テレビを見ていたら、人類はテクノロジーを手に入れたのと引き換えに進化を止めた、という話をしていた。生物の進化というのは、環境に適応するために長い時間をかけて変化し続けていくことだ。が、これでは急激な環境変化には対応できない。例えば、防寒具を発明することで、人類は寒い場所へも進出して来たのだ。
そういう話を聞いていると、地球上で最も繁栄し、生物の頂点に立っているように見える人間が、生物としては最も脆弱な存在だということに今更ながら気づかされる。裸で放り出された人間は、自分を守る術を何ひとつ身につけていないのだ。社会問題としてよく取り上げる弱者救済という話は、テクノロジーの発達の上でしか問題にはできないのである。
テクノロジーの進歩は、この先人間の寿命も伸ばしていく。傷ついた体の代用できる機械から、劣化した遺伝子の修復まで可能になるだろう。まるでSFの世界のように、人体の何パーセントまで機械化すれば、人間は人間ではなくなるのか。
あらゆる物事には、必ず良い面と負の面が同じだけある。神様が自分の姿に似せて創造したと言われている人間の現在を見ると、神様が意図した地球の一員としての生物としては、傲慢さばかりが目立つ失敗作に思える。となると、人間が創造したテクノロジーは、それ以上の失敗作になる可能性は高いに違いない。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます