だし、ワゴンで配って歩くぶんだけ値段に反映されてる感じ、ヤクルト姉さんの笑顔も加算されてるんでしょ。
 

わたしの敬愛する辛淑玉(しん・すご)さんは違う。ヤクルト販売人を見かけるたびに一本買い求める。これは、小学校二年のときから家計のため内職を始めた彼女が、四年生からヤクルト販売のしごとで身につけた習い性。買い求めるたび、相手に向かって心のなかで「ガンバレ」と念じる。好きこのんでヤクルト販売をやってるわけではなく、それしか仕事がない現実。貧乏という不幸の体験を通しての洞察に裏打ちされた、やむにやまれぬ思いからくる行為だ。
 

消しゴムカバーの糊つけ、袋貼り、ガラスビン集め、箱詰め作業、新聞配達、チラシ配り、パン屋、ケーキ屋、焼肉屋、喫茶店の店員、アサリ売り、荷物下ろし、ホステス、皿洗い、ヘアモデル、下着や水着のモデル、映画のエキストラ、DJ、パチンコ屋、鉄くずの仕分け、ビルの清掃、キャンペーンガール、手配師、深夜警備、店頭での客引き……。これらはみな、八歳のときから、せっちゃん(辛淑玉の愛称)が、貧しさから逃れるためにした仕事の数々である。成長過程でのさまざまなエピソード。
 

幼稚園に入れてもらえないことから、朝鮮人であることを自覚する。朝鮮学校に転校すれば「パンチョッパリ」(半日本人)と呼ばれ、反省会の場で「思想が悪い」と自己批判させられることもあった。中学二年のころ、朝鮮学校で夏の遠足「革命キャンプ」のお金が払えないことで教師に責めたてられたため反論。数人の教師から殴られたことで家出する。


折々食べ物様子を描いていく。ここにでてくるは、日本人にとって御馳走ではない。「せっちゃんごちそう」なである。

ちいさなころから闘って道を切り開いたせっちゃん、兄弟や両親をも支えたせっちゃん。この本には切なくて大切なものが沢山つまっている。いまの辛淑玉さんは、背筋がすっきり伸びたいい姿勢だが、せっちゃん、こと新山節子(創氏改名を強いられてつけた日本名)の、表紙に描かれた姿もまた、元気いっぱいだ。

■辛淑玉 『せっちゃんのごちそう』 日本放送出版協会

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フクシマの

2011年07月17日 | 詠む

フクシマの移民二世の歌つむぐ 吟遊詩人八木啓代

60年前にヒロシマが世界共通の言葉になったように、「3・11」以降フクシマが地球の反対側のひとにも知られる地名となってしまった。

八木啓代さんはフクシマゆかりの作曲家について、このように紹介している。

>ペルーの有名な作曲家ルイス・アベラルド・ヌニェスは美しいワルツやマリネラの名曲をいくつも書いた方でした。

>この方が日系であることは私もうすうす知っていましたが、なんと、福島県ゆかりの方だったのです。フルネームは、ルイス・アベラルド・タカハシ=ヌニェスそして、ひょんなことから、彼の作品がたくさん私の手元に届きました。どれも、いままで歌いたくならなかったのが不思議なぐらいの美しい曲です。
期待しようっと。

7月20日 (水) 下北沢 テピート  
(東京都世田谷区北沢2-34-8 KMビル3階)  問い合わせ/03-3460-1077
19:45~ (入れ替えなし) Charge:2000円(タコスチップスとサルサ付)
アクセス/小田急線下北沢より徒歩5分  地図

メキシコ料理カフェ、テピートが下北沢に移転。よくあるアメリカンスタイルのメキシコ料理とはまったく別物の本格的なメキシコ料理、たいへんおすすめ。
ギター小林智詠

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