OLD WAVE

サイケおやじの生活と音楽

超越的盛り上がり♪

2006-03-19 20:03:49 | Weblog

やった~ぁ~♪ WBCはついに韓国に圧勝して決勝進出です! う~ん、一時はどうなることかと思いましたが、先日の冬季五輪の荒川静香的な興奮が蘇えりましたねぇ~♪ こうなれば、もう、大団円の大爆発を期待してしまいますが、実は私は、もう満足しています。

それにしても、日本でここまで盛上がるとは誰が予想していたでしょう。

ということで、本日はそんな1枚を――

Alone Together / Dave Mason (Blue Thumb)

近年、メキメキと評価を上げていると、私が勝手に思っている名盤です。いや、裏名盤かなぁ……。まあ、それはさておき、とにかく私は生涯、聴き続けるに違いないアルバムです。

その内容は、スバリ、スワンプ・ロック! しかもその最初の完成形でしょう。主役のデイブ・メイソンは英国の実力派ゴッタ煮バンド=トラフィックに在籍しながら、出たり入ったりの問題児でしたが、何故かトラフィックには欠かせない人気者という扱いでした。その秘密は素晴らしい作曲能力です。実際、トラフィックといえば天才の称号が与えられているスティーヴ・ウィンウッドが一番目立つと思いきや、私にとってはデイブ・メイソンが作った曲の方が好みでした。

ですから、このアルバムは私の感性にジャストミートの1枚です。もちろん全曲がデイブ・メイソンのオリジナルです。そして主役を支えるメンバーはレオン・ラッセル(key,g)、ジョン・サイモン(key)、ラリー・ネクテル(p)、カール・レイドル(b)、ジム・ゴードン(ds)、ジム・ケルトナー(ds)、デラニー&ボニー(vo) 等々の他、西海岸派&スワンプ系の腕利きが書ききれないほど参加しています。そして録音されたのは1969年の夏~秋、発売は1970年ということは、当時ジワジワと盛上がっていたスワンプ・ロックの決定打になるはずだったのですが、実はリアルタイムではほとんど話題になることがなかったと思います。

しかし内容は素晴らしい♪ それは――

A-1 Only You Know And I Know
 いきなりズバッと始まる生ギターのコード弾きから躍動的なリズム隊のキメ、さらにルーズにカッコ良いエレキギターのイントロ、そして若干オトボケ気味のデイブ・メイソンのボーカルが、仄かに脱力していて、もう、最高です。
 この生&エレキギターの組み合わせは、後のドゥビィー・ブラザースのノリにパクられていますが、元祖・本家はこの曲でしょうね。とにかく豪快なカッティングとオカズの入れ方が、最高にツボです。もちろん強烈にドライブするベースとドラムスのコンビネーションも♪ まずは聴いていただければ、虜になりますよ♪

A-2 Can't Stop Worrying, Can't Stop Loving
 複数で絡む生ギターの響きが心地良い出だしから、当にメイソン節全開のメロが素敵な曲です。しかもドラムスとベースが、かなり重たいビートを弾き出しているので、安易に甘い方向には流れていません。しかし、それでも和んでしまうのはデイブ・メイソンの人徳? はっきり言って、好きです。

A-3 Waitin' On You
 とにかく思いっきりスワンプ・ロックしています。それは力んでなお、脱力のボーカルと熱い女性コーラスの絡み、重いビートのリズム隊、さらに伝統を大切にしたロック&ブルースなノリがミソになっています。
 ちなみに元ネタは夭折した1950年代の天才ロッカーであるバディ・ホリーなんですが、それと知ってか知らずか、この曲のノリ&展開は当時の日本のロック・バンドがさかんにパックています。例えば伊藤銀次の「日射病」とか、聴いてビックリの似たものどうしですよ。おぉ、そういえば、今回の紙ジャケ再発の日本語ライナーは伊藤銀次! 

A-4 Shouldn't Have Took More Than You Gave
 これなんか、全くトラフィックそのものという曲で、私は大好きです。実際、再結成のステージでは演じていましたですね。この幻想的でありながら、どこか土の香りが漂ってくるのが、デイブ・メイソンの持ち味のひとつです。ここではワウワウのギターが全篇を支配するんですが、リズム隊の重いノリは、完全にサイケロックとは違う、土着的なものを作り出しているのでした。

B-1 World In Changes
 マイナー調のメロディが冴える人気曲ですが、やや型にはまった展開が個人的にはイマイチです。後半のオルガン・ソロからの盛り上がりもクライマックスでフェードアウトするのでした。

B-2 Sad And Deep As You
 これもトラフィックの影を引きずった名曲です。清々した生ギターとピアノ響き、達観したかのようなデイブ・メイソンのボーカルが最高です。聴いているうちにキース・ジャレットが演奏しているのではないか? という錯覚に陥るほどで、ぜひカバーして欲しいですねぇ~♪

B-3 Just A Song
 これも1970年代の日本語ロックの元ネタのひとつという裏名曲です。ここではバンジョーを入れたカントリー・ロック仕立ですが、コーラスの重ね方や重いビートのジャズっぽさは、後のイーグルスに繋がるものが感じられます。

B-4 Look At You At Me
 最後を飾るのは力強い1970年代ロックそのものという曲です。オルガンとギターのキメやその後のギター・ソロという展開がお約束の楽しさになっています。
 デイブ・メイソンのギターは若干、センが細く、それゆえに泣きもありますが、いつも同じようなフレーズしか弾かないということで、それほど凄いギタリストではないんですが、味だけは天下一品です。
 それとこのアルバムで確立しているアコギのリズムギターにエレキのソロとキメという奥の手は、CS&Nのスティーブン・スティルスと共通していますが、この曲あたりは、それが一番感じられます。

ということで、実はこのアルバムはエリック・クラプトンのソロ第1作目の雛形でもあります。それは聴いていただければ、すぐにご理解いただけると思いますが、出来は圧倒的にこちらが上と、私は強く思っています。ただし、クラプトンのアルバムも別の意味で、私は大好きなのです。

あと、この作品は曲毎の出来の素晴らしさに加えて、全体の流れも上手く仕上がっています。そしてジャケットの魅力も大きく、オリジナル・アナログ盤は三つ折にカンガルー・ポケット、さらにデイブ・メイソンの顔が大きなハンガーになるという、凝ったものでした。それが今回、紙ジャケ仕様のCD復刻でミニチュアながら見事に蘇えっておりますので、ぜひともご確認下さいませ♪ あぁ、紙ジャケはやっぱり良いなぁ~♪

そして私の車には常時装備の1枚です。初期ドゥビィー・ブラザースあたりが好きな人にもオススメ致します。おそらく初っ端の1曲で完全降伏でしょう。

 

コメント
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