テディちゃとネーさの読書雑記

ぬいぐるみの「テディちゃ」と養い親?「ネーさ」がナビする、新旧の様々な読書雑想と身辺記録です。

新春特別企画《怪傑!テディちゃ頭巾》第一巻

2007-12-31 22:29:54 | 新春特別編!
 さあさあ、良い子のみんな、寄っといで。
 坊ちゃん、嬢ちゃんも見ておいで。
 《うえぶ紙芝居》の始まりだ、
 さあさ、座ったり座ったり、
 飴玉いるかい、水飴ァどうだい、
 ほいよ、後ろの御子らも、よっく見な。

 いざや、語って聞かせましょう、
 昔むかしのその昔、
 花のお江戸のそのむかし、
 町を沸かせた騒がせた、
 テディちゃ頭巾のものがたり――


 **  **  **  **  **  **  **  ** 

「うんしょッ、こらしょッ、はァ、つかれたァ~」

 走っております、ころころと。
 小路を右へ、左へと、
 テディちゃ頭巾が走ります。

 寒がりで、何かにつけては頭巾を被り、
 あァやッぱりィずきんはぬくいィ、などと言っておりますところで、
 人呼んで、
 《テディちゃ頭巾》。

 はあ、なんと?
 頭巾なんか被っていないじゃないか、と?

 さよう、
 それには訳がございます。

 なんと、テディちゃ頭巾、
 追いかけられている真っ最中。
 
 こけつまろびつ、
 東へ西へ
 道から道へと進むうち、
 頭巾はふっ飛ぶ、
 草履は無くす。
 お腹は空いて、喉も渇いた。
 まったくもって困りもの。

 ぜんたい何者に追いかけられているか、と申しますと――

『やい、寄越せ!
 やれ、寄越せ!
 オマエが隠したことはお見通しだ!』

 飛来する黒い影!
 鋭い爪が狙うのは、テディちゃ頭巾の頭としっぽ。

「やめろォッ、
 テディちゃはァ、なにもォかくしてなんかいないやいッ!」

 払いのけ、押しのけ、えいッとゲンコツを振りまわし、
 するとそのうち、
 一斉に散る黒い影。

「あァ、よかッたァ、あれはッ」

 木戸をくぐって現れ出たのは、
 火の用心~と声を揃える見回りの小父さんたち。

「おうッ、テディちゃじゃねえかッ。
 早くけえんなよッ、今夜は北風が冷たいぜッ!」
「うんッ。ありがとう、おじさんッ」

 帰りたいのは山々ですが、
 はて、まっすぐ帰っていいものか。
 さっきの黒い影たちが、家へ襲い来ぬとも限らない。
 いやいや、
 そもがそも、
 なにゆえ奴等は襲ってきたのか?

「さッぱりィ、わからないなァ……?」

 どうしたものかとテディちゃ頭巾、
 黒いお鼻を一撫で、二撫で。
 と、妙案に膝を打つ。

「そうだッ、ネーさししょうにィ、そうだんしようッ!」

 そうだッそうだい、そうしよう、と。
 テディちゃ頭巾はえッこらさ、
 またまた、こけつまろびつ、小走りに。

「お~いッ、ネーさししょう~ッ!」

 はて、ネーさ師匠とは何者ぞ?
 黒い影たちの正体を、誰が知る?
 長い語りとなりまして、
 続きまするは第二巻、
 ゆるりゆるりとお待ちあれ。
 
                            [つづく]
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