コートジボワール日誌

在コートジボワール大使・岡村善文・のブログです。
西アフリカの社会や文化を、外交官の生活の中から実況中継します。

学校給食と日本(2)

2008-11-19 | Weblog
「学校給食自給自足」事業の式典は、市内のホテルのホールで行われた。ブルレーヌ国民教育相が主賓、ゴシオPTA会長が事業の「名付け親」として列席した。このゴシオPTA会長は、コートジボワールの流通の要であるアビジャン自治港の公社長であり、与党の大物幹部である。彼のような重要人物と知己になるいい機会とばかり、挨拶を交わす。呼ばれれば、どのような会合であれ顔を出すと、必ず得るものがある。会場の正面に貴賓席 . . . 本文を読む

学校給食と日本(1)

2008-11-18 | Weblog
学校給食事業の式典があるので、日本大使に来てくださいという招待状が来た。招待状の片側には、スポンサー企業などのロゴと並んで、日の丸が堂々と印刷してある。日の丸を背負った話なら、もちろん出席しなければ。しかしながら、この学校給食事業とは何だ。日本政府が、現在そのような事業にお金を出しているはずはないのだが。調べてみると、私の全くの不勉強であり、次のようないい話があることが分かった。 コートジボワー . . . 本文を読む

強盗団の襲撃事件(2)

2008-11-17 | Weblog
さて、大使公邸の強盗襲撃事件についてニュースを聞いたら、誰もがコートジボワールはまだまだ治安が大変ですね、過去に紛争があった国に住むというのは、危険で心配なこともあるものですね、というだろう。もちろん、強盗団が徒党をなして、しかも武器を持って、一国の大使の邸宅を襲う、そして警察との間で銃撃戦が交わされた。まるでアクション映画さながらの出来事であり、こんなことがこのアビジャンで現実に起きたとは、驚き . . . 本文を読む

強盗団の襲撃事件(1)

2008-11-15 | Weblog
ある主要国の大使の公邸が、賊に襲われた。今週の月曜(10日)の早朝、というかまだ暗い夜中に、事件は起こった。昨日になってはじめて報道に出た。新聞記事によると、次のような次第であった。 夜中に、10人ほどの武装した強盗団が、当該大使公邸の玄関の前にやってきて、門を警備していた警備員を脅して縛り上げた。強盗団は、そのまま公邸の中に入り込んだ。隣宅の警備員が、これを見て直ちに警察に通報。警察の治安部隊 . . . 本文を読む

子供たちは学ぶ

2008-11-14 | Weblog
この国に来て、なかなか馴染めないのが、段取りの悪さである。悪さというより、段取りが無いというか、気にしないというのか。先日も、「カリタス」というNGOが、アビジャンの貧しい地区の小学生たちに学校教材を配るので、引渡式に来賓として参加してくれと言われた。「カリタス」といえば世界的なNGOだし、案内して来たのが懇意のバチカン大使だから、この行事と日本との関係は全く不明ながら、行きますよという返事をした . . . 本文を読む

誰がアクセルを踏むのか

2008-11-13 | Weblog
11月30日に行われるとされていた大統領選挙が、先延ばしになることが、正式に決まった。月曜日(10日)にブルキナファソの首都ワガドゥグで開催された、「ワガドゥグ合意」実施協議会の結論である。 2007年3月に達成された「ワガドゥグ合意」は、国家の南北分裂を解消し、さらに新たに大統領を選ぶための選挙準備内閣をつくって、これに全ての政治勢力が参加する、ということを内容とする。これを隣国のブルキナファ . . . 本文を読む

お金が蒸発する

2008-11-12 | Weblog
ジャックさんは、生産した香料エッセンスを、出荷の都度トラックに積んでアビジャンまで搬送する。アビジャンまでの200キロ余りの道のりで、何度も検問がある。全部あわせると、だいたい6万フランから9万フラン(1万5千円から2万円)が必要という。「関税」と呼ばれているが、もちろん本当の関税ではない。検問を通過するために払う、袖の下である。どこにそんなもの払えと書いた規則があるか、警察に言うぞ。いや、「関税 . . . 本文を読む

立派な牝牛が来た

2008-11-11 | Weblog
村では、「アグリランド」農場の社長、ジャックさんの邸宅に泊めてもらうことになっている。柑橘類の農園の中に、芝生の広い庭付き。洋風の邸宅を見てほっとする。なにより、「アグリランド」の工場の自家発電機のお陰で、電気も冷房もある。私たちは、砂漠でオアシスにたどり着いたように転がり込んだ。なにしろ、昼間に泥だらけ、ほこりだらけになっていたうえに、村に着いてから、歓迎式典の歌と踊りにつきあって、一緒に輪に入 . . . 本文を読む

市長の余計な親切

2008-11-10 | Weblog
なぜか、忙しい日程表の中に、その男への表敬が入っている。午後も遅くなって時間も無くなりつつあるし、もう一ヶ所ほど畑に立ち寄りたかった私は、先を急ごう、と言ったのだが、アワさんは、先方は大使には是非お寄り頂きたいと言っている、10分でいいから挨拶しておいてくれ、という。だから、わざわざ役場に立ち寄った。その男とは、市長である。 町の交差点の角に、二階建ての役場が建っている。敷地内に車を駐めると、が . . . 本文を読む

香料エッセンスの農園

2008-11-08 | Weblog
525ヘクタールというから、代々木公園の10倍ある。それだけの広さに、オレンジ、ベルガモット、シトロンなどの柑橘類の木々が、見渡す限り並んでいる。柑橘類は、食べるためではなく、果実の皮から香料のエッセンスを取るために、植えられている。ここは、ギトリー町のさらに西、バボコン村(Babokon)にある、「アグリランド」農園。農園で収穫された果実は、農園附属の工場に集荷され、機械にかけられてエッセンスが . . . 本文を読む