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熱血塾教師35年+教育コメンテーターのオールマイティー井澤が 「受験」、「子育て」の成功法を公開!

「9月新学期についてどう思われますか?」(No.940)

2020年05月29日 11時29分52秒 | 受験・学校

9月入学についてどう思われますか?

 「政府が先送りにする。」とのことですので、「いまさら・・・」感もありますが、多くの方から質問を頂いていましたので、今回話しますね。

結論から言って、

 新型コロナウイルスで世の中が大変なこの時期に社会全体に大きく影響することを決めること自体に反対です。社会全体に関わる大きな問題(入学時期の変更)を議論しているときではありません。

 理由その1

 「勉強が遅れたからこの際新学期を9月にして、遅れがなかったことにする。」という発想自体が安直過ぎて間違っているからです。それじゃ、もし来年以降また感染拡大して学校が休みになったら、また新学期を半年遅らせて今度は4月入学にするのですか?

 新型コロナで勉強が遅れたなら、例えば「夏休みをお盆の前後の1週間とし、冬休みを年末年始の4日間とし、さらに、それでも足りなければ完全週休2日を隔週で週休2日にする。」など今すぐ出来る手を打つべきです。つまり、そういう努力もしないで「入学時期を遅らせればいい。」というのは筋が通らないです。

理由その2

 それに、9月入学にするということは現在学校に通っている生徒は12年間で卒業できるはずだったのに12年5ヶ月も学校に行くということになります。学校が休みになっても勤勉に努力した生徒も、勉強せずに遊んでいた生徒も等しく社会に出るのが半年遅れるのです。9月入学にするということは新1年生だけの問題ではなく、全国の全学生が影響を受けるのです。それで良いのでしょうか?

理由その3

 さらに、9月に入学時期をずらせば良いの根拠としてこの数ヶ月間の学習の遅れを重大視していますが、そう語っている方々の話は根本的に矛盾しています。

 というのは、もし令和3年9月から導入したら、現在幼稚園年中で4月2日~9月1日生まれのお子さんも9月に入学することになります。つまり、本来なら年長として1年間幼稚園教育を受けるはずだったお子さんが5ヶ月しか年長教育を受けずに新1年生になるのです。

 学習が遅れたから9月新学期を主張している方々は幼稚園年長の教育は縮めて半年で良いと言っているのです。幼稚園など行っても行かなくても大して変わらないと思っているのでしょうか?これではあまりにも幼児教育を軽視しています。テレビで「有識者」が学習の遅れを強調していましたが、幼稚園教育まで考えずに発言していると思います。つまり、彼らは検討不十分か、ご都合主義なのでしょう。

理由その4

 そして、「世界の趨勢が9月新学期だから、留学生や優秀な外国人を採用するためにそれに合わせるべき。」との主張も本末転倒です。

 日本全体に影響する学制について「外国がこうだから・・・・」ではなく、「それが真に我が国にとって正しく、国民にとって利益があり、ひいては国益に合致する。」という観点で慎重に検討するべきです。さらに、外国の流儀を取り入れるのが正しいかどうかは我が国の固有の文化、伝統に照らして判断するべきだと考えます。

理由その5

 これからの時代いろいろな分野において次々と見直され、実は「日本のやり方、日本が言っていることのほうが正しかった。」ということが証明されていくと思います。それが令和の時代だと思います。

 私たち「普通の日本人」も誇りを持って、背筋を伸ばし、胸を張って、堂々と生きていきましょう。


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