信州スロウライフ12ヵ月

野菜や草花と暮らす生活

忘れていた心

2007年10月05日 22時32分27秒 |  日記
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今週は雨の日が続き、その合間をねらって畑の手入れをした。
雑草が伸びたのを抜き、夏の野菜を一掃した跡を耕し、花壇を手入れした。
畑は違えるほどすっきりして垢抜けした。
ひっくり返った花を起こしてみるとその陰に嫌と言うほど夜盗虫を見つけた。
この春先であればその姿を見た途端、体が固まって声も出なかったが
半年経って、農作業になれた私は片っ端から殺していくほど強くなった。(ただし素手ではなく)

夜盗虫は畑の天敵だ。

やっと休日6日目に大体の家の中の作業も終わり、インターネットの不具合も治り、今日は久し振りの晴れ間が出たので、お昼から犬と散歩に出た。
せいぜい20分くらいと踏んでいたが、歩き始めたら、八ヶ岳が雲間から姿を見せ始めそれを見ながら
リンクはこちら→ズームラインを歩き、黄金色の田んぼに見とれた。
すっかり秋も深まった原村の景色を見ていると、この春の散歩の時を思い出した。
自分の置かれた今の立場、これからの将来、周りに馴染めるかどうかとか色々考えながら毎日毎日八ヶ岳や南アルプスを見ながら歩いた。
4月になりお花作りの手伝いを始めた。6月ごろまでは週に2回くらいの割りでぽつぽつと手伝い、自分の畑作りが主体だった。
それが・・・・菊が成長目覚しく追いつかなくなり、8月になると何だか毎日菊と向かい合っていた。
今年も猛暑が影響してどんどんつぼみが出て来て、お彼岸向けに6時まで時間も延長して行った。

9月はよく覚えていない・・・・。
出荷が始まり、5万本の菊を切っては束ねて箱詰めし、ついに夜の12時まで働いた。
9月の終わりには畑はすっからかんになり、休暇に入った。
生活リズムの落差が大きく、私は腑抜けになり、溜まった家事仕事や事務作業を片っ端からこなしていった。
じっとしていられないのだ。
一生懸命慣れない農作業をこの年で働いたのだからと家族から労われ
ゆっくり休むよう言われてもその落差に慣れない。
ああ私は根っからの貧乏性になってしまった、とこの数日頭から離れない。
しかも罪悪感さえあるのだ。
それはこの原村は農村だから周囲の家はことごとく朝早くから畑で働いているからであり、老人も家にいず働いているためと思われる。

今日ゆっくり景色を見ながら2時間近く散歩をして、この春先の自分を振り返った。
あの頃は沢山やりたいことがあった。
行きたい場所も沢山あった。
それが半年経って自分が小さくなって行った。
小さな空間で外へ踏み出そうとしない、面倒くさいと考える自分がいる。
危ない、危ない、せっかく信州へ引越してきた甲斐がないではないか。
それを気付かせてくれた今日の散歩の時間であった。
山登りもしたい、美術館へも行きたい、紅葉を見て回りたい。
年をとると気ぜわしくなるのかやりたいことだらけ!

今の季節はどのいえの庭先でもピンクのサフランが咲いている。
この村に来てはじめて見た花だ。 DSCN4569.JPG

木々もわずかに紅葉が始まった。
今年は猛暑だったので、紅葉はあまり綺麗ではないと言うが、これからこの1ヶ月でどのような変化が来るか楽しみだ。
何と言っても日帰りで信州内を廻れるのだから。
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