信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

ええ~この地域でソプラノが聞けるとは・・・・

2014年08月28日 11時49分58秒 | Weblog
お盆が終わり、地元の農家のキャベツの集荷に誘われた。
7月に1日だけ参加し、きつかった仕事だが、初体験で気持ちはノリノリだった。

先週は今度3日間の作業になった。
7月に一度行ったが手順を忘れ、どんなスタイルをしたら良いか思い出さないままに
朝の8時から夕方まで、10人前後の老人男女に入り働いた。
その際、オーナーの奥さんから近所のお寺で今週末にソプラノ歌手が来てコンサートを行うから
来てみない?と誘われた。

折からその日の午前中は高遠のバラ園のボランテイアに初参加であるが、
午後から金鳳寺という曹洞宗のお寺に出向いた。
一度ぶらりと立ち寄ってその高台のお寺から見下ろした景色と、番犬の柴犬がかわいらしく、
又行ってみようと思ったものだ。



コンサートは地元中心でかやぶき倶楽部という同好会で50人ほどの会員で構成し、毎月
1回合唱をしたりゲストを招いてコンサートを行っているという。
事務局はお寺の住職さんで、住職の奥さんが司会をしたり進行をしたり面倒を見ている。

今回は住職さんの妹さんの音大の後輩で現在ロンドン在住でオペラで活躍している
宮川佳子さんというソプラノ歌手のコンサートである。
といってもお寺の本堂で、ピアノの伴奏のみでマイクもなく、50人ほどの倶楽部員の前で
の生歌を歌うのであり得ないほどの数メートルの目の前の感激の場面となった。

ソプラノ歌手の宮川さんがドレス姿で現れた時は、東京のオーチャードホールで
第九の合唱を聴いたのが最後でもう思い出せないほど月日が経ち、
コンサートと名がつくものから遥かに遠ざかってしまっている。

歌劇、ラ、ボエーム、フィガロの結婚、こうもりなどから3曲、日本のポップス3曲、ミュージカルから
1曲、そしてtime to say good byeで約1時間引き込まれて聞き入った。
若い美しい女性が目の前でマイクなしで玉を転がすような声で歌うその声に鳥肌が立つ。

コンサートの後には倶楽部員でよく知られている日本の楽曲を歌うが、同じ人間こうも違うもの、と
思いつつ声を張り上げた。
特に地方に移住して歌をうたう機会など全くなく、年齢とともに声帯は加齢で衰え、直ぐにむせってしまう。

喉の衰えをいやと言うほど毎日直視して生活しているが今回、歌を唄い、衰えた声帯を実感し
た。
がさがさ声と高音が出ず、年齢とともにどんどん低くなってきた自分の声にコンプレックスを持っている。
高校生の頃合唱コンクールのメンバーに毎年選ばれていたのはどこのどいつだ?
マゴに歌を唄って上げるのも音程が定まらず音痴かと思う日々だ。

けれど声を出すのはとても気分が高揚し、胸を張り、悪くなってきた姿勢を正してくれる。
毎月1回の会合だが、全く知らない土地に来て、富士山より高い縁遠いオペラの世界だが
解説付きで知識も得て巡り合うことも運の良さかなと思う。

恐るべき老人パワー仕事集団

2014年08月22日 20時46分29秒 | Weblog
お盆が終わり、雨の日が多かったが、涼しくて久しぶりにぐっすり眠れたと客人たちは
喜んでくれた。
ムスコは一人残り、朝早く木曽駒ケ岳に登り運良く雨から雨上がりで日に焼けて帰ってきた。

月曜日に客が帰った後の掃除を済ませ翌日から地元のキャベツの収穫の仕事をする。
前回の7月のメンバーでの家の近くの畑だが、朝の8時から3日間の仕事になった。

今回は毎日更新する猛暑の最中であり日よけもないキャベツ畑だ。
10人前後の顔ぶれは70歳が一番若いという男女の中に入り前回の仕事も良く覚え切れないのだが
まずは広い2反5畝もあるという一面キャベツを包丁で切り出し、お昼近くになり、コンテナに
積み込むのだ。

現在葉物野菜は天候不順で高値になっており、信州産のキャベツは今週は4割高になっているという。
1個1.5キロ以下は出荷の対称にならずはねられる。
大体2.5キロから3キロ近くあり1個1個外の皮を数枚バリバリと破り、包丁で根から切り落とし
片手に持って更に虫食いや汚れた葉を数枚破りきれいに整えその繰り返しだ。

1時間も経つと中腰でかがんでの仕事なので、腰を伸ばしてくださいと声がかかる。
目の前には中央アルプスが聳えているので景色は抜群だが、何といっても炎天下の作業なので
30分もすると汗が体中から噴出し、目に入って痛い。
10時になると休憩だ。
冷たいお茶が振舞われ西瓜やトウモロコシがおやつに出てくる。
そして又仕事は再開し、11時になると切り出したキャベツを軽トラに乗ったコンテナに
バケツリレーで畑から積み込む。
皆70代とは思えない3キロ近くあるキャベツを放り投げ、受け取りそのピッチの速さといったら
リズミカルでその輪の中に入ったらそのペースにはまってしまう。
今回もバスケットのパスの練習みたいと言いながら午前の部は終了。
午後は又1時に集合し、最高に暑い時間に続きの畑の残ったキャベツを切り出していく。

コンテナは1台、450キロのキャベツが入るのを満タンに積み込み、積み次第JAの集荷場へ軽トラで
運び込む。

1台450キロ入るコンテナに、16台も1日で収穫した。
何と、6.3トンもあった。
10人で一日6.3トンのキャベツを商品として根から切り落としきれいに整え、更にコンテナに
積み込むまでの重労働を炎天下で3日間でやり遂げてしまった。
コンテナに積む役もいい加減に積めばいいものでなく
、積み方が決まっており、誰もができると言う訳でない。

作業の環境は厳しく、しかも両手を使って加重の負荷も高く、これまでスーパーの野菜売り場で
考えたこともない商品になる過程を産地で経験し、農家の労働のきつさを思いやる。
キャベツは育っていくに従い、重さで右や左に倒れるし、虫食いや腐りもあり
収穫は機械では出来ず手作業だ。

集団に入っての屋外作業はコミュニケーションの場となり、しかも作業内容にとても神経を使う。
たかがキャベツといえず、商品であるので規格品を揃えねばならず、自分の判断で一つ一つ
作り上げていく。
しかもスピードも大事で周囲にあわせ作業を進める。キャベツの葉を剥くのは意外に大変だ。
おお~キャベツの女王様というくらいすばらしい品はそう滅多にない。
3キロは生まれた赤ちゃん一人分。それを片手で持つ。
まさしく筋トレだ。

伊那に引っ越し、すっかり二の腕は筋肉で硬くなり、それに輪をかけて日焼けで黒くなり
逞しくなってしまった。
次は9月の中旬に別の畑で育ったキャベツの出荷作業に借り出される。
知らない土地で目的を持って期限付きの仕事の仲間に入り、達成感を味わい、コミュニケーション
が取れ地元の情報を仕入れる場となり、これはとっても認知症予防には良い機会であると思える。



1週間前の中央アルプス、千畳敷カールの夏山風景


楽あれば苦あり

2014年08月14日 18時55分30秒 | Weblog
先日、早起きの徳として二重の虹を見たが、何か良いことあったかといえば
答えに詰まる。
何も無かった。

それよりも台風一過の期待で翌日の青空を期待したが、毎日続いて雨が降っている。

ゴールデンウイークの後から庭に野菜や草花を植え始めた。
とにかくだだ広いので、空間を埋めようと苗を植え、種を播き、雑草を抜き、支柱を立てたり
誰を頼ることもなく自分を頼り、孫の相手をする時間を縫って働き続けた。

木々もなく直射日光を受け、日焼け止めを塗るも効果なく、顔や手足は隠しても黒く恥ずかしい
姿になってしまった。
友人が私の背中を見てあらら・・・ヨウコサン、随分焼けたわねえと温泉でばれてしまった。
外へ出た途端、虫刺されや日焼けを気にかけなくなって作業に夢中になってしまうから
反省が効かない。
5,6,7月と3ヵ月余働き、庭は近所の人たちから一人でよくやったわねとお褒めを頂くまでに至った。
ただがむしゃらに空間を埋めようと、ガーデニングの勉強もせず、植えていっただけで、実際は水遣りが一番
体に応えた。
骨粗しょう症の治療をしており、両手に重いものをぶら下げるのはいけませんとか医師に言われながら
朝夕片手に10リットルずつの水が入ったジョウロを両手に持ち広い庭の草花に水を播いた。

7月から8月になると雨が全く降らず、台風が来た後からカンカン照りが続き、土はヒビ割れした。
この頃からもう毎日伊那に引っ越してきたことを心の中でののしった。
これほど雨が降らない土地であるのを知っていれば、引越ししてくることはなかったのにと
誰にも言えない愚痴をこぼす。
毎日じょうろでかける水などタカが知れていて、表面しか濡れず根まで届いていない。

だから今回の11号の台風で雨と、強風であっさり伸びてきた草花は倒れてしまった。
特にひまわりやコスモスは根が浅いからモロだ。
来年から絶対に植えないからと言いながら3回も植え返したが、倒れるほうが早くまたまた怒る。

そうして台風一過後毎日の雨で植え返した庭の草花は雨の中で急激に伸び始めた。
花も咲き始めた。
明日から姪一家や息子たちがお盆でやって来る。
楽しみの数日間が始まる。
雨模様が続くようだから草取りや水撒きもなく、しばらく庭の作業から開放される。
体が楽になるので嬉しい。

雨が上がった夜7時半、家の外で花火が上がる音がする。
地域の花火大会か、左の山側と正面の伊那市街地で盛んに花火の大玉が上がる。
これはこれまで生活ではなかったこと、イイネ!

台風11号に気持ちが暗く

2014年08月11日 09時39分26秒 | Weblog
日曜日の朝からテレビは台風情報が続き、どこで止めて良いか、仕事をしながら目が離せない。
取り分け進路となる四国と三重地方の大雨の被害には胸が痛み、先日の12号の被害と続き
何で?と思っても仕方ないが、避難している住民を想うと落ち着かない。

伊那地方は雨の降り方が遅く、お昼頃からかねて溜まっていた友人たちへの手紙書きを始めた。
途中で手が疲れ、メールも何通か書き、味気ないがスピードは速いと気を良くする。

やっと開放されたのが夕方の4時。

ずっと家にこもっていたので外に出ようと、折からの県知事選挙の投票所へ行き
その足で書いた郵便類をポストへ投函。

車で走り始めて気がついたが、出会う車もなく走っている車がいないではないか。
カインズホームで台所の雑貨を買い外へ出た途端強風と大雨で飛ばされそうになった。

いよいよ台風が近づいて来たか!
車が飛ばされたらどうしようと思いながら帰宅したが、強風で庭の背の高いひまわりや
コスモスが軒並み倒れている。

見ない振りをして明日の朝の仕事に決めた。
落ち着かない気持ちが続き夜は外の大雨と強風が気になり、ビデオに撮った寅さんシリーズを
横目に見ながら少し気分が軽くなり、ベーグル作りを始めた。
これもかねて懸案の退職したらやってみようと思っていた作業だ。




約2時間余、焼きあがったが、今度は眠れなくなり、ベッドに入りYouTubeで菅原洋一の知りたくないの
など聞くが、目が冴えた。
そこで何と、必殺仕事人、何度も聞きたくなるサントラを聞き始めたらあの哀愁あるメロディに
引き込まれた。
いつの間にか眠っていたらしい。

そして朝5時起きして庭に出てアルプスを仰ぎ見たら・・・・・驚きだ。
2重に虹がかかっている。
人生初めての光景だ。
しかしどんどん雲が流れ、虹がきれいに見えたのも束の間だった。
早起きのご褒美であろう。










植物好きのDNA

2014年08月09日 21時31分48秒 | Weblog
台風12号と、11号が続き九州、四国地方は三重県では過去に経験ない最大級の避難勧告が出て
想像できない1300ミリという大雨になっている。

昨年も京都の嵐山での被害が忘れもしないのに次々と今年も早いうちに大雨の被害が続く。
大雨と猛暑の異常気象が珍しくなくなってしまった。

それなのに毎日この1ヶ月雨が降らず砂漠化しているこの伊那は今日も土の表面が湿るまでいかず
の雨しか降っていない。

頑張りすぎて植えた庭の草花や野菜たちに朝夕の水遣りが一番重労働だが、
ついつい考えてしまう。

          

 
タネを播いて花が咲き始めた風蝶草の花には特に念入りに枯らしてはいけないと水をあげる。
この花は私の高校生の頃、父が庭に作っていた。
寡黙な父がこのはなが一番好きだ、と言っていた。

写真もない時代でその後亡くなった父の好きな花と思い出すこともなく今になってしまった。
自分がこの60代後半になり55歳で亡くなった父の年齢を越え、折々に触れて父親の思い出がよみがえる。

教員だった父の趣味は川釣りと植木作りだった。
それほど広くない庭には隙間なく草花が植えられ池が作られ、金魚が泳いでいた。
父が亡くなった後金魚が全部死んでいた。
太く成長していた柘植の木が枯れてしまった。
後を追ったのだと母は言った。

本が出回っていなかった中学生時代、自分の愛読書は父の園芸全書だった。
なぜだろう?
子供の好んで読む本ではなかったが面白かったのだ。

兄姉は父のDNAを引き継がず、今頃になって老いてから自分の好きな時間が花作り
だと思うと父親に似たかなと手を抜けなくなった。

私のDNAは私の子供にいつか引き継がれるか・・・・時間が経たないとわからない。

風蝶の花が今日も風に揺れ、可憐に咲いている。

  

丁度お盆にかかり、父の好きな花が庭で咲かせることができて少しばかり親孝行したかなと
切なく思う。


野菜、取れすぎ。

2014年08月05日 12時36分32秒 | Weblog
原村から伊那に引っ越して初めての夏。
ムスメの土地と併せて250坪の敷地に好き勝手に草花や野菜を作る。
何といってもはじめての土地だから、今年から反省点ができ始める。

1150メートルの標高の原村と700メートルの伊那とは様々な違いを知る。
もと野菜や稲を作っていた土地だから土の質は上等だ。
いい気になって、時間にあかせて広い土地を埋め始めた。
草花は育ち始め咲き、景色が変わり朝夕散歩する人々がきれいですね、と褒めてくださる。
この前を通るのが楽しみになりましたと最高の褒め言葉を頂くと、
もう手を抜くわけに行かなくなった。

蜂に刺されようと体中が筋肉痛になろうと休むことなく農作業を続ける。
草花は育ってもいい。
日照りが続くこの地域は朝夕の水遣りが重要で、草取りと併せて1時間半かかる
重労働だ。

苦労に応えて育っていく、野菜は一人暮らしの高齢者には食べきれない。
ムスメもあまり飛びつかなくなってきた。



そして花火大会の前日、きゅうりの棚を見て驚く。
少しだけ収穫をサボったら、お化けきゅうりが沢山ぶら下がっているではないか。

雨も降らないし水不足で、曲がったきゅうりも多く、大山盛り収穫した。
5キロもある。
捨てるには忍びない。
ムスメたち一家は明日から1週間近く旅行に出かけるので相談には乗れない。ただ、
きゅうりのきゅうちゃんを作ったら…と言い残して出かけて行った。
4キロの完熟梅も間に合わず、さしす漬けを作っておいてと頼まれた。

かくして花火大会の朝から4キロの梅漬けと、5キロのきゅうりの漬物作りに
時間を取られた。

きゅうりを刻み続け、塩漬けして2時間後に漬け汁を作り沸騰させきゅうりを浸す。
冷えた後その後3回漬け汁を沸騰させて浸すを繰り返した。



やっと出来上がったのは花火が終わった夜の10時過ぎ。
もうへとへとになった。

けれど5キロのきゅうちゃんは冷蔵庫に保存するが保存容器が場所を占めすぎている。
ご近所に恐る恐る低姿勢になって配ったら、意外、ことのほか喜ばれた。

翌日朝食にご飯に乗っけて頂くと、ぱりぱりして、美味しいではないか~。
苦労は報われた。取れすぎたきゅうりは今回はこれで良かったが、来年からは植えるのは制限しよう。



伊那市の夏祭り

2014年08月05日 12時11分04秒 | Weblog
8月に入り、花火大会や夏祭りが話題になって来た。
お盆も近づき、この季節は涼しさを求めて都会から避難して来る客を迎える
楽しみもある。

先週、蜂に刺され思わぬ打撃を受けやはり10日間くらい罹り治っていった。
ただし蜂が刺した後は皮膚の組織の損傷が酷く、左手は赤黒く色が残っている。
足長蜂といえど侮れず、醜い後が残った
アナフィラキシーショックになるという医学的な病態は自分が経験して初めて
その怖さを知った。
そして、昨日、またまた草取りしている朝にもみじの枝に大きな足長蜂の巣を発見。
今度は鳥肌が立った。
お隣のご主人が注意深く退治して下さった。

かわいそう、折角ここまで大きく作った巣の蜂を殺すのはと思ったが
やるかやられるか、と諭された。

そして8月3日の夜は伊那市の花火大会。
伊那祭りに併せて天竜川と三峰川の合流する河川敷で花火が4000発上がるという。
昨年の諏訪湖の花火大会で、大雨に見舞われサバイバル経験をし、
雷と豪雨の下で死ぬかもしれないという恐怖感を味わい今年はパスした。

夜の7時半、自宅から見下ろす伊那市街地方面のどの辺から花火が見られるのか
興味シンシンだった。
丁度玄関のデッキに座り、真正面に花火が上がった。
約1時間半、規模も違うが家からのんびり椅子に座って見られるのんきな花火は
またいいものだ。
夜になると気温が下がり、この日は22度。
涼しさが過ぎて長袖を羽織り、すっかり冷え切っての花火鑑賞だ。