東京都の(県の木)はイチョウです。
他にも銀杏(いちょう)を県の木とするのは、神奈川県と大阪府です。
都バスの前部にも、銀杏マークのシンボルが貼り付けてありますね。
東京の銀杏と言えば、
最も有名なのは神宮絵画館前の並木道で、
最盛期には多くの人達がそれを見にやってくる一大スポットとなっています。
The Third Man / 第三の男
神宮に銀杏並木を見に来る人達の頭の中にきっとあると思うのは、
1949年のイギリス映画「第三の男」ではないのでしょうか。
あの名優そして鬼才、オーソン・ウェルズの主演映画。
何と言っても、そのラストシーンの印象が忘れられません。
銀杏並木で彼女を待つ、ジョセフ・コットン。
しかし彼女、アリダ・ヴァリは彼を一瞥もせずに通り過ぎて行く。
アントン・カラスのチターの音色。
名画というのは、思い出しただけで涙が出てきます。
あのシーンは本当に忘れられない。
そんなシーンに浸りながら神宮を訪れる人も多いのでしょうね。
その銀杏が切り倒されるとかいう話があるそうです。
神宮の森、再開発計画があるのです。
東京都の木とは言っても、あの木は実は厄介者で、
その落ち葉は中々腐らずに脂分が多くて車が滑るのです。
年は分かりませんが都電が銀杏の落ち葉でスリップして、
歩道にいた人3人を轢き殺してしまった事故もあったそうです。
その他にも、銀杏の実は臭くて嫌われるし、
以前はその実を取りに来る人なども沢山いたらしいのですが、
現在はそんな人もいなくなり、採取に来る業者もいなくなってしまったそうで、
都としては、もう無くなって欲しいというのが本音みたいです。
そして、銀杏の木というのは樹木としての価値があまりなく、
碁盤や将棋盤、あるいはまな板程度にしか利用されなく、
もうこれ以上は植えない、増やさない、
出来れば切ってしまいたいのが都の方針らしいのです。
絵画館前の銀杏並木は残すかもしれないのですが、
他の場所にある銀杏は、どうやら伐採されるのかもしれません。
チョッと心配になりますね。