信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

当たり前のことではあるが・・・・・

2015年11月15日 21時51分30秒 | Weblog
先週、風邪で熱が下がらず、不覚にも4日間ベットから起き上がれなかった。
日曜日の夕方、冬タイヤに履き替えて自宅に戻った頃からなんだか寒くてたまらず
体中が針で刺されたように痛む。
この1か月間、咳と鼻水が続き、アレルギーであろうと耳鼻科で治療中だった。

夜中、体が熱くて目が覚め、熱を測ったら39度もある。
眠気のほうが立ち、そのまま朝になる。
それから毎日、日中、9度近くの熱が上下し、夜になると39度3分まで上がる。
その繰り返しで耳鼻科に電話したところ受診してくださいというが、気分が悪くそれどころではない。

4日目、このまま肺炎で死ぬかもしれないと思い受診した。
気管支炎で抗生剤が処方された。
寝ていても起きても気持ち悪く顔が青くなり立ちくらみする。
9度以上の熱が続いたのは初めてで、若いと多分それほど不安を覚えないかもしれない。
65歳以上の老人の死因は肺炎だと思うと身近に感じる。

老女の孤独死などと新聞種になっても困る。
3日で3キロ減り、しなびれ婆さんに一気に変わった。鏡などしみじみ見れやしないではないか。

受診した後、今度は眠れなくなり、床の中で本を読んだ。
内館牧子の最近作、「終わった人」講談社刊





自分は女性だが、63歳で定年を迎えた男の心情を事細かに描いている。
昔から定年うつ病という病名があるように定年前後の男性の陥る問題を読んで行くうちに
あまりにも身近で主人公に近づいてしまっていた。

しかし病気中に読むものではない。吐き気すら感じ途中で本を閉じた。
治ってすっきりした時に読もうと思った。
男性と女性とは定年を迎えた時に世間に対して感じることは違うと思うし
主人公のような東大出身の昇進レースを続けたわけでもなく、趣味がなくプライドは高いというキャラでもない。
内館牧子らしく次々と定年後の日常と心の内をよくもまあと思うほど書き続ける。

共通は60で終えよう、と65で終えようと定年後の着地点は大差ないということだ。
老人は地域で生活していけば誰もみなおんなじ。
働いていた時の肩書も学歴も必要になることがない。

病気して今回何よりも強く思ったのはその日、その日を健康に過ごせることだ。
当たり前だが意外に体調は年々衰えるし、感染症だってもらうかもしれないし、
元気な精神と体を維持したい。
庭では晩秋の桜の葉の紅葉が最後の赤い色に燃えている。
寒い地域では桜の葉がこれほど赤くなるとは知らなかった。