結婚式場へ
新郎側、新婦側と分かれて、一人ずつ座ります。
控室に居た時から、
夫を間違いなく、余計な行動を取らせないように、私が夫に話す・夫の袖や肩を掴もうとすると、怒り始めていたので、次女が「私がお父さんを見るから、お母さんは離れて」と言うので、心配でしたが、離れていました。
次女は、認知症の父に時々、びっくりする程厳しい口調で、バシッと言います。
それに対して、夫は、私に対するような反応を見せません。
父親の顔になると言うのか、怒りもせず、黙って従います。
挙式の前に、親族紹介。
新郎側から始まります。
それぞれ、簡単に「宜しく」とか「宜しくお願いします」と短い挨拶です。
夫の番になりました。
突然、神前に進み出ようとし、娘に袖を掴まれ、
「ここでいいの!」「宜しくと言えばいいの!」と、制止しようとしました。
夫は、抵抗、「俺は〇〇の兄だ」と前に行こうとし、結局挨拶しないまま、私たちが「宜しくお願いします」と言い、夫を座らせました。
何故、前に行こうとしたか。
前日から、「俺は〇〇(甥の母・肺がんで亡くなった妹)の兄だ」と言っていました。親族の挨拶があることもわかっていました。自分が(親族の中で一番偉い、義理の兄だ、家長として、最初にしっかりと)挨拶すると言っていました。私はもしかして、変なことをするかも【上記の( )の内容を内心考えている】と予測していました。
「△ちゃん(甥)は、お父さんの甥だから、親族の紹介は△ちゃんのお父さんの◎さんの役だよ」と言っても、理解できないのか、納得していませんでした。
後は他の親族の挨拶と新婦側の挨拶。
新婦側の挨拶の時も、相手側の批評を場所をわきまえず話すので、ひそひそ声で黙らせるのに必死になりました。
甥には申し訳なく思います。
挙式が始まり、私たちの真後ろで、生の雅楽演奏が厳かに高らかに始まりました。
夫は、「うるせ!」と言い、両耳を塞いだまま。
神主さんが頭を下げるように言うのにも、余り下げず。
お神酒が銘々の杯に注がれても、「飲んでもいいか?飲むんだか?」と声を出す。
「飲んでいいよ」と答えました。
兎に角、厳かな雰囲気が台無しにならないよう、声を潜めて、夫を私も娘もたしなめどうし。
親族がどう思ったでしょう。
迷惑な顔もせず、ごめんなさい。感謝しています。
挙式が終わり、一旦控室へ戻りました。
夫は
「披露宴、何時に始まる?」、
「血糖値測定はどうする?」
「インスリンはいつやる? どこでやる?」
の質問を何度も繰り返しました。
あまり、しつこいので、早めに控室で血糖値測定しました。
血糖値 197
そして披露宴
どこに座るか、インスリンはいつどこでやるかを気にして何度も聞きました。
夫:「何を食べればいいのか教えれよ」
私:「何食べてもいいんだよ」
席に座り、披露宴が始まり、新郎新婦入場。
乾杯が済んで、すぐに会場の外に出て、柱の影のソファでインスリン注射をしました。
会場に戻ると、もう披露宴はどうでもよく、食欲だけとなり、周りに座った家族も親族も呆れました。
これは食べれるか?
これは喰わね
先付: ミニトマトだけ
御造り: 上品に盛り付けられたお刺身と刺身のつまの大根、あまり食べられるものが無い事を予想し、私の分も全部食べさせました。
食べ方で一番驚いたのが、パンの食べ方。
テーブルのお皿にロールパンとフランスパン一切れが載せられるのを待ちきれず、ロールパンが置かれるとすぐ手をだし、給仕してくれるウェイトレスさんがフランスパンを置けず戸惑っていました。
夫は、パンは血糖値が上がりやすく下がり易い事を知っている筈ですが、食べる物(ご飯)が無いから、食べると決めていました。
ロールパンの皮をむいて、スイカにかぶりつくように、白いふわふわの部分だけを歯を使って食べ始めました。
フランスパンも、固い皮を剥くように白い所だけを食べています。
姑も、妹も、私も、皆が、「え~~~」と、唖然としてしまいました。
妹も、「兄さん、それだと足りないんでない」と言って、笑っていました。
私のも、姑のも、妹のご主人のも、娘のも、もらって食べさせました。
パンの皮の山が、皿の上にど~~~んとできました。
ムースを茶碗蒸しだと、騙して食べさせようとしましたが、
「なにこれ?」と食べませんでした。
鯛をソテーし、クリームソースをかけたのは食べてくれました。
牛のヒレステーキも完食してくれました。
ここまで来てようやく私の、夫が低血糖になる心配が無くなりました。
油脂も取れたからです。
そのあと、洋風雑炊もでました。全部食べました。
ここで、持参した、水筒に入れた抹茶入り玄米茶を夫に渡しました。
夫は一気飲み。
薬を飲むための水を貰い渡すと、
「なんだ、水だねが(白湯じゃない)」
「ここでは仕方ないよ、水しかないの」
と、納得させました。
夫が、猛獣のようにガツガツ食べるのに付き合い、自分で食べるのに精一杯でした。
ここまでは、披露宴の進行具合を見る余裕もありませんでした。
会場3面の壁に、新郎新婦の生い立ちが映写されたり、
(夫は、甥の家族や亡くなった妹には反応を見せていました)
会社の人や友達からのメッセージが映されたり、余興でダンスがあったり、
新婦の衣装替え、新婦の衣装替え、
そして、新郎の衣装替え、親族が付き添って退席する時に夫が立ち上がり、ひな壇へ歩き始めました。
え~~~~? なに? どうしたの? ?????
兎に角、変!!!
夫を追いかけました。
もしかして、自分が親族と呼ばれたと勘違いしたのか?
甥と一緒に退席するつもりなのかもしれないと思いました。
夫の袖を掴もうとしましたが、ズンズン進んでしまい、ひな壇の前に。
甥の周りは写真を撮ろうとする友人たちで一杯。
ようやく夫を捕まえました。
夫は、退席を先導する会場の係りの人が進んでくるので、脇によけていました。
私はと言えば、場を取り繕ってカメラを構え、しゃがんで、夫と甥を撮りました。
奇妙な写真でした。
長い披露宴(3時間)で、終わりかと思えば、また続くで、
夫は「帰る」と何度も言い始めました。
「まだだよ。ほら、まだ、皆座っているでしょう。」
「最後は、花嫁が手紙を読んで花束を渡すんだよ」
「それが済んだら、新郎新婦がホールでお客さんに挨拶してくれるんだよ」と説明しましたが、もう疲れて理解していないようでした。
それでも何とか我慢してくれ、最後まで会場に居ました。
ホールで慌ただしく花嫁花婿に「おめでとう!お幸せに!」と挨拶し
自宅に帰ってきました。
まず、何とか、終わりました。
夕飯の支度をし、長女に夫の血糖値測定と夕飯・お茶・薬の世話を頼み、
次女を空港に車で送り(渋滞に巻き込まれ、途中空港に電話を入れるほど、時刻が迫り、あわてました)、
どたどたの慌ただしい一日がようやく終わりました。
ど~~~~~~と、疲れたのに、神経が高ぶったのか寝付けませんでした。
次の日は、寝坊し、夫に起こされました。
愚だ愚だと長ったらしいブログですみません。
読んでいただいてありがとうございました。